「ジョーカー フォリ・ア・ドゥ」 PG12 トッド フィリップ監督 ✘✘✘
2019年第76回ベネチア映画祭で金獅子賞など受賞した前作の続編です。タイトルの「フォリ・ア・ドゥ」はフランス語で妄想が複数人に共有される感応精神病です。その言葉が示しているように孤独で心優しかったアーサー・フレック(ホアキン フェニックス 第96回アカデミー賞主演男優賞)が「ジョーカー」として変貌していく姿に謎の女性のリー(レディ ガガ)が共感して近づいて行くのでした。
前作のハードルの高さを超えることは難しかったようです。レディ・ガガがそれなりの魅力はありましたが、前作の貧しいけれど普通の男だったアーサーが変わってしまうところが肝で、同じように格差社会になっている現在の観客の共感が得られたと思います。今作では二人の異常な行動ばかり描かれその辺があやふやでした。
ただ、刑務所が看守からタバコをもらって吸ったり、随分自由な雰囲気があり日本の刑務所(体験したことはないけれど)のイメージとは違っていました。
タバコは、二人共ほとんどタバコを吸っていて、周囲の看守たちも喫煙場面が大変多い作品でした。特にホアキン・フェニックスは全力疾走する場面がありあれは命取りになりかねません。俳優を大切にしてほしいものです。