あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

鎌倉文学館開館35周年記念「川端康成展」をみて

2020-11-12 13:07:44 | Weblog

蝶人物見遊山記第331回&蝶人狂言綺語輯&バガテル―そんな私のここだけの話第351回&鎌倉ちょっと不思議な物語第421回


実に久しぶりに文学館を訪れて、川端康成展を見物しました。

確かここで川端&三島展をみたのは2009年のことだと思うのですが、あれから10年以上経ったとは夢のようです。

ノーベル賞をもらって「美しい日本」なんちゃって、その後三島の自殺にショックを受けて、逗子のマンションでガス管を咥えて自死されたのも遠い昔のことになりますが、おんとしわずか!72歳であったとは改めて驚きます。いつも老いたる鶴の容貌なりしが、まだまだ若かったのですね。

前回と同様の展示品がずらずら並んでいましたが、なかでも目を引くのは芥川賞欲しさに必死に嘆願した太宰治の巻紙なり。芥川賞をもらえなかった太宰も、谷崎にいくべきノーベル賞をもらった川端も、結局は二人とも無惨に死んぢまって、どこかで花実が咲いたのでしょうかね。

墨痕淋漓と下手糞な楷書で書かれた「美しい日本」てふ書を眺めているうちに胸糞が悪くなってきたので、急いで広い庭に出ると、赤白黄色と無数の秋バラがにっこり笑って迎え入れてくれました。

なお本展は来る12月23日まで同館にて開催ちうなり。


 あれからもずっと言い続けてきたのかよ「君の瞳に乾杯!」なんて 蝶人
コメント
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