照る日曇る日第1497回
1982年の歌集であるが、第5章の「パウロ」に注目したい。
―『ダマスカスへ急ぐユダヤ教徒あからがおのサウロ。急に転倒し頭痛する。そしてパウロのような男に変身。
虫類に瓜を与へて発むとす食ひはぐれたる昼餉かなしも』
『私の知っているパウロは三月の華だった。紀元60年にローマで消息を絶った使徒ではない。東国へ歌を宣ばるべく下って行ったもう一人の使徒。(東歌成立。)
鍋に水張たるあとは茫々と空もろともに暮れゆかむかな』
サウロがパウロに変移して、このパウロが実質的に原始キリスト教を再創始するのである。
「国民のために働くというとるね」「自民のための間違いだろうよ」蝶人