無煙映画を探せ  

映画のタバコシーンをチェック。FCTC(タバコ規制枠組条約)の遵守を求め、映画界のよりよい発展を願うものです。

いろとりどりの親子

2019-01-16 | 2019外国語映画


「いろとりどりの親子」 レイチェル ドレッツイン監督 米 △

 アンドリュー ソロモンが10年の歳月をかけ300組以上の「普通でない子ども」の親子にインタビューしてまとめたベストセラーノンフィクションの原作をドキュメンタリー映画にしました。
 自閉症、ダウン症、低身長症などの子どもとその親達が苦しんだり、悩んだり、その経験を超えての喜びなどを、自らがゲイのため両親になかなか理解してもらえず、つらい思いをしたソロモンがインタビューしています。「〜〜症」と診断されることで自ら可能性を閉じ込めてしまいがちですが、仲間の中に入ることで「孤独感」や「無力感」が払拭されていく過程を丁寧に映像にしました。また、それぞれに的確なアプローチをすることで自己表現が可能になっていく姿をみると、障害とは普通と思われている側の接し方に障害があるから生じる問題なのではないかと考えさせられました。
 重大犯罪を起こして服役中の息子から普通に(時間などの制約はあるようでしたが)電話がかかってくるという待遇は日本の閉鎖的な刑務所の雰囲気からは想像できません。アメリカは開かれているのですね。
 タバコは、低身長症の男性が集会所の外の喫煙所で喫煙していました。
 また、妊娠が可能かどうかのカウンセリングで「タバコを吸いますか?」と最初に聞かれていました。喫煙習慣はリスクが大きいということですね。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

マダムのおかしな晩餐会

2019-01-15 | 2019外国語映画


「マダムのおかしな晩餐会」 アマンダ ステール監督 仏 ☓
 
 セレブの晩餐会にいきなり人数合わせで「マダム」として参加したメイドが起こすちょっと皮肉なコメディです。
 アン(トニー コレット)とボブ(ハーベイ カイテル)は倦怠期を迎えたアメリカ人の夫婦です。パリの屋敷で食事会を開きますが、人数が13人という不吉な数字になってしまいました。そこでスペイン人メイドのマリアを「お客様」に仕立てます。マリアは緊張のあまりワインを飲み過ぎて酔ってしまい、下品なジョークを披露したり本音でおしゃべりをしたり周囲からは浮いてしまいます。隣席のイギリス人画商は「マリアは実は伯爵夫人」という嘘の情報もあり興味を持ちます。そして、マリアはその画商と恋に落ちてしまいます。しかし、アンは自分が頼んだにもかかわらず面白くないのでした。その上、夫のボブはフランス語の教師に気があるようでますます苛立つのでした。
 セレブ社会に、厳然と残っている階級性をところどころ皮肉な目線で暴いています。複雑な心境の「本物のマダム」であるアンをトニー コレットが、「偽物のマダム」マリアをロッシ デ パルマがそれぞれ競演しています。
 タバコは、何回か登場、メイドがキッチンで喫煙するのはプロ意識にかけるのでは・・・。(☓)


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生

2019-01-14 | 2019外国語映画


「ファンタスティック・ビーストと黒い魔法使いの誕生」
                 デビット イエーツ監督 米 ◯ NTS

 魔法生物学者ニュートの冒険を描いたシリーズ第2作目。
 ニュート スキャマンダー(エディ レッドメイン)はアメリカ魔法議会が捕らえた強大な魔法使いグリンデルバルト(ジョニー デップ)が逃げ出したことを知らされます。恩師のダンブルドアから特命を受け、ニュートはパリへ向かいます。仲間の魔法生物や友人たちとともにグリンデルバルトを追いますが、黒い魔法も強力で簡単ではありませんでした。
 ニュートが選ばれた理由に「君は権力や名声から最も遠い。」という言葉は、人間社会で、自分の利益のために権力におもねる人々への警鐘とも言えます。黒い権力は強大ですが、立ち向かう勇気が私たちにも必要です。アベンジャーズに登場するような不死身のヒーローではなく、ちょっとうつむき加減の弱々しい主人公役にはエディ レッドメインは適役です。
 ところで、次回作にもジョニー デップは再び登場するのでしょうか。
 タバコは、なし。無煙です。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

蜘蛛の巣を払う女

2019-01-13 | 2019外国語映画


「蜘蛛の巣を払う女」 PG12 
           フェデ アルバレス監督 英独米加スウェーデン合作 ☓☓☓NTS

 世界的ベストセラー「ミレニアム」シリーズの第4作を映画化しました。第1作を映画化した「ドラゴンタトゥーの女」から監督主演が変わっています。
 背中にドラゴンタトゥーがあり天才ハッカーである特殊な身体機能能力を持つリスベット(クレア フォイ)はAIの権威であるバルデル教授が開発した核総攻撃プログラムをアメリカ国家安全保障局から奪い返してほしいという依頼を受けます。そのプログラムを狙っている組織は他にもあり陰謀の裏を探ろうとするリスベットの前に16年前に別れた姉カミラ(シルビア フークス)が立ちはだかるのでした。
 前座の女性への暴力を繰り返す男に対する「お仕置き」の場面が強烈です。多くの被害女性は拍手を送りたくなる場面です。本題に入るとよりアクションは過激になります。姉妹の他にももうひとり女性がかかわり「女の三つ巴の戦い」となります。男性群はあくまでもサポート役です。
 パソコン、スマホの最新の機能と最新式の武器を使いますが、いちばん大切な暗号はアナログだということもおもしろいです。
 タバコは、リスベットが喫煙者で度々喫煙しましたが、体を使うお仕事の人がニコチン依存症では困るのではないでしょうか。(☓☓)周囲にも喫煙者が何人かいました。(☓)それでもNTSです。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アイ・フィール・プリティ! 人生最高のハプニング

2019-01-10 | 2019外国語映画


「アイ・フィール・プリティ! 人生最高のハプニング」
           アビー コーン、マーク シルバースタイン監督 米 ◯ NTS

 自分に自信が持てないぽっちゃり女子が、あるハプニングで自信を取り戻す過程を描いたコメディです。
 化粧品などの女性用品の会社に務めるレネー(エイミー シューマー)は仕事はできますが、体型のせいか人には会わない通販担当として地下の倉庫で働いていました。思い立って評判のジムへ出かけますが、そこでちょっとした事故が起き頭を打ったレネーは自分が見事に美しくナイスバディに変身したと錯覚をします。自信たっぷりになったレネーはクリーニング店で知り合った男性に積極的にアピール、仕事では「会社の顔」でもある受付係に立候補します。唖然とする周囲を尻目に、体型を気にする様子もなくバリバリ仕事をしているレネーを社長のエイヴリー(ミシェル ウイリアムス)は興味を持つのでした。実はエイヴリーは会社のトップでありながら自分の声と話し方に自信がない、というコンプレックスを持っていたのです。エイヴリーに頼られ、ボーイフレンドともうまくいきハッピーなレネーでしたが・・・。
 天国と地獄を味わい、そして現実を前向きに捉えられる女性に変化するレネーをエイミー ウイリアムスが好演しています。良く練られた脚本が笑わせ泣かせてくれます。特にビキニコンテストでのダンスは「リトル・ミス・サンシャイン」のオリーヴちゃんのダンスを彷彿とさせ笑えました。爽快なラストが元気をくれます。
 タバコは、なし。無煙です。 

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

太陽の塔

2019-01-09 | 2019日本語映画


「太陽の塔」 関根光才監督 ◯ ☆☆☆ パルコ

 1970年の大阪万博のシンボルとして建てられた岡本太郎の「太陽の塔」にまつわるさまざまな立場の人々の思いをドキュメンタリー映画にしました。
 万博のパビリオンはすべて解体されましたが、太陽の塔だけは当時のまま残されています。何を表現するために、何を伝えるために岡本はあの塔をデザインしたのでしょうか。建築、哲学、民俗、宗教、芸術などそれぞれの専門家が、太陽の塔、そして岡本太郎から感じた思いを語り、第1章「大阪万博」から第9章の「贈与」までテーマごとにインタビューの内容をまとめてあります。
 今なぜ「太陽の塔」なのか。インタビューで証言する人々の言葉から「今だから」伝えなければならないことがあり、その触媒として「太陽の塔」が選ばれたのではないかと思います。
 「原発」「放射能」「福島」などのことばが「NGワード」となり、原発事故は過去のものにしようと目論む人々の思い通りに世の中が進んでいる今だからこそこの作品は生まれたのではないでしょうか。(☆☆)
 深い内容ですが、シンプルでわかりやすいアニメーション(牧野傅)と似顔絵が理解を助けてくれます。惜しかったのは、博物学者、南方熊楠の紹介で「ネンキンが専門」ということばがあり漢字がでなかったのですが、今「ネンキン」と聞くとどうしても切実な「年金」を頭に浮かべてしまうので、「粘菌」の文字を出してほしかったです。
 個人的には、「東北学」以来のファンである民俗学者赤坂憲雄さんのシルキーボイスが聞けて良かったです。「東北地方は2000年来の植民地」の言葉に感動しました。(☆)
 パンフレットを買ったので勉強し直します。
 タバコは、昔の写真の中では出てきましたが、現在の場面では出てこなかったので無煙です。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

鈴木家の嘘

2019-01-09 | 2019日本語映画


「鈴木家の嘘」PG12 野尻克己監督 ◯ ☆ 松竹ブロードキャスティング

 長男の突然の死が原因で記憶を失った母親に、長男は海外に行っているという嘘を付いたことで起きるドタバタと苦しんだ後の家族の再生を描きました。
 悠子(原日出子)は昼食を誘いに引きこもりの息子浩一(加瀬亮)の部屋に入るとそこで死んでいる息子を発見します。助けようとしたものの気を失ってしまい深い眠りについてしまいます。浩一の四十九日を迎え家族と親戚は見えない先行きに不安を覚える頃、なんと急に悠子は意識を取り戻したのです。ところが、母悠子は浩一が死んだことをすっかり記憶からなくしていたのでした。はずみで叔父(大森南朋)の仕事を手伝ってアルゼンチンで元気にしている、という嘘が妹富美(木竜麻生)の口から出てしまうのでした。その日から父(岸部一徳)、妹富美、叔父の家族みんながその嘘を貫き通そうとするのですが・・・。
 重いテーマの内容ですが、ちょっとコメディの部分もあり不謹慎かと思いつつも結構笑えます。家族の突然の死に苦しむ人のためのいくつかの提案もさりげなくされていて、ラストにはささやかながらも希望が見えます。出演者のそれぞれが他の俳優には置き換えられないであろうと思える好演を見せました。
ある事情で割れた車の窓ガラスにビニールが貼ってあったり、意識を取り戻すきっかけがラジオの毒蝮さんの声だったり、細かいところにも丁寧な演出がされています。特に照明(秋山恵二郎)が効果的に心情を表現していました。一方で「音楽で泣かす」という常套手段を使わず新鮮でした。(☆)吸血コウモリの演技(?)に拍手。
 PG12の制限がついてしまったのが残念です。
 タバコはなし。無煙です。いつも必ず喫煙する大森南朋が喫煙せず爽やかでした。(◯)


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ニセコイ

2019-01-08 | 2019日本語映画


「ニセコイ」 河合勇人(かわいはやと)監督 ◯ ☆ 東宝

 「週刊少年ジャンプ」に連載された古味直志原作のラブコメ漫画を実写映画化しました。
 極道組織「集英組」二代目の楽(中島健人)は「二代目」と呼ばれることが嫌いな普通の高校生です。同じ高校にアメリカから進出してきたギャングの「お嬢」千棘(ちとげ 中条あやみ)が転校してきます。実は組織の抗争を避けるため恋人同士になるよう二人はそれぞれの親から頼まれるのです。お互いに「もやし男」「ゴリラ女」と反発し合いますが、常に双方の子分たちが見張っているので恋人らしく見られるようニセコイを懸命に演じるのでした。ただ、楽には子どもの頃鍵と錠のペンダントを分け合った忘れられない女の子がいたのです。はたして楽と千棘のニセコイはうまくいくのでしょうか。運命の彼女とは出会えるのでしょうか。
 千棘のアクションや楽の妄想場面が笑わせてくれる楽しい作品です。教師たちが個性的でこんな学校があったら楽しいだろうと羨ましくもなります。
 中条、中島だけでなくこれからの活躍が期待される若手の俳優たちの演技も楽しめます。中高生がお年玉で観る作品におすすめの内容です。
 楽しいといえば、エンドロールで流れる、メイキング映像で出演者が和気藹々と仕事をしているという雰囲気が伝わり、「楽しくなければ仕事じゃない!」をモットーとしている筆者には最も評価できる場面でした。(☆)
 タバコは、なし。一度ギャングの親分が葉巻を手にする場面がありましたが火を付けなかったので無煙です。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

斬、

2019-01-07 | 2019日本語映画


「斬、」 PG12 塚本晋也監督 ◯

 江戸時代末期、開国か否かで国内が揺れていた江戸近郊の農村での出来事です。
 浪人の都築(池松壮亮)はある農家で下働きをしてなんとか生きていました。そこへある男が「京へ上る」腕の立つ仲間を探しにやってきました。農家の息子市助(前田隆成)に剣の鍛錬をしている都築をみて男は京へ誘います。市助は自分も同行したいといいますが、農家の娘ゆう(蒼井優)は止めるのでした。そんな折、無宿者たちが村に現れ村を脅かすのでした。
 冒頭の剣の稽古をする場面が、カメラも役者も動き回っていて、落ち着きません。映画酔いします。(いい映画で気分が良くなるのではなく、画面が揺れて乗り物酔いと同じ気分になること)カメラを動かせば躍動感が出ると思っていたら大間違いです。
 全体的に画面が暗すぎ、「七人の侍」風の展開ですが、観終わってすっきり感が感じられません。で、何を言いたかったのでしょうか?
 都築のセリフに「(無宿者たちは)きちんと仕事を与えれば悪い人たちではありません。怖がらず、稲刈りに使ってあげたら・・・。」とか、暴力の報復では何も解決しない、という内容のセリフが今への警告とはなっていて、その点は評価できます。ただ、血糊を使いすぎなのではないでしょうか。もっと美しく表現してほしいものです。
 もうひとつ、PG12になるような場面は本当に必要なのか、疑問です。
 時代劇に挑戦した心意気には拍手しましょう。
 タバコは、なし。無煙です。


  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ドキュメンタリー映画 岡本太郎の沖縄

2019-01-05 | 2019日本語映画


「ドキュメンタリー映画 岡本太郎の沖縄」 葛山喜久監督 △

 日本を代表する芸術家の岡本太郎がかつて沖縄を訪れ写真集を出版しました。岡本は沖縄のどこにそれほどの魅力を感じたのでしょうか。写真集に沿って各地を巡るドキュメンタリーです。
 1959年と1966年に沖縄を訪れた岡本は「沖縄に失われた日本がある。」「沖縄で自分を取り戻す事ができた。」と絶賛し、写真集「岡本太郎の沖縄」と評論集「沖縄文化論 忘れられた日本人」として発表しました。その足跡を追い、当時と現在との比較をしています。表紙のノロの凛とした佇まいや「イザイホー」の映像は貴重な資料です。
 貴重な資料ではありますが、映画としてはまず121分が長すぎます。90分でまとめられる内容ではないでしょうか。岡本太郎が写真でしか登場しないことも残念です。
 また、「芭蕉布」は現在も後継者が育っているにもかかわらず、寂れてしまった演出で、「イザイホー」も続けることができず女性の営みはマイナスイメージなのに対し、ラストは「勇壮な男」の祭りでしめ、ジェンダー的にも納得できない編集でした。
 タバコは、過去の場面でしたが、「イザイホー」の会場で見学している男性が神聖な場で平気で喫煙している姿が映っていました。また、旧農連市場の場面で高齢の女性が喫煙していました。現在も牧志市場では男女を問わず店番の人が喫煙することがあり受動喫煙被害を受けます。沖縄の平均寿命が伸び悩んでいるのはこの辺に原因があるのではないでしょうか。
 

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする