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「斬、」 PG12 塚本晋也監督 ◯
江戸時代末期、開国か否かで国内が揺れていた江戸近郊の農村での出来事です。
浪人の都築(池松壮亮)はある農家で下働きをしてなんとか生きていました。そこへある男が「京へ上る」腕の立つ仲間を探しにやってきました。農家の息子市助(前田隆成)に剣の鍛錬をしている都築をみて男は京へ誘います。市助は自分も同行したいといいますが、農家の娘ゆう(蒼井優)は止めるのでした。そんな折、無宿者たちが村に現れ村を脅かすのでした。
冒頭の剣の稽古をする場面が、カメラも役者も動き回っていて、落ち着きません。映画酔いします。(いい映画で気分が良くなるのではなく、画面が揺れて乗り物酔いと同じ気分になること)カメラを動かせば躍動感が出ると思っていたら大間違いです。
全体的に画面が暗すぎ、「七人の侍」風の展開ですが、観終わってすっきり感が感じられません。で、何を言いたかったのでしょうか?
都築のセリフに「(無宿者たちは)きちんと仕事を与えれば悪い人たちではありません。怖がらず、稲刈りに使ってあげたら・・・。」とか、暴力の報復では何も解決しない、という内容のセリフが今への警告とはなっていて、その点は評価できます。ただ、血糊を使いすぎなのではないでしょうか。もっと美しく表現してほしいものです。
もうひとつ、PG12になるような場面は本当に必要なのか、疑問です。
時代劇に挑戦した心意気には拍手しましょう。
タバコは、なし。無煙です。