照る日曇る日第1251回
私は青少年時代にほとんど本を読んでいなかったために大人になってからとても後悔しました。とりわけ子供の頃に童話や漫画をろくろく読んでいなかったので、もうほとんど棺桶に片足を突っ込んだ今頃になって、あれやこれやの有名作品に目を通している次第です。
ところでちょうど大連休が始まった頃、突然我が家に1匹のネズミ(ドブネズミかクマネズミ)が出現し、目の前を走りまわったり、朝ご飯のデザート代わりの美味しい林檎をむざんに齧り散らしたり、あちこちに糞を転がしたりしたので、書斎の奥に巣があるのではないかと懐中電灯で探していたら、薄っぺらい絵本が出てきました。
手に取って読んでみると、最後のページに私の名前が書いてあったので、思い出しました。なんと私も絵本を書いていたのです!
これは私が2001年に小学館スクウェアの内田さんから頂戴したフリーライターとしての最初期の仕事で、スポンサーは、なんとなんと千葉県の税務署でした!
「県内における租税教育の推進及びその充実のための環境整備」を後押ししたと思えば、なんとなく忸怩たるものがありますが、当時の私は仮令地を這ってでも喰わなければならず、そのうえものを書く仕事がとても面白かったのです。
往事茫々、18年もひと昔。私はにっくきネズ公を探索するのも忘れて、星野イクミさんの素敵な挿画に伴われた拙文に、しばし老眼を晒し続けていました。
https://www.nta.go.jp/taxes/kids/book/book.htm
新聞の見出しを見てからそれと知る8年目となる3.11 蝶人