こんにちは。事務局の宇野毅です。早いもので21期のブログもこれが最後になりました。1年間ありがとうございました。
さて、皆さん、今日は「ピーク・エンドの法則」についてです。
これは、「人が何かを経験したときに感じる印象は、最も感情が動いたとき(ピーク)と、出来事が終わったとき(エンド)の記憶で決まる」という法則です。2002年にノーベル経済学賞を受賞された行動経済学者、ダニエル・カーネマン氏によって提唱されました。
この法則によれば、「ピークの体験」と「エンドの体験」が良ければ、人は、その体験がとても良かったものとして印象に残るとそうです。
例えば、人気のラーメン店で2時間待っても、美味しいラーメンが出てくれば、人は「長時間並んで待った」という苦痛よりも「美味しいものに出会えた!」という良い記憶、良い印象(ピーク)が、しかも、最後に残ること(エンド)になります。
この法則は、人気のラーメン店でなくても十分活用できます。
例えば、居酒屋で言うと「ピーク」は、お客様が料理を食べているときやお酒を飲んでいるときでしょう。「ピーク」をより良いものにするためには、美味しい料理や接客、清潔な店内はもちろん必要ですが、特に、お店の売りとする部分(商品やサービス)を徹底的に磨きこんだり、特徴を持たせたりして、どこにも負けないレベルまで引き上げることが重要と思われます。
そして、「エンド」については、お客様がお帰りになるときの対応です。店内で何か不手際があった場合でも、お客様が帰られる際に、あらためてお詫びや真摯な対応をすることでお店の気配りが伝われば、それまでのマイナスイメージをプラスにできる可能性があります。また、飲食中にお客様へのお声掛けの機会がなかった場合には、お帰りの際に丁寧なあいさつやそのお客様に合わせた一言を添えることで良い印象を持っていただくこともできるでしょう。
店舗や事業の運営においてリソースが限られる場合、何から改善すれば良いかを迷うことも多いですが、この法則に従って「ピークの体験」と「エンドの体験」に集中して磨きこむことが、課題解決の早道であるように感じます。
「ピーク・エンドの法則」は、たしかに人気店じゃなくても使えるし、逆に人気店は「エンドの法則」を怠ると、お客様が離れていってしまう可能性がありますね。