皆様、こんにちは。稼プロ!23期生の佐野紳也です。
知人に薦められたオリヴァー・ガスマン、カロリン・フランケンバーガー、ミハエラ・チック「ビジネスモデル・ナビゲーター」(2016年、翔泳社)を紹介します。
筆者達は、スイス・ザンクトガレン大学を拠点に、ビジネスモデルイノベーションを研究しているそうです。彼らによれば、トップ・コンサルタントの使う手法の多くはアカデミックな研究からきているそうで(例えば、マイケル・ポーターの「5フォース」)、このビジネスモデルの研究もいつかは、トップ・コンサルタントの手法となると思っているそうです。
彼らの研究によれば、世界のすべてのビジネスモデルイノベーションは55のビジネスモデルに基づいているそうで、ビジネスモデルイノベーションはアートではなく、サイエンスだそうです。
なお、ビジネスモデルイノベーションとは、ここでは、顧客・提供価値・オペレーション・収益モデルの4軸で構成されるビジネスモデルのうち、最低2軸を変更することと定義されています。
55のビジネスモデルの説明は同書を参照していただくこととして、彼らが独自のビジネスモデルを生み出す10の鉄則を示しているので、それを示します。
- 経営トップの支援を得ること
- 組織横断チームで臨むこと
- 変化を受入、他人の指摘を真摯に受け止めるべく、心の準備をしておくこと
- 55枚のビジネスモデルのパターンカードを使って社内の常識や業界の常識を乗り越えること
- オープンな文化を作ること
- 繰り返しの手法を使い、何度も何度もやり直すこと
- 自分たちのビジネスモデルの仮説にのめりこまないこと
- プロトタイプ手法でリスクを限定すること
- 新たなビジネスモデルがうまく成長するように必要な肉付けをしてやること
- 先頭に立って、変革のプロセスを進めること
彼らによれば、今後の企業の競争優位は、製品やプロセスの革新性ではなく、ビジネスモデルの革新性に依存するとのことです。私も、ビジネスモデルの革新性という視点から、支援先の競争優位をぜひ確立していきたい、と思いました。
佐野さんの紹介する本は、いつもタイムリーなモノが多い、私の図書館で借りる本リストにたまっていきます。
簡単には生み出せそうにない気がしますが、鉄則をもってとりくむことで道がひらけそうです。