kanekoの陸上日記

毎日更新予定の陸上日記です。陸上競技の指導で感じたことやkanekoが考えていることなどをひたすら書きます。

2011年最後の練習

2011-12-31 | 陸上競技
引き続き。

この日で練習を終わらせる予定でした。色々と思うことがあります。普段より一日早く終わるので少し練習を長めにとることにしていました。練習はサーキットから。私が見る目を変えて練習を見ると本当はもっと効果が高くなる身体の使い方、意識の仕方があるのだとサーキットを見ながら気付きました。「大きく」というだけではなく、動かす部分を意識することで動き自体が変わってきます。筋肉自体を意識するのではなく動きを意識して使われている筋肉を大きく伸ばすことで効果は変わってくると思います。「同じ練習をしても差が出る」というのはこういうことだと思います。ロープ登りも同様。この練習を導入した当初、女子は「上がれるところまで上がって我慢」という感じでやっていました。少し上がって止まるだけでも合格としていました。気がつくと大きな差が付いていました。1人はサーキットの途中であっても上まで上がります。二人はあと少しの所まで上がれるようになってきました。もう一人は1mくらいで終了。それ以上進みません。「同じ練習をしていても差が出る」という顕著な例です。この子が変わり切らない部分をどうしていくかはチームとしての課題だと思います。悪気はないが頑張り切れない。日誌や体重管理の部分でもやはり忘れてしまうことが多々あります。これが全てではありませんが、やはり日誌をきちんと書いて「心」を動かすことができなければ、競技パフォーマンスも向上していかないと思います。言われている選手は分らないかもしれません。しかし、長い間見ていて「つながっている」のです。「出来ないからダメ」ではない。それを出来るようにしていくことが大事です。かなりのエネルギーを使うことになると思いますが今のままで止まらせるわけにはいきませんからね。

屋外で外補強をしようと思いましたが、いつも使う場所で投擲がコントロールテストを実施していたので少し待つことにしました。ここでちょっと可動域を大きくするための運動を教えました。前日に女子エースにやらせたらほとんどできませんでした。これほど硬いのか!?とショックを受けたくらいですから。身体が柔らかい選手がいますが実際にやってみると上手く出来ていませんでした。やはり静的柔軟性と動的柔軟性は完全にリンクしているわけではないのです。試合の前などは「コンディショニング」といって練習の前に体ほぐしのようなことをします。これもやろうといしている動きとは違っている部分がいくつもありました。大会のアップ会場でも「意味ないだろう」という動きをしている選手がたくさんいます。「周りがやっているからやる」というのでは結果は出ません。「何のためにやるか」という根本的な部分を理解しない限りは効果は上がらないのです。繰り返しになりますが、それでも「速い者は速い」のですが・・・。かなり繰り返しやっていきました。やってすぐに効果が出るとは思いません。自分で毎日毎日時間を作ってやっていく以外にないのです。
この時選手には言いましたが指導者は「情報を与える」ことはできます。しかし、それを実際にやるかどうかは選手なのです。しつこくしつこく言い続けても結局やらない者はやりません。それが現実です。今やろうとしていることをしっかりとできれば絶対にパフォーマンスは上がります。「やるだけ」ではなくて「これをやればこの部分がしっかりと伸びるな」「伸ばしているとここが動くな」というのを感じ取りながらやっていくことが大事です。

やっと外に出れました。外に出ていつも通りの外補強。これも前述のように意識すればかかってくる負荷が違います。負荷というか、もっと伸ばせるところが伸ばせるのです。筋肉の仕組みから考えるとこれはすごく大事です。練習の中で「筋力強化」と「柔軟性向上」という2つのことができます。ここ最近は「強化」という部分が表に出ていましたが、しっかりと考えればこの手のトレーニングでも「柔軟性向上」はできます。股関節系の補強はかなりやっています。これも意識を変えるだけで全然違ってくると思います。やるだけの練習にならず、大きく動かす、しっかりと伸ばすということを常に頭に入れてやらせていきたいと思います。また、種目と種目のつなぎであったり休んでいる時間に先ほどやった動的なストレッチをしっかりとやるように指示しました。これも意識です。決められた練習時間の中で効果を高めようと思えば、少しの時間を有効に使わないといけません。見ていると大半の選手はこの時間が使えていました。数人忘れるので何度も言い続けました。結構根気が必要です(笑)。

終わって室内種目へ。これもいつも通り。更に時間をかけて合宿でやった補強を周りの選手に教えながらやるように指示を出しました。コミュニケーションをとりながらやっていくことでまた雰囲気も変わってくると思います。この中に「股関節補強」を私の指示で入れました。これはどの合宿でやらせてもきついので自然と腰の位置が上がっていきます。これでは負荷がかかりません。伸ばして負荷をかけることでこの練習の効果は倍増するのではないかとこの日の練習を見ていて感じたのでやらせてみました。狙いはばっちりでしたね。これは良い練習です。やるだけではなくしっかりと意識しながらやらせていけば効果は高まると思いますね。

3時くらいまで引っ張って終了。最後にもう一度話をしました。今まで練習を4日間休みにしたことはありません。今回は意図的に4日間置くことにしました。理由は「強くなりたかったら自分で時間を使え」です。今までは強制的にやらせている部分がありました。高校生ですから「自主性」というきれいごとで練習ができるわけではありません。頑張り方が分らないという選手も複数いました。だから厳しい指導になるのです。しかし、来年は勝負をしてみたいと思います。指導者がひたすら言い続けて練習をするのではなく自分たちで「これをやる」と決めて取り組ませる時間を持たせたかったのです。信じてみることにしました。これが正しいかどうかは分りません。ひょっとするとこの4日間、全く身体を動かさない者もいるかもしれません。それはそれで仕方ないと思います。そういう選手が「自分の目標」を口にしても達成できるわけはありませんから。それならこちらもそこまでの情熱をかけないで良いだろうという話です。
与えられたメニューだけではなく自分に何が足りないかを考えてやる。女子はtabe合宿が終わるまでを期限とした約束事があります。簡単なことではありませんが約束です。男子はなかなか身体ができません。これも時間の使い方です。自分で必要と思えば時間を作ってやります。「正月だからゆっくりしたい」と思うかもしれません。しかし、高校時代の1回または2回の正月で今後の競技や人生が変わってくるかもしれないのです。4日という長い時間をひたすら勉強や身体づくり、練習に充てていくことで見えてくるものがあると思います。親せき回りなどはあるかもしれませんが、家で転がってテレビを見たり友達を初詣に行くくらいならこの高校時代の正月を自分のために使ってみたら良いと思います。動的柔軟性を高めるために何回も何回もやってみればいい。必ず効果は出ます。体重を減らすために家族や兄弟と運動をすればいい。自分で自分のために時間を使えばいい。それを私に示してもらいたいと思います。

終了は4時前。かなり長い間やりました(笑)。来年、勝負するためのミーティングをしたつもりです。信じてみたいと思います。
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ミーティング

2011-12-31 | 陸上競技
木曜日、学校で練習としました。普段は30日まで練習をするのですが今年は少し思うことがあり、29日で練習を終了させようと考えていました。これが良いことか悪いことかは分りません。詳しくはまたあとで書きます。

練習開始前に全体でミーティングをしました。合宿参加した者が2人いるのでその選手から全体に感じたことをしっかりと伝えさせたいと思っていました。2人とも人前で話すのは苦手です。特に1人は自分の考えをまとめたり、言葉にすることができません。以前、合宿の話をさせた時に一言も話をできないで終わったことがあります。これから先社会に出ていくときに「苦手だから」で終わらせるわけにはいきません。少しずつ経験を積んでいってある程度の意思表示を出来るようしていかないといけないと思います。この日も思うように話せませんでしたが周りがその状態を理解して温かく見守るようにしないといけないと思います。少しずつ話ができるようになるのを待つという姿勢が大事ですから。

一人は「ほとんどの選手が声は出さなかった。自分のことだけに集中していたので自分も練習に集中できた。」と話しました。選手のタイプによってはこういうタイプもいると思います。私が見ている限りはかなりの選手が声を出して雰囲気を明るくしていたと思うのですが、本人は「自分のことに集中」という部分の強く感じたのでしょう。もう一人は「意欲」の話をしていました。強くなろうと思う選手は自分から前の組に入り練習をする。県単位で動いて前に入るので自分が入るスペースがなくなってしまった。自分でも意識して前のグループに入って練習をするように心がけた。走る面ではある程度の手応えがあったが、まだまだ戦うレベルに達していないということでした。ぬるま湯に浸かっている間は絶対に気付かないことです。自分から厳しい環境に身を置いて初めて見えてくる、感じることだと思います。この子は県内選手で唯一前のグループに入って練習しようと試みていました。成長を感じます。

私からも感じたことを話しました。今回の合宿では客観的に練習を見るようにしていました。見ていると男子110mHの14秒台、女子短距離での表彰台の可能性が少し見えてきたのではないかという感じでした。もちろん、簡単なことではなりません。しかし、全く戦えないという雰囲気はありませんでした。もっともっと戦えるのではないかと感じました。本当に強い選手がどれだけ努力をしているかは分りません。あるコーチからは「インターハイ上位入賞の可能性がある選手だが練習が嫌いでほとんどやらんない子もいる」と聞きました。また、見ていて「走るだけ」で練習を抑えてポイントになる1本だけ全力で走るという選手も多々いました。これでも速い者は速いのです。これはどうにもできない現実です。補強が弱くても実際に走ったら速いという選手も多くいるのです。
しかし、こういう選手は「練習をしないから強い」のではない。練習をしたら、努力をしたらもっともっと強くなる可能性があるのです。それほど一生懸命にやらなくてもある程度の結果が出てしまうから全力で取り組む必要性を感じない。それだけの話です。勘違いして欲しくないのは「速い者が補強していないから自分もやらなくてもいい」とか「速い選手が最後まで走らないから自分も走らないほうが速くなる」という部分。絶対にあり得ません。きちんとやったほうが絶対に強くなるのです。うちの選手たちが勝ちあがっていける可能性というのはこの部分にあると思っています。

前の記事にも書きましたが、うちの選手の「走りの硬さ」は他の選手と違います。「硬い走りをするから速い」のではない。周りがこのような走りをしたら速くなるんだと思って真似をしても意味はありません。本当はもっともっと良い走りができる。しかし、肩甲骨や股関節が硬いからやりたい動きができないのです。本当にやろうとしていることをしっかりやろうと思えば自分自身で身体を作っていかないといけない。補強をひたすらやればいいというわけではありません。「強くなりたい」と思ったら本当にやらないといけないことをしっかりと考えていける選手にならないといけません。間違った方向への「努力」は残念ですが「やらない方が良かった」ということにもなりかねません。危険です。

ここの部分を話しました。自分の身体がきちんと使えるようになってくればそれだけでパフォーマンスは大きく変わってきます。今のうちの選手はもっと強くなれると思います。それをやらされてやるのではなく、自分自身で必要だと感じてやれるかどうかというのは本当に大事なことです。高校生にここまで求めるなんて・・・、と言われるかもしれません。確かに「求めすぎ」なのかもしれません。しかし、できないと決めつけるのは「可能性」を潰してしまうことになる。本当はもっともっと出来るのです。周囲が「そんなこと無理」と決めつけるからできなくなる。これは冬期に入る前に何度も話してきたことです。私はできると信じようと思います。

基本的に重視するのは「心」です。この部分がしっかりしてくれば全てが変わってきます。これを踏まえてこの日の練習から取り組めてもらえたらと思います。blogに書くのは話した内容を選手が忘れてしまう危険性が高いから。残しておかないといけません。次につなげるためです。

練習はまた別に書きます。
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合宿で感じたこと

2011-12-31 | 陸上競技
客観的に自分のところの選手と他の選手を比べるという機会はそれほどありません。今回の合宿では一歩引いたところから見ることができました。女子エースは以前から動きが硬い。パワータイプの走りだと理解していました。インターハイのアップ会場でも師事している方から「バタバタ足音がするから振り返ってみたらあんたのところの選手だった(笑)」と言われたことがあります。少し接地ポイントが前になるというのもありました。それでパワーを使って走らざるを得ないと感じていたので動きを変えていくための練習を増やしました。その後故障してしまったので色々と取り組んでいきましたが、やはり改善されません。硬い走りのままでした。

今回の合宿中、他の選手と比べると「柔らかさ」が明らかに不足しています。力強い走りですが膝がしっかりと引き出される前に落ちてしまうのでもったいないなと感じてしまう走りでした。だからと言ってスピードが出ていないわけではない。前述のようにスピードレベルとしたらかなりのところまで上がってきていると思います。もちろんまだまだ狙うところまでは届いていませんが、12秒中盤なら今でも安定して出せるのではないかという水準です。しかし、本当に戦うのであれば色々と変えていかなければいけない部分があります。

股関節の柔軟性を高めるために冬期に入ってからは練習後にランジを頻繁に行うようにしていました。ゆっくりとした動きの中でしっかりと股関節を広げていくというのを狙いとしていました。しかし、この部分上手く結び付いていません。これは実は違う部分に原因があるのだという証拠です。一般的に言われるからやるのではなく、本当に必要なトレーニングをやっていかなければいけないと感じました。じっくり見ていく中でなんとなく感じることがありました。まだまだ漠然としていたのですが・・・。

合宿の2日目に投擲コーチが行われた研修会、多くのヒントがありました。この話を聞いて「やればいいんだ」と思う指導者も複数名いると思います。失礼な話ですが言われていることの本質をつかむというのは難しい話だと思います。表面的な話ではなく一番大切な話が根底にはあるのです。以前、この選手が故障をしたときに師事している方から「身体が硬すぎる」と言われたことがあります。軽く緩めようとしただけで痛みを訴えていました。考えてみると「走りが硬い」というのは、その前の段階に問題があるのです。ここが分ったつもりで実は分っていなかった。それが故障や走りの硬さに現れているのではないかと考えました。「当たり前」のことです。が、なかなか気付かない部分なのかなと思います。

普段、練習の時に股関節のトレーニングをかなり行います。膝を伸ばさなければいけない動き、なかなか伸びません。「伸ばせ」と言っても伸ばさないので繰り返し意識するように指導を続けてきました。しかし、よく考えてみると「伸ばそう」という意識はしていても筋肉の伸びが不十分なので伸びないのです。肩甲骨や股関節、大臀筋、ハムストリングが伸びないから「膝が伸びない」という現象が起きる。当然の話です。ハードルの開脚ジャンプも股関節が広がらないで上手く跳べません。動きの硬さを規定する要因になっているのはこの部分です。

静的なストレッチはかなりやるようになってきたのかなと思っていました。静的な柔軟性と動的な柔軟性は別物です。動的な柔軟性を高めるための基礎に静的なストレッチがあります。しかし、実はこの部分全く違うのではないかと感じました。うちは練習の前に静的ストレッチは行いません。必要ないと思っています。各自が家でやれば十分だと。動的ストレッチをしっかりやればいい。そう考えて実施してきました。実際にはそれだけで「動的柔軟性」は高まっていないのです。可動域を広げるようにするためには別の形のトレーニングが必要になります。この部分の認識がまだ甘かったですね。

合宿終了後、学校に戻って女子エースに少し実施させてみました。びっくりするほど動きません。故障して以来、静的なストレッチをかなりやるようになりました。ある程度柔軟性が高まってきていると感じていましたが、動かしながらの柔軟性は著しく低い。走りが硬くなる原因は間違いなくこの部分にあります。「身体の使い方」がまだまだ分っていないのです。
実際、速い選手では意識しなくてもこの部分ができていたりします。特にそこまでやらなくても小さいころから自然と身体が使えているから「足が速い」というのもあります。ナチュラルの速さを持っている子から動きの硬さを感じることはありません。うちの選手はこの部分ができていない。時間をかけて走りを作っていくことで結果を出しています。「身体の使い方」が不十分のままでひたすら練習を積んで戦おうとしているのです。

毎日、動的な柔軟性を高めるような練習をきちんとやるように話しました。この硬さで12秒3が出せたのであれば、しっかりと身体が使えるようになればどれだけ走れるようになるのか?「12秒3が出せた」ということがゴールではありません。本当はもっともっと上のレベルで戦えるのかもしれません。「12秒3」が最高の結果ではなく最低レベルの記録なのかもしれません。それを確かめるためには自分で「身体の使い方」を意識していく必要があります。全く動かない身体を動かす努力をしていけば結果は大きく変わるのではないかと思います。

色々なことを感じました。また書きます。
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