無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点

2013-05-14 | 2015以前の映画評


「探偵はBARにいる2 ススキノ大交差点」 橋本一監督 ×××× PP缶ピース他

 探偵(大泉洋)の友人でゲイのマサコが殺されました。犯人は検挙されず事件も忘れ去られようとした頃、バイオリニストの女(尾野真千子)が自分のファンだったマサコを殺した犯人を捜してほしいと探偵に依頼します。しかし、ススキノの仲間たちは事件について触れたがりません。実は政界が絡んでいて探偵は依頼を受けたばかりに3つの組織から追われる身となったのでした。
 事件に絡む政治家は原発反対派で、彼を支持する市民が暴力で探偵に向かってくるという場面が何回かありましたが、そのスタイルがマスクとヘルメットにバットという昔の過激派もどきで非常に不愉快でした。今反対している市民は普通の市民で暴力的なグループとはまったく逆の立場の人々です。原発反対運動を誹謗中傷している内容は娯楽映画として許されるものではないでしょう。
 タバコについても大問題作で、主役の大泉洋が多くの場面で喫煙し(××)、助手の松田龍平も後半数回喫煙(×)、そのほかススキノの繁華街の場面では客引きの女性が喫煙していて、そのすぐそばに赤ちゃんがいるという乳児虐待場面もありました。(×)PPも大変露骨で缶ピースは何度も登場し、マルボロの看板、ラストで松田が大泉に「吸う?」と言って黄色いパッケージのたぶんスピリッツを出す場面もありました。
 FCTCに違反しているだけでなく、特に今年のWHO世界禁煙デーのスローガンは「タバコ広告の禁止」となっていますので大いに問題です。撮影に協力している札幌市などは恥ずかしくないのでしょうか。

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戦争と一人の女

2013-05-14 | 2015以前の映画評


「戦争と一人の女」 井上淳一監督 ×××

 坂口安吾の「明るいニヒリズム」が原作です。東京にB29が爆弾を落とすようになったころ、「空襲が大好き」という元飲み屋の女(江口のりこ)は常連客だった作家先生(永瀬正敏)と暮し始めます。一方、片腕を亡くした傷痍軍人(村上淳)は中国で日本軍が犯した罪と同じことを繰り返し、彼自身罪を重ねていきます。ポルノビデオとも思えるR18の性描写がこれでもかと続き、あまりにくどくエロティックコメディかとも思えるほどです。レイプシーンは腹立たしいし、やはり男性監督の限界を感じます。主役の江口は脇役の時には光っているのにこの作品ではいいところがありませんでした。脱げばいいというものではないでしょう。戦争批判をしているんだかどうだかその辺もぼやけていました。作品の意図が理解できかねます。
 タバコは物のない時代にもかかわらず、主役のふたり(永瀬正敏、江口のりこ)がたびたび喫煙していました(××)。村上淳も喫煙しました(×)。なお、坂口がモデルの作家は後半ヒロポン中毒となり、やはりニコチンが薬物依存のゲートドラッグであることはよくわかります。

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ペタル ダンス

2013-05-14 | 2015以前の映画評


「ペタル ダンス」 石川寛監督 ○

 大学時代の友人ミキ(吹石一恵)が「海に飛び込んだらしい」と聞き、ジンコ(宮崎あおい)と素子(安藤サクラ)はやはり自殺がらみのきっかけで知り合った原木(忽那汐里)の運転でミキがいる北へ向かいます。それぞれが心の中にあるものをストレートに表現することへのためらいや相手に対する気遣いなどで、女が4人いても会話はあまりありません。それだからこそ遠慮がちなひとことが深く心に沁みこむのです。一言に込められた万巻の思いが伝わるのです。うるさいほど饒舌な作品があふれる昨今、優しい切り口で女性を表現した心が洗われるような作品です。
 タバコはなし。無煙です。

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