「森はみんなあんたに任せるから」
任せるという言葉の響きに僕はだまされてしまう。
こんなことは前にもあったぞ。
チャカチャンチャンチャン♪
任務があるのはわるくないものだ。
任せなさい。
「こういうのあんた得意でしょ」
流石はよくわかっている。
姉は人との交流が得意分野。
僕は目の前のミッションに向き合うまでだ。
チャカチャンチャンチャン♪
深い緑に淡い緑。
とは言え緑ばっかり。
この緑とあっちの緑はどこがどう違うの。
今頃、姉は明るいカラーの人に向いていることだろう。
チャカチャンチャンチャン♪
「あんた、もうできたの?」
根を詰めればできないものはない。
ただ失敗を重ねて過去をつぶしていけばいい。
だけど、森の真ん中にぽっかり穴が空いたままだ。
「ねえ、森のピース、そっちの人間界に行ってない?」
チャカチャンチャンチャン♪
「えっ、あるかな」
「ない?」
「ねえ、あんた、こっちも手伝ってよ」
流石に人使いが荒い。