22期の藤川です。
先日、「人を大切にする経営研究会」の企業見学会にて、日本理化学工業さんを訪問させていただきました。昨年、テレビドラマ化もされていたので、ご存じの方もいらっしゃると思います。
日本理化学工業さんは、社員の7割が障がい者のチョーク製造会社です。現在は社員数96名で、69名が障がい者、うち25名が重度の方だそうです。
障がい者の雇用は、昭和35年に、先代の社長が、近隣の養護学校から社員を2名採用したことに始まります。はじめは何度もお断りしたとのことですが、就業体験した2人が、ほんとうに幸せそうな顔をして、一生懸命仕事をしていた様子を見て、一緒に働いた社員からの「どうか採用してあげてください」という嘆願もあり、採用を決心されたそうです。
そこから、健常者・障がい者にかかわらず、誰もが必要とされ、役に立って働ける「皆勤社会」の実現を目指すため、障がい者雇用を続けてこられました。
見学会の最初に、大山社長のお話もお伺いしました。「ここは福祉の現場ではない。企業として、利益を出していく必要がある。治具を工夫したり、道具の色を変えたりしながら、能力にあわせて、その人にあった仕事のやり方をきちんと教えれば、健常者に劣らない仕事ができる。教えてできなかったら、教えたほうが悪い」という言葉からも、長年積み重ねてこられた、創意工夫の重みの一端を、強く感じました。
工場見学では、現場で働く皆さんが、とても充実した表情で働いておられる姿に感銘しました。また、迫力も感じました。きっと、社会に貢献しているという自信があるからだと思います。
敷地入り口に立つ「働く幸せ」の像と、会議棟の窓に描かれたクジラの絵も印象的でした。
「働く幸せ」の像には、障害者雇用を目指すきっかけになった禅寺のお坊さんからの言葉と、先代社長の思いが刻まれています。「導師は人間の究極の幸せは、人に愛されること、人にほめられること、人の役に立つこと、人から必要とされること、の四つと云われた。働くことによって愛以外の三つの幸せは得られるのだ。私はその愛までも得られると思う」。
次に、会議棟の大きな窓に描かれたクジラの絵をご紹介します。画家の方に書いてもらっているそうです。少子化や学校現場のIT化で、チョークの市場自体が大きな伸びを見込めない中で開発された、次の事業の柱となる製品「Kitpas」を使って描いています。
Kitpasで描いた絵は、濡れたタオルで簡単に消すことができます。リバーシブルパネルと組み合わせて使えば、オフィス、飲食店、スーパー、家庭などで、メッセージボードとしても使用できます。皆様のご支援先で活用できそうなシーンがあれば、ぜひご検討してみてはいかがでしょうか。
主力のチョークは炭酸カルシウムを使用しており、口に入れられる原料で製造されているとのことでした。こちらのKitpasも、米ぬかのワックスが原料となっています。製品全体が安心できる材料で作られているという、一貫した姿勢にも感動しました。
「働く幸せ」の大事さを再確認させていただいた、非常に貴重な訪問でした。
日本理化学工業の皆さま、誠にありがとうございました。
「働く幸せ」像、窓のクジラの絵、とても素敵です! ご共有いただきありがとうございます!!