あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

芝崎で泳いだ後で葉山美術館で「クエイ兄弟-ファントム・ミュージアム」を見物するの記

2016-08-26 10:49:54 | Weblog


蝶人物見遊山記第214回&バガテル―そんな私のここだけの話 op. 240


久しぶりに帰宅した次男と葉山の海で今年最後の海水浴を楽しむ。海岸に人出少なし。

陽は勁く、白亜の入道雲宙天に高く、波穏やかにして水あくまで清く、潜れば大なる魚が悠々と回遊している。

左は三浦半島の先、右は逗子、江の島、鎌倉、ちがさきの奥を回って伊豆半島の全容がくっきりと見える。こんな晩夏の好日はまたとないだろう。

近くの一膳飯屋で次男は刺身定食、私は今日の煮魚定食を頼んだらなんと立派な鯛が出てきた。こんなに骨が少なく美味しい鯛は食べたことがない。おそらくさっき私の目の前を悠々と泳いでいた奴だろう。

満ち足りたお腹をさすりながら2人が目指したのは近所の神奈川県立近代美術館葉山。水着の入場は禁じられているのでシャツを長く垂らしてごまかして入場す。1947年に米国フィラデルフィア州ノーリスタウンに生まれた一卵性双生児クエイ兄弟の怪奇劇場である。

どこかチェコの人形劇に出てくるような造型を主人公に、アニメーションと動画を融合させたような懐かしくも偏執怪奇の映像が会場の至る所で上映されている。いずれも2分を超えない短尺の作品ばかりだが、恐らくは兄弟が見た怖い夢を多少の演出と技術を介在させつつ再現したのではないだろうか。

「フランツ・カフカの兄弟殺し」、「デュエット」「砂男」、コムデギャルソンのイメージCM「ワンダーウッド」などが面白かったが、久しぶりに映像の圧倒的な力を見せつけられた展覧会だった。

    母親が不肖の息子の不行跡を朝っぱらからひたすら詫びてる 蝶人
    裁判官に成り変りたるマスコミが哀れな母を弾劾するよ
コメント
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