あまでうす日記

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聖書協会2018年版新約聖書で「ヘブライ人への手紙」を読んで

2020-11-26 16:17:16 | Weblog

照る日曇る日第1505回

またしてもパウロ選手の大演説かと思ったが、どうもパウロ書簡とは文体と叙述内容が微妙に違うので、おそらく別人の手になったものだろう。

基本的には、神とイエスとイスラエル人の神聖な契約についての考え方が述べられているのだが、パウロと違うのは、その悠揚迫らぬ叙述の仕方と、コンテンツの多くが旧約聖書の引用に基づいている点である。

パウロは「今そこにある信仰の危機」について触れることが多かったが、ヘブライ書の作者は、時制を遠い過去に置き、そこから現在までの信仰の「そもそもの在り方」についてゆったりと述べるのである。

しかし2章7節、9節で「僅かの間天使より劣る者」とされたイエスであるが、その引用先の「詩編」8章6節に「あなたは人間を、神に僅かに劣る者」とあるように、「劣る者」はイエスではなく人間である。
著者の引用のやり方は、誤っている。

  死亡率が外国よりも低いから政府はたかをくくってるんだ 蝶人
コメント
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