あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

藤井貞和著「<うた>起源考」を読んで

2020-11-17 12:03:29 | Weblog

照る日曇る日第1500回


序章「歌の深層へ降りてゆく」から終章「人はどのような時に絶唱を詠むのか」まで、キャッチーな見出しで埋めつくされた、「うた」の起源と現在までの変容の探求書です。

無味乾燥な究理哲学本かと恐る恐る読み始めたのだが、そんな心配は全く無用で、特に万葉集や古今集、現代短歌の現況を、それこそ「総合的俯瞰的に」総括した個所などいろいろと勉強になりました。

歌には1人称、2人称、3人称など様々な人称が出てくるが、詠歌の真の詠み手を強いて名づけるなら「ゼロ人称」であるという考察も興味深かったが、とりわけ面白かったのは、源氏物語の作中人物の和歌を論じた第23章だあ。

第1位光源氏221首、第2位薫57首、第3位夕霧39首、第4位浮舟26首、第5位紫上23首、第6位22首の中から、女流トップの浮舟を選び、歌人としての成長ぶりを具体的に指摘しておりまっせ。

 天空の世界遺産マチュピチュの映像見つつ抜かれる臼歯 蝶人
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする