あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

初夏の蝶人映画劇場その2 

2019-05-22 20:03:18 | Weblog


闇にまぎれて tyojin cine-archives vol.1996~2000

1)ロバート・Z・レナード監督の「巨星ジーグフェルド」
ショウビジネスの世界に相亘る主人公の壮烈な生き方もさることながら、作中で紹介される舞台の壮大なスペクタクルシーンが息をのむほど素晴らしい。
1936年製作の映画が、今時の下らない映画を圧倒して屹立している。

2)ヴェルナー・ヘルツォーク監督の「狂気の行方」
頭のおかしい若者がトチ狂って母親を斬り殺す。
アメリカの実話に基づいているらしいが、全編に伏在する不穏感だけがもの凄い。

3)リチャード・ベンジャミン監督の「マネー・ピット」
家を建てたり、壊したり。じつに下らない映画だ。なんでこんな愚作にトム・ハンクスは出るんだ、と思ったが、まだメジャーになる前の1986年の作品なんだね。

4)ジョン・ランディス監督の「眠れぬ夜のために」
妻の不倫でますます寝られなくなった「はえ男」ジェフ・ゴールドプラムが宝石密輸犯ミシェル・ファイファーのトラブルに巻き込まれて真夜中のロスを駆けずり回る。ランディスはファイファーをうまく使っている。

5)ジュリアン・デュヴィヴィエ監督の「アンナ・カレニナ」
1948年に製作された英国映画でヴィヴィアン・リーが主演している。
史上最低阿呆莫迦学芸会映画の「風と共に去りぬ」と違って、リーの魅力が生かされているのはさすがに名匠デュヴィヴィエの演出。
ではあるが、トルストイの原作との決定的な違いは、登場人物の人間性が表層でしか描かれていないこと。しょせんはあらすじを映像でなぞっただけの作品ずら。

   カトリック信者同士のおばさんがいつものように井戸端会議 蝶人
コメント
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