kanekoの陸上日記

毎日更新予定の陸上日記です。陸上競技の指導で感じたことやkanekoが考えていることなどをひたすら書きます。

栄養学の基礎

2011-12-07 | 陸上競技
火曜日、期末考査最終日でした。やっと練習ができます(笑)。とはいっても私は金曜日から修学旅行に行かなければいけませんからそれまでにやらないといけないことがかなり積もっています。処理しておかなければ今後困りますからね。自分で仕事をこなしておかなければ絶対に終わりません。バタバタです。

この日は食事をとってからの練習を指示していました。練習までに少し時間ができるのでその間に女子には栄養指導を簡単にやっておかないといけないと強く感じたからです。体重が増える→食べない、という間違った流れがあります。全員ではなく一人でもこのような考えを持っているのであれば危険です。これまである程度説明してきたつもりですが全くです。本当であれば上級生の取り組みをみたり、指導されてここは自然と理解していくものだと思っていますが、なかなか流れができません。もどかしいですね。

「太ったら食べなければ痩せる」というのはある意味正解です。消費カロリー>摂取カロリーの関係ができるのですから。もっとも基本的なことは自分が取ったエネルギーよりも消費エネルギーが大きければ体重は減ります。全く食べないというのは摂取カロリーが0なのですから消費されれば痩せます。これは「痩せること」を目的とした場合は一番手っ取り早い方法です。しかし、これで痩せたところで全く意味はありません。拒食症のようになって体重が減っても体調を壊しますし、摂食障害のようになってしまう危険性があるからです。まして、競技で成績を残そうと思えばこのような状態で体重が減っても全く意味がありません。
目的を理解することができていないからこのような発想が出てくるのだと思います。「体重が減ればいい」というのは全く違います。最大限のパフォーマンスを発揮するために体脂肪を落としていこうというのが狙いのはずですがいつの間にか「痩せればいい」という間違った考え方になってしまう。痩せたところで筋力が落ちてしまい体調を崩してしまったら何のためにやっていたのか分からなくなります。

女子を集めて最初にトレーニングと、栄養・休養の話をしました。一般的に言われる「超回復」の話です。練習をすると筋肉がダメージを受ける。ダメージから回復させるためにはタンパク質が必要になる。また、筋肉を動かすエネルギーになるのは炭水化物だからこれは絶対に取らないといけない。ごくごく基本的な話です。かなりの練習をしているのですから栄養補給をしなければ身体は壊れていくばかりです。これではなんのために練習をしているのかわからなくなります。弱くなるためにやっているのと同じです。「痩せるために食べない」はこの基本的な部分を完全に無視していますし、「練習をする」という一番大事な部分が抜け落ちてしまっているのです。目的が変わってしまっている。

栄養を摂らないといけない。だから食べればいいのだという安易な話ではありません。なんでもかんでも食べるとエネルギー過剰になります。必要な栄養は摂りながらも摂取カロリーは抑えないといけないのです。配付した資料にタンパク質含有量とカロリーが記載されていました。牛肉と納豆で同じだけタンパク質100gを摂取しようと思えば、1000kcal違います。一食分以上違うのです。食べることは大切ですが、食べるものを選ぶことが大事なのです。体重が増えている者の食事を聞くとどうしても油ものが多くなっているということでした。

脂肪1kgは約7200kcalです。30分歩き続けて約100kcalを消費すると言われています。脂肪1kgを減らそうと思えば72時間休まずに何も摂取せずに歩き続けなければいけません。間違いなく不可能です。何も考えずに食べると楽しいかもしれませんが、将来的に考えるとものすごい負債を背負うことになります。日々の生活の中で摂取カロリーを減らしていく、少しずつ運動をするというのが必要になるのです。消費>摂取が100kcalであれば72日でやっと脂肪が1kg減ります。かなりのことです。

本当に強くなりたい、上の大会で戦いたいのなら自分自身でやらなければいけないことがあります。「強くなりたい」と口にする。だけど努力はしたくない、我慢はしたくないというのはあり得ません。本当に強くなりたいと願う選手は誰に言われなくても自分自身で自分の行動をコントロールします。言われたからやるという選手はその場はひとまずやりますが、場面が変われば絶対にできません。物事が結びついていないからです。自分のためになにをやるのかが分からない、考えられない選手はどれだけ力があっても伸びません。持っている力を最大限に引き出すための努力ができないで戦えるというのは本当にごく一部です。うちの選手はかなりの努力と節制が必要になります。

チームが強くなろうという雰囲気になっているときには自然とそういう話になります。コンビニで弁当を買わないといけないときにもまずはカロリーを確認してから買うかどうかを決めていたと言っている選手もいました。そのときは何も言わないでも自分たちで行動ができていました。このとき自分たちから「セパレートにしたら速く走れる。ユニフォームを替えたい。」と言われて県内で一番最初にセパレートにしました。自分たちで体重をコントロールしないと着れないユニフォームですからね。「あめ玉一つも食べない」というくらい徹底していました。その後は・・・。あえて書きませんが大変な時期でした。今は変わりつつある、戻りつつあるのかなと思っています。もう一度上を本気で狙うチームが作れるのではないかと。だからこそ、今回の「甘さ」や「分かったつもり」というのは見逃してはいけない部分です。

私が持っている本を貸し出しました。これをみて保護者と協力してやっていてもらいたいですね。1ヶ月後までに脂肪1kgを減らすこととしました。かなり大変なことです。これができなければ今後の練習の取り組みも甘くなってくると思います。本気ならそれを行動で示す。大事なことだと思います。

取り組みを見ていきたいと思いますね。
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冷静に判断する必要性

2011-12-07 | 陸上競技
月曜日、期末考査4日目でした。この日は全体的に2時間。終わってからすぐに練習することにしました。動きの確認に加えてバトン走まで実施することにしました。残すテストはあと2科目、前日までにかなりの時間を勉強に充てていますから準備はできているはずです。最後の1日のために勉強時間が足りないということは通常であれば考えられません。

この日注文していたマークが来ました。女子の走力の差があるので全員が同じ距離で設定できません。先日までは調子が上がってこないのでなんとか同じ距離で対応できていましたが走れるようになってきたことでストライドが一緒では調整できなくなってきました。冬期に入る前にある程度の数のマークは準備していたのですが、全然足りませんでした。計画性が乏しいですね(笑)。そこで追加で60枚のマークを頼みました。これでかなりの練習ができると思います。

練習終了後、女子は体重を測っています。これは昨年から徹底して実施しています。体重を誤魔化していたりして競技に多大な影響を及ぼしたからです。周囲に体重を誤魔化すために軽く申告しても意味がないということがわかっていないのです。競技のために体重管理をしようというのに「周りによく思われたい」「手を抜いているのがばれたくない」という気持ちでやっていると本当の目的とは違いますから絶対に体重管理はできません。指導をしてきて思うのですが「体重管理をしろ」「家で補強をしろ」と口うるさく言っている間は絶対に強くなりません。言われないとできないレベルでは強くはならない。当然のことです。
競技に向けて取り組むはずなのに、その前段階ができないのですから一番大事なことを伝えていくには準備が足りません。この状態で「強くなりたい」と言われてもそれを信じることはできないと思います。冷たいのかもしれませんが当然の話だと思っています。「痩せるために練習をする」のであればダイエット部です。おいしいご飯を食べるために練習をしているわけでもありません。ここの理解ができない限りは絶対に競技力は上がりません。

この日、ある選手が体重が増えていました。かなりの時間をかけて減らしてきたのですが、この1ヶ月で大きなリバウンドをしています。無理な体重減少は求めません。体重を減らすために体調を崩したのではなんにためにやっているのかわかりません。長期間かけて体脂肪を減らしていく努力をしないとけません。それは大変な作業ですが本当に勝負をしたいのであれば自分でやっていくしかないのです。
他の選手から聞いたのですがこの選手が体重が増えていたのがショックで保護者に「体重が増えたから夕食は食べない」とメールしたそうです。これはまったくの問題外です。食べなければ体重は減る。当然です。この行動は「強くなるために必要だから体脂肪を落とす」のではなく「体重を落とす」ことだけが目的になっています。大きな間違いです。運動をするのですからエネルギーを摂取しなければ身体ができません。その中でどれだけ練習しても効果はまったくあがらないのです。それを考えることができないというのはちょっと・・・。保護者に「太ったからご飯は食べない」という連絡をしています。これを聞いて保護者が「顧問から強制的に食事制限をされているから食べないのだ」と思われると今やっている取り組みの意味はまったくなくなってしまいますし、応援・協力を求めるのは不可能になります。これではチーム作りも何もできません。

本人と少しやりとりをしましたが「皆が強くなろうとしているのに自分だけが大幅に体重を増やして足を引っ張っている」という感覚があるようです。もしその気持ちが本当であれば自分自身の行動を変えなければいけません。以前からなかなか上手くこちらの言っていることが伝わらないなという感じがありました。表面的な部分だけしか分かっていない。競技に集中できる状況を作るために身体を作る。「身体作り」とは筋力を上げていこうというだけではなく、健康管理・体重管理を含めたトータルのことです。「痩せれば速く走れる」と勘違いしてはいけません。

「自分のためにやっている」という感覚が芽生えてこないとなかなか変わりません。この話をしているときに女子エースが「最近毎日家で1時間程度補強をするようになった」と言っていました。これまでは言い続けてもなかなか実行できませんでしたが自分自身で判断して取り組むようになったのです。考査期間中だったのでさすがにやりすぎではないかと問うと、勉強の合間や暗記するときに少しずつ補強をしていたようです。毎日歯磨きをする。これは当たり前のことだと思います。補強をする、トレーニングをするのも歯磨きをするように「当たり前」になってくると大きく変わってきます。

体重管理に関しては別に話をする必要があると考えました。何度繰り返し説明しても理解してもらえない部分があるかもしれません。食事部分ですから家庭の協力も必要不可欠です。どうせやるのであれば強くなるために練習をしてもらいたい。

なかなか難しいですね。
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