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「ダンスウィズミー」 矢口史靖監督 ○
「ウォーターボーイズ」(2001年)では男子のシンクロナイズドスイミングを描き、「スウィングガールズ」(2004年)では地方を舞台にスウィングジャズに熱中する女子高校生を描いた矢口監督が2018年に描くのは、音楽を聞くと踊らずにはいられないという催眠術をかけられた女性です。
静香(三吉彩花)は子どもの頃のトラウマでミュージカルが大嫌いでした。ところが、ある時姪っ子と訪れた遊園地で怪しい催眠術師から「音楽を聞くと歌って踊らずにはいられない」という催眠術をかけられてしまいます。携帯の着メロや駅のアナウンスなどいたるところに音楽が溢れています。そのたびに踊りだして周囲をめちゃくちゃにしてしまい、有名企業の花形職員だった静香はいつのまにか無一文になってしまいます。そこで催眠術を解いてもらうため怪しい催眠術師を探す旅に出るのでした。
その旅にある事情から同行することになった催眠術師の助手の千絵(やしろ優)との珍道中が物語の中心です。果たして催眠術は解けるのか、仕事に復帰することはできるのでしょうか。
主役の三吉が精一杯のダンスと歌を披露してくれますが、彼女に余裕が感じられず緊張が伝わってきてしまいました。女子3人で歌う「年下の男の子」などはのびのびとして楽しかったのですがオリジナル曲には今ひとつ観客は乗り切れませんでした。「ウォーターボーイズ」では誰でも知っているスタンダード曲が流れ一緒に楽しめましたが、残念です。
ただ、ヤンキー風の青年たちがケンカではなく、ダンスで勝負するという場面は平和的ですばらしかったです。「暴力をやめ、ダンスで勝負」なんて、かっこいいですね。
タバコは、なし。無煙です。