眠れない夜の言葉遊び

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、夢小説

十月の天の川 和歌、短歌、いかがでしょうか

2020-10-08 08:23:00 | 短歌/折句/あいうえお作文
朝焼けのマーマレードが伸び行けば
柿へと渡り和解テーブル

(折句「天の川」短歌)


畦道や
しっぽを振って
タタタタタ

アビイ・ロード
ししゃもが焼けて
タイガース

あほんだら
死んだら終わり
食べなさい

(折句「あした」俳句)

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弟のミッション(森のパズル)

2020-10-08 07:49:00 | ナノノベル
「森はみんなあんたに任せるから」
 任せるという言葉の響きに僕はだまされてしまう。
 こんなことは前にもあったぞ。

チャカチャンチャンチャン♪

 任務があるのはわるくないものだ。
 任せなさい。
「こういうのあんた得意でしょ」
 流石はよくわかっている。
 姉は人との交流が得意分野。
 僕は目の前のミッションに向き合うまでだ。

チャカチャンチャンチャン♪

 深い緑に淡い緑。
 とは言え緑ばっかり。
 この緑とあっちの緑はどこがどう違うの。
 今頃、姉は明るいカラーの人に向いていることだろう。

チャカチャンチャンチャン♪

「あんた、もうできたの?」
 根を詰めればできないものはない。
 ただ失敗を重ねて過去をつぶしていけばいい。
 だけど、森の真ん中にぽっかり穴が空いたままだ。
「ねえ、森のピース、そっちの人間界に行ってない?」

チャカチャンチャンチャン♪

「えっ、あるかな」
「ない?」
「ねえ、あんた、こっちも手伝ってよ」
 流石に人使いが荒い。
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長い朝

2020-10-08 04:48:00 | ナノノベル
「お待たせしました」
 私は何を思ったのだろう。前のめった姿勢が客を呼んでいた。客はすぐに歩いてやってきたが、パンはまだ焼けていなかった。
「少々お待ちを」
 本来ならばパンはもう焼けたあとでなければならなかった。過去形から進行形に戻される不条理の中に、お客様は立たされていた。

(気まずいな)

 何を詫びるかもわからず、私は厨房の中に立ち尽くしていた。延々と待たされる時。時だけが、ただ感じられる時。トースターは、時を嘲笑うようにスリープ・モードに入ったまま、熱を上げない。
 長い朝だった。

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