kanekoの陸上日記

毎日更新予定の陸上日記です。陸上競技の指導で感じたことやkanekoが考えていることなどをひたすら書きます。

県合宿2日目

2011-12-20 | 陸上競技
日曜日、県合宿2日目でした。かなり寒くなるのではないかとビビっていましたが全く問題なし。朝練の時は車のフロントガラスが凍っていましたが午前中練習が始まるころにはかなり暖かくなっていました。太陽が隠れるとさすがに寒いですが比較的温暖な一日だったと思います。

午前中練習の前半はハードルの確認。前日に行った練習の復習のような形にしました。そのままの流れでハードル走。1歩ハードルから3歩、4歩、5歩と増やしていきました。一歩ハードルで踏切を意識した練習をしておいてから同じ足でのハードリングに。そのスピード感をつかんでから4歩。400mHの選手は逆足が使えたほうが有利になります。使えない選手が多いのは事実です。高校生レベルであればレース中に1回逆足が使えれば十分だと思います。6台目で切り替えて逆足、7台目は同じ歩数で利き足。8台目以降は同じ足で、という感じで走れればレース展開としては合格だと思います。逆足が使えるとかなり良いのですが利き足のハードリングさえ怪しいレベルの選手がいますから・・・。バランスの問題もあるので逆足の練習は必要不可欠だと思っています。2歩ハードルでも良いのですが流れを意識して1歩→3歩→4歩としました。全くできないと言っていた選手も「越えれる」レベルにはなりました。もちろん高さが低いので対応できている部分がありますが、冬期である程度やっておけばレースで「1回」は使えるのではないかと思います。2歩増加の大幅減速を避けるというのは大切なことですから。

で、ここからは短長女子と合流。走るメニューは150mとしました。長い距離を走るのはなんとなく嫌だなと思ったので。男子を2チーム、女子を3チームに分けてリレー形式で走りました。「エンドレスリレー」(正確にはエンデュランスリレーだと思います。持久系のリレーですから。)をやるのは基本的に好きではありません。200mを3本程度なら問題ないとは思いますが、延々と走ると次第にスピードが鈍ります。長く続けると差が開きすぎて「走るだけ」になってしまいます。これは見ていて面白くない(笑)。「走っているな」というだけではなく、「勝負をする」という意識で練習をするのは大事だと思います。見ているほうが面白くないと感じる練習では走っている選手も面白くないのではと思います。「疲れる」練習をしたいのではありません。「速くなる」ための練習をしたいのです。
長くなりましたが、ということで150mを走ることに。これは結構いい練習なのではないかと思っています。競争心をあおりながら走ると良い練習ができます。特にバトンを持つと前を追わないと気が済まないタイプの選手にはかなりの負荷がかかりまず。チームへの帰属意識が強くなればなるほどリレーでの練習は良いですね。負けられないですから。4本を2セット。本数的にはそれほど多くありませんがかなり良かったと思います。選手たちも良い表情をしていました。

午後からは2時間程度の練習なので1時間走って1時間補強というようにしました。最近、時間配分が上手くなってきました。以前は終了時間に予定していた練習が終わらないことが多々ありました。終わらないなら途中で止めればいいのですが最後までやる(笑)。選手もですが他の指導者にもいい迷惑だったと思います。計画通りに練習を終わらせることができるようになってきました。といっても細かい予定は立てていませんからアバウトな感じでちょうど終わっているだけなんですが(笑)。
走るメニューは短い距離にしました。午前中のダメージも考えて一息で走れる距離に。練習場所が確保できない可能性があったのでバックストレートで実施。これも以前は良くやっていた練習です。「短い距離」「しっかりと走る」というキーワードで思い出しました。折返し走を少し変えた内容です。6年くらい前に「ドレミファ走」と名付けてやっていまいした。当時はかなり不評。ネーミングセンスがないということで(笑)。短時間で追い込むにはこの手の練習が良いですね。気持ちレストを長くして走りました。指導者が2人ついていたのでそれぞれが大切なことを指示していきました。かなり集中して取り組めていましたね。声も自然と出ていました。こういう雰囲気になると自然と良い練習ができます。

補強はひたすら。これは一番の得意分野です。飽きずにずっとやっていました。選手はきつかったかもしれませんが、私は飽きませんでした(笑)。きついながらもしっかりと取り組めたのではないかと思います。

最後に少しだけ話をしました。合宿などで他校の選手と交流を持つことは非常に大事だと思います。時間と感情を共有しますから自然と仲良くなります。忘れてはいけないのは「仲間」ではなく「ライバル」だということ。県総体を勝ち上がって中国大会に行けるのは6人だけです。一緒に練習した選手たちとその枠を賭けて戦わなければいけないのです。これは忘れてはいけないこと。そして、自分だけが練習をしているわけではないということも忘れてはいけないことです。冬期練習、一生懸命やっていると思いますが、自分だけがやっているわけではない。他の学校の選手も練習をしています。ひょっとしたら自分の努力以上に練習をしているかもしれない。練習が辛くなったり妥協しそうになった時は「あいつも練習している」と思えば最後まであきらめずに練習できるはずです。こういうライバル関係は自分を高めるためには大事なことだと思います。
ogawa先生が「自分のためにやる」という話をしたのでそれに付け加えてうちの選手の話をしました。中学校時代それなりの選手でした。が、県内で大きく活躍をするといった感じではありませんでした。しかし、「やらされている」という感覚で練習をしているうちにいつの間にか強くなった(これは本人にも話しているので問題はないはず)。しかし、怪我をして走れなくなって国体メンバーを外されそうになったり、「もう二度と12秒台で走れないのではないか」という不安からどん底に落ちた。これは言葉では表現できないレベルの話です。本当に陸上を辞めてしまうのではないかと感じがありました。そこから少しずつ立ち直ってきました。「やらされている」練習から「自分のため」の練習へと変わっていきました。言われなくても補強をする、修学旅行中も自分で1時間程度補強をする、休日に自分で体脂肪率を落とすためにプールに行く。私は「やれ」と言っていません。自分で「自分のため」に必要だからやるのです。どん底を経験したから分かることがある。間違いなく強くなると思います。今シーズン以上の戦いはできます。日誌に書く内容も大きく変わりました。「自分のため」だからどれだけでも努力できるのです。それは大事なことだと思います。この選手の状況を他の選手に知らせる必要はない。が、インターハイに行くような選手でも曖昧な気持ちで練習をしていた時期があるし、苦しんだり挫折することだってある。本当に強くなりたかったら「自分のため」にできるようなならないといけない。強い選手は特別ではないのです。

どこまで伝わるかはわかりません。短時間の関わりですから全ては伝えられません。しかし、大事なことは話したつもりです。良い表情で話を聞いてくれていました。伝わったと信じます。

気持ちよく練習ができました。選手に感謝。
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県合宿1日目

2011-12-20 | 陸上競技
土曜日、山口で県合宿が開催されました。土日の1泊2日の日程です。本当に短時間での指導になりますから細かい部分を徹底することは難しいと思います。日程的に難しいので仕方ないですが。中四合宿参加する選手はこの合宿には参加できないようになっています。私個人の意見としてはどちらも参加できたらいいなと思っています。中国大会に行けるかどうかのレベルの選手が自分よりも強い選手と一緒に練習することで「今のままでは厳しい」という気持ちになって冬期練習を超えることができるようになると思うからです。これは私見ですので正しいのかどうかは分かりません。金銭的なことも影響してくると思いますから何とも言えない部分はありますが・・・。

今回の合宿では400mHパートを担当。例年は子供のお遊戯会の場所取りの関係で1日目だけ参加して2日目は短長にお願いするというパターンでした。今回は土曜日が子供のお遊戯会。流れ的に場所取りはしなくていいことになりました。8年目にして初めての場所取りをしないという冬でした(笑)。そのため2日間きちんと指導できることに。男子は60秒を切るレベル、女子は70秒を切るレベルという感じの選手たちだったので少し基本的なことを多めにやるほうがいいかなと判断しました。この日までに「この練習をやろう」というのは決めていません。やはり競技レベルに応じてやることが違ってくると思います。ショートハードルと違って400mHは技術的に未熟な選手が多い傾向があります。ハードル自体がそれほど高くありませんからなんとかなります。女子に関しては特に徹底されていない部分があります。その部分をきちんとやっていきたいと考えていました。

非常に残念ながら女子が奇数になってしまいました。基本的にアップや補強は2人1組でやらせたいと思っています。学校の練習とは違ってこういう場面での「雰囲気づくり」も大事だと思っています。短期間ですからある程度の雰囲気づくりをしないと充実した練習にはならないかなと。ということでメディシングボールを使ったアップを多く入れています。しかし、3人1組でやらせると時間がかかります。奇数になるとこの辺りが面倒。女子が奇数だったので時間の関係で私が相手をすることに。本気で投げなければいいのですがこれが私の性格的に本気でやってしまいます。それにより最初の段階で若干の疲労感(笑)。

今回の合宿ではきちんとハードル練習をしていこうと考えていました。何年か前は「400mHは走力が大事だから走れ」といってほとんどハードルを跳ばないことがありましたが、さすがにそれは可哀想かなと。普段学校でハードル練習ができない選手が多いのでそれを補う練習が必要になると思います。随分優しくなりました(笑)。とはいっても基本的な部分ができないといけないのでハードルリズムスキップや軸づくりのためのハードルドリルを実施。この手の練習はハードル選手だけではなくスプリント選手にもかなり有効だと思っています。普段の練習に取り入れていくだけでも違ってきます。「手の内を曝す」と怒られる気がしますが(笑)。基本的なことですからいいかなと。

ハードルの基本を行う前に壁を使って抜き足の練習をしました。ここに大きな問題点があると思っています。これも私見です。抜き足の動き、非常に悪い選手が多い。大きく回転しながら持ってくる選手が大半です。女子の抜き足は全く抜けないかめちゃくちゃ無駄な動きが大きいかのどちらかです。全く抜けない子は高校になってからハードルを始めた選手、大きく回る子はその前からハードルをやっていた選手です。大きく回る癖ははっきりいってなかなか修正できません。全く抜けない選手のほうが修正がしやすい。実際のハードリングとは異なる動きをドリルなどで身に付けるとこれはなかなか直りません。空中で止まってしまうような感じになります。二段階で抜き足を持ってきます。逆に抜けない子は直線的な運び(実際に完全に直線的になるわけではない)と、前まで持ってくる動きをひたすらやっていけばかなり良いハードリングになります。どうすれば修正できるか・・・。これはあえて書く必要はないと思います(笑)。動きを見ながらしっかりと取り組んでいく必要がありますね。この辺りで午前中終了。

午後からは実際にハードルを跳びました。跳んでいく中で動きを意識する。結局、ハードリングは空中動作以外のところに課題があります。ここを修正しないといつまでたっても変わりません。このことは意識させていく必要がありますし、強制的に変えていく練習をしていきます。空中動作ではなくその前の準備動作で動きは変わります。ハードルアプローチと一歩ハードルである程度のことができます。徐々にハードルの距離を伸ばしていくことで強い踏切を身に付けることができます。最初は全く届かなかった選手もそのうち届くようになります。この途中で少し話をしました。同じことを繰り返している感じがしたからです。1本やって上手くいかなかったら何かを変えてみないといけません。同じことをやったら前と同じで終わってしまいます。少し工夫することで動きは変わってきます。言われたことをやるというだけではなかなか上達しません。今回の合宿参加者はかなり素直に話を聞いてくれるのでやりやすかったですね。やはり素直が一番。最終的には周りから見ても「動きが変わった」と言われている者も数名いました。これが合宿の良さですね。集中してハードル練習をするので(集中力&時間的に)課題の修正ができます。普段の練習ではここまで時間を取ってハードル練習をすることはできないと思います。パートごとに分かれてやる良さですね。

最後に400mHのための練習。曲走路の走り方と歩数の切り替えの練習を紹介しました。ハードルを跳ぶと知らないうちに結構走ります。本数的にも距離的にもです。ダメージはでかいでしょうね。曲走路、下手です(笑)。普段タータンの上でハードルを跳ぶ機会も少ないでしょうし、カーブにハードルを置くことも少ない。だからこそこういう機会にはやっておく必要があります。外に振られないようにすること、走る場所の部分です。歩数の切り替えは直線で。シャトルハードルです。シャトルハードルについてある選手に聞くと「20分くらいやったことがある」と言っていました。これは「持久走」ですね。ハードル練習ではありません。実戦で使えるハードリングはレースに近いスピードでなければ意味がないと思っています。合宿ではハイスピードでのシャトルハードルを実施。これはハードリングもですが歩数の切り替えの練習にもなります。疲れてきてから「ちょこちょこぴょん」にならないように「判断」する練習です。「調整力」を必要とします。ランダムハードルでも同じことですね。400mHのレースを成功させるためにはこの部分が必要になります。これ以上は長くなるので割愛(笑)。

今回は意外と元気だったので自分でも実技を見せました。以前のような勢いはありませんがそれなりにハードルは跳べます。調子に乗ってやりすぎて終了時点でヘロヘロ。ダメージは大きかったですね。私自身の練習にもなりました(笑)。

まずますの1日目だったと思います。疲れましたが(笑)。
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