kanekoの陸上日記

毎日更新予定の陸上日記です。陸上競技の指導で感じたことやkanekoが考えていることなどをひたすら書きます。

県総体~本当の勝負に向けて~

2010-06-02 | 陸上競技
今回の県総体、女子は総合優勝をしました。トラック種目に出場した者は7人、長距離0人でトラック優勝も果たしました。それぞれが今できる最大限の事を全力でやることができた結果だと思っています。出場した7人は全員が個人で中国の出場権を獲ました。7人のうち4人が6位。これまでのチームであれば7位で中国には進めなかったのではないかと感じています。選手の大きな成長を感じました。これまでは個人で戦えない者が集まってなんとか中国に進むというレベルですが、今回は力でつかんだ中国です。かなりの価値があると思っています。

総合優勝、ここだけを狙っていたわけではありません。マイルでの4分切りだけを考えていたわけでもありません。目の前にある大会でどこまで力を出せるかだけを意識してやってきました。「インターハイで戦う」「中国で勝負」という部分ももちろん考えてやっています。しかし、今目の前にあることに対して全力でやらなければ次はありません。まだまだ本当の勝負は先だという気持ちは持っていません。常に今が勝負ですから。だから疲れていてもきちんと勝負にこだわっていく必要がある。負けるためにやっているわけではありません。タイムはもちろん狙いますがもっともっと大切なのは勝負だと思っています。自分の力を出し切って勝ち上がるということがこの総体ではできたのではないかと感じました。

今回複数種目に出場しました。そのため他校の選手で涙を流した者もいたはずです。中国に行ける可能性があってもうちの選手が出たために7位になった選手もいます。勝負というのは残酷です。そこは誰もが感じたことがある部分だと思います。どれだけ真剣に取り組んできたとしても簡単には勝てない。中国を狙って努力をしてきても届かない選手もたくさんいるのです。その選手の分まで…というきれい事は必要ないと思っています。結局本人の代わりにはならないのですから。「この人だったら仕方ない」と思ってもらえるような取り組みをしていく以外はないはずです。だからもっともっと真剣に取り組みたい。それしかありません。参加者のほとんどが上の大会には進めません。1種目6人ずつです。多くの選手の「想い」を感じながら中国では戦っていかなければいけないと思います。応援してもらえるチームになる。これは選手たちの取り組む姿勢でしか示せません。

県総体を通過点だとは考えてはいません。非常に価値がある大会です。総合優勝をしましたが、そこで満足している選手はいません。逆に「やっとスタート地点に立てた」という気持ちがあるのではないかと思います。日誌等を見ると全員が次に向けて動き始めています。「心」が進めば様々な事が変わってきます。この1年間、県のチャンピオンを目指してやってきたわけではありません。県内では「追われる立場」だったかもしれませんが、中国では常に「追う立場」であり、挑戦者だという気持ちで選手と一緒に取り組んできました。決して余裕はありませんし、満足はしていません。今からが戦っていくために大切な時間になるのですから。

総体終了後、選手を集めてesaki先生から言葉がありました。「今回の総合優勝は歴史的なこと。これまで優勝した学校は数校しかない。よくがんばってくれた。しかし、今のままではインターハイには届かない。残された時間でワンランク上げなければ勝ち上がれない」という言葉でした。まさにその通りです。総合優勝できたのは選手たちの努力とチーム力だと思っています。が、それは終わった瞬間からもう過去のことです。そこにいつまでも酔いしれている暇はありません。目指す中国までは限られた時間しかありません。過去の栄光にすがって中国で戦えるわけではありません。戦うために1年間やってきたのです。昨年と同じ悔しさを味わうためにではありません。

個人種目でのインターハイも狙える位置にいます。そして、これまで関わり支えてくれた多くの人の「想い」と「夢」を背負った女子のマイル。普通のチームが他県の強豪校に挑む。そしてインターハイを勝ち取る。我々が道を拓くというつもりでいます。本当の戦いに向けていろいろとやることがあります。まずはしっかり身体を休め、「心」を磨く。そうやって目標に近づいていきたいと思います。

今回の総体、多くの方々に応援していただき、また支えていただきました。選手たちも大会に出場しなかったうちのチームメイト、他校の選手の応援や普段からお世話になっている先生方の一言一言が力になったと日誌に書いています。一番近くでサポートしてくださる保護者の方々のおかげで選手は自分たちの目標に向けて進むことができています。関わって頂けるすべての方に心から感謝します。そして、うちのチームがインターハイに届くようにもう一度力を貸していただければと思います。選手の日誌にも「感謝」という言葉が何度も綴られていました。自分たちだけでやっているわけではない。そのことを忘れずに前だけを見てやっていきます。応援よろしくお願いいたします。

インターハイに行きます。
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県総体~女子マイル~

2010-06-02 | 陸上競技
やっと最後まで来ました(笑)。

女子のマイル、レースが始まる前から「優勝候補」として名前を挙げられていました。山口新聞にも「大会記録の更新を狙う」と1行だけ書いてもらっていました。昨年度の実績から言ってもそういう目で見られています。今までは優勝を狙ってやってきても力を発揮できず表彰台にすら乗れないという状態が続いていました。周りからは「強くはないな」と思われていたかもしれません。当然ですね。実績が伴っていませんから。今回は気負わず「普段通りに走る」という感じで臨みたいと思っていました。
加えて、今回は「女子の総合優勝」という部分がありました。昨年の県体終了後にesaki先生から「女子は総合優勝を狙う」と言われていました。「総合優勝できる力が付いてくればかなりの数がインターハイに出場できるレベルになる」と。確かにその通りです。人数的にはかなり少ないですからそれで総合優勝を果たすというのは簡単なことではありません。各自が複数種目に出場してそれぞれが入賞しなければ届かない目標ですから。万全の状態でマイル決勝を迎えるというのは厳しい。それでもやる意味はあると思って取り組んできました。

マイル予選、400mHを3本走り疲れ果てているmikiをメンバーに入れました。1日に4本目ですし、最近はきちんと練習が積めていませんからかなりきつかったと思います。うちは種目に偏りがありますから誰かが無理をしなければいけません。今回は400mHの決勝で身体が動かなかったmikiを走らせなければいけない状態でした。万全の状態なら問題なく走らせますが今回のmikiは「ポイント練習の替わり」という位置づけで走らせました。さすがに可哀想だったのでアンカーにおいて「65秒でいい」という条件をつけました。3走まで3分00秒でくるのが予選のテーマ。これまでの予選と違うのは2人は800mの予選を走っているということ。今までとは違う条件ですがこれくらいが走れないと中国では戦えません。実際の予選は3走まで3分01秒くらいで来てトータルで4分05秒。ほぼ予定通り。問題なしです。

準決勝は朝イチ。100mHにakaneを出場させるために準決勝は走らせませんでした。sakiも初めて400mを3本走り、4継も走っていますから前日は力尽きて9時過ぎには寝ていたということ。mikiは間違いなく疲労困憊。それでもyukaには800mで中国の切符を獲得して欲しかったので800mに専念させるために使いませんでした。hatuは貧血気味でしたが1日目に400m3本、2日目に800m1本+マイル予選とこれまでにないくらい走っています。元気なのはrinaだけ。それでも「準決勝から大会記録は更新するように」と指示を出しました。疲れていてもある程度の力が出せない限りは中国では戦えないのですから。この時点での「疲れ」は言い訳にしかなりません。rina以外は万全とは言えませんでしたし、朝イチのレースなのでどこまで記録が出せるかが課題となりました。ここでも3走まで3分01秒くらいで来ました。やはりsakiとmikiは疲れています。結果的には4分02秒35の大会記録更新。予定通りです。問題なし。

決勝はタイムだけを狙っていくというよりはきちんと勝負に徹するという部分かなと思っていました。アンカーを100mHを3本走ったakaneに変更。100mHの準決勝時に「疲れている」と言っていましたが無視して決勝も走らせていますからそれなりに疲れはあったと思います。繰り返しになりますが本当に強い選手、強いチームというのは複数種目を兼ねていてもきちんと結果を出します。疲労云々で県で力が出せないようでは中国では勝てませんし、インターハイなんて夢のまた夢です。万全の状態でレースに臨むというのは難しい部分があるのです。逆にこれくらいの負荷を乗り越えて戦えるようであれば十分インターハイが狙えます。そこだけを意識してやりました。
レースが始まる前には「自分の走りをしろ」とだけ指示。ここまできたら選手がやるだけです。狙って狙って硬くなるというのでは意味がありませんからね。レースは1走が最初フライング。おいおいという感じでした。これで失格したらもこれまでやって来た積み重ねが0になります。若干(?)激怒しそうになりましたが我慢(笑)。1走のsakiはトップで持ってきましたが61秒かかっていました。これでは中国では戦えません。2走のrinaも力は出してくれましたが、他校のエースに5m程度詰められました。相手は100m・200mの優勝者ですから仕方ない部分があるかもしれません。しかし、中国ではこのくらいの選手はたくさんいます。先頭を走るというのは目標がありませんから追う方が有利なのは間違いありません。それでももう少し走れると良いですね。3走に渡った時点で勝負あり。あとはタイムだけです。mikiも自分のペースでひたすら走る。後ろを1秒は離したでしょうか。本来のスピードは出ていませんでした。3走までで3分ちょうどくらいだったと思います。アンカーのakaneも前半から積極的に走り最後まで粘りましたが、タイムは4分01秒20。またも4分切りはお預けです。選手達は「勝った」ということよりも4分が切れなかったという部分が大きかったですね。笑顔が全くありません。素直に喜べないでしょうね。

しかし、私としては合格点だと思っています。疲れがある中で1走から1度も先頭を譲らず自分達だけでレースをした。その結果の4分01秒20です。最低限の種目に絞り他県の強豪校と競り合えば3分56秒は間違いなく出るなと感じました。過大評価と思われるかもしれませんが、様々な条件を加味してもこのレベルのタイムが出てもおかしくないと思っています。もちろん、このタイムではインターハイは厳しい。もうワンランク上げなければいけないのだけは確かです。チームの鍵はmikiの復調にかかっていると思いますね。1人であと2~3秒程度は短縮できると思いますから。タイムだけで評価はできない。そう考えています。不満げな選手ばかりでしたが、この状況でよく走ってくれたと思います。

後は総括のみ(笑)。また書きます。
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県総体~800m~

2010-06-02 | 陸上競技
今回の総体の大きな鍵を握る種目は女子の800mだと思っていました。うちからは2人出場しました。うちには女子の長距離選手がいません。そのため出場するのは短距離選手です。中学時代長距離を経験していたこともあり可能性としては十分ありました。yukaには昨年の県体から、hatuには今年の支部大会の前から話をしてきました。最初は「400m選手だから」というこだわりがありましたが話していくうちに自然と出場の方向に進みました。「種目適性」を考えるとやはり800mは可能性があると思います。

初日の予選は問題なし。スピードがありますから付いていって最後に前に出れば十分です。準決勝勝負だと思っていました。yukaはレース終了後、「少し身体が重い」と言っていました。これは「肉体的疲労」というよりも「精神的疲労」の方が大きかったと思います。理由は1つ。「中国大会に行きたい」という想いが他の誰よりも大きかったからです。2日目終了時点で短距離7人のうち6人が個人種目での中国大会出場を決めていました。今の3年生で中国大会に個人で出場したことがないのはyukaだけ。これは本人にとってかなり大きな事だったと思います。日誌には「連れて行ってもらうだけは嫌だ」と何度も書いていました。自分の力で中国を勝ち取りたいという想いが強くありました。

準決勝、ここがかなりポイントだと思っていました。この準決勝を抜けさえすれば何とかなるだろうという感じがありました。この時点で2人とも3着でフィニッシュ。決勝進出です。ここで私の中に葛藤がありました。マイルの予選が終わった時点で「決勝に残ったらhatuは棄権させても良いのではないか」という気持ちが少しありました。理由は2つ。マイルの決勝でhatuを走らせるのは800m決勝終了後30分では回復しないだろうということ。もう一つはyukaをどうしても中国に行かせたいということ。8人中6位以内よりは7人中6位以内のほうが確率が高い。どうしても中国に行くためにはそれも一つの手段ではないかと。
しかし、色々考えて2人とも決勝を走らせることにしました。「与えられた中国」ではなく「自分の力で勝ち取った中国」で無ければyukaの「想い」は果たせないと感じたからです。これまで「自分の力で中国に行きたい」と思ってやっていたyuka、hatuが棄権したから中国に行けたというのではこの子にとって意味はなくなります。どんなに厳しくても3本目の800mで自分の力を出し切って勝ち取る中国だから意味がある。それがチームに「力」を与えると思います。それだけの「想い」を持ってやってきたyukaなら必ず自分の力で中国を手にするだろうという信頼もありました。8人のうち2人がうちの選手です。強い気持ちを持ってやって来た者だからこそ自分達の力で勝ち取る出場権にこだわりました。

レースは思ったよりもスローペースになりました。私が指示した内容は6番手争いについていって最後はスピード勝負ということだけです。そのためにスピードを磨いてきました。800mを何本も走るような練習はしていません。持久力勝負になれば勝てないかもしれません。しかし、スピードなら簡単には負けない。そういう自信はありました。ラストの直線で2人がほぼ同時。他のチームの選手と3人で争っていました。最後の50m地点でhatuが5位、yukaが6位。あとは神に祈るようにレースを見守っていました。そのままフィニッシュして5位、6位。2人が中国大会出場を決めました。そしてyukaが自分の力で中国大会に行くことができます。本当に嬉しかったですね。

本人もこれで肩の荷が下りたと思います。キャプテンでありながら自分だけが・・・という見えないプレッシャーがこの1年間ずっとあったと思います。言葉では表現できないものですがかなりのストレスだったと感じています。終わった後の表情は本当に良かったですね。これで出場した女子7人が全て個人での中国大会出場を決めました。全員で戦っているという雰囲気がありました。流れがあったので6位以内に入れるという感じが全体にありました。初めて「チーム力」という部分を強く感じました。自分達がやって来たことを信じて取り組めば結果が付いてくる。言葉ではなく結果としてそこまできたのは大きいですね。

あとはマイルだけ。みんな疲れていました。
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県総体~ショートハードル~

2010-06-02 | 陸上競技
今回、女子は総合優勝を狙っていました。簡単な事ではありません。女子のトラック選手は7人しかいません。長距離は0。これに関してはまた別に書きますが、戦うためには100mHでの得点が必要となります。

昨年の冬からakaneに100mHに出場するように話をしてきました。これは総合優勝をするためではなく「殻を破るため」でした。中学時代は100mH選手でしたが、かなり雑なハードリングでした。簡単に対応できるとは思いませんでしたが1年生の時は拒否反応が強く試合になるとレースから逃げるというのがかなりありました。1年生時はほとんど大会に出ていません。100mHからの逃げが全てにつながっていたと思います。2年生になってかなり成長して精神的にも強くなりましたがやはり100mHからは逃げていました。ここを克服しなければ絶対にインターハイの切符は手に出来ないと考えていました。だから総体では絶対に100mHに出場して乗り越えないといけない部分だと思いチャレンジさせました。

前日に400mHをやっています。初めて3本+4継を走っています。疲労度はこれまでにない状態だったはずです。でも挑戦させました。準決勝終了後、脚が疲れていると話してきました。出来れば決勝は棄権したいと。疲れは間違いなくあったと思います。しかし、それだけではないはずです。ここできちんと3本走って100mHでも戦えるのだというのを確認しなければいけません。逃げていた自分を越えるためにはキツくてもやらなければいけないのです。

決勝の前に「先生に100mHで県の表彰台に乗れる位の選手にはなると言われたのを思い出した」と言っていました。中学時代の話です。ちなみにこの時に「400mHでインターハイが狙える」と言ったのは覚えていないかもしれません。最初かなり400mHを嫌がっていましたから。100mH決勝、何を思って走ったか?結果的には4位となり表彰台には上れませんでしたが何かが変わったと思います。そのためだけに出場させたのですから。インターハイを手にするためにはきっかけが必要です。きっと何かをつかんだはずです。良い走りでした。

男子は1年生fujinoが110mHに出場。力的には中国までいけると思っていました。それだけの実力があります。身長がありますからハイハードルに対応できます。予選・準決勝と無難に通過して決勝へ。中学時代のライバルも2人残っていました。レースは第二集団での争い。競り合いの中、7台目くらいから抜け出してなんと3位に入りました。こちらは国体のユースハードルにも対応できると思います。しっかりと練習を積んで国体に出場できるレベルまで引き上げたいですね。

これにより全てのハードル種目で入賞を果たしました。それほど頻繁にハードルを跳ぶわけではありません。それでも対応できるのは選手がしっかりと努力するからだと思います。私が細かくハードル技術を教え込んでいるわけではありませんからやはり選手が頑張ってくれたのだと考えています。ハードル指導者としては嬉しいですね。
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