あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

聖書協会共同訳で「レビ記」を読んで

2019-11-29 13:29:22 | Weblog


照る日曇る日第1317回


エジプトを出てシナイ山に着いたものの、その麓で壮大な幕屋構築に血道を上げはじめたのはモーセとアロンでもなく、2人の指導者に従うイスラエルの民でも無く、ほかならぬ神自身であるから驚く。

神は、このベースキャンプにおいて動物や穀物などの生贄の供え方をモーセに詳しく伝授し、モーセは、それをそのまま祭司長に任命されたアロンと民草に口移しで伝える。

神の指示は微細にわたり、「パン種の入ったパンを食べてはいけない」とか「動物の血や脂肪は不可」とか、「反芻するだけか、あるいはひづめが割れているだけの動物(例えばラクダ、岩狸、野兎、豚)は食べてはならない」などと、今考えれば殆ど不条理な内容である。

つけつけと物云う神の民草への命令は、食物についてだけではない。精液や月経などの穢れの清め方とその儀式が定められ、合意なしに人妻と姦淫した者、獣姦、同性姦、安息日を破った者はみな絶たれなければならない。

そして事あるごとに「私は主である。あなたかたの神である」と恫喝し強要するのであるが、こういう神とは新約聖書に出てくる神とは相当異なる種類の神のように思われる。


  600歳で箱舟を作りしノアは950歳で死んだ 蝶人
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