狂人綺語&バガテル―そんな私のここだけの話第379回
●入社式/本部長のあいさつ
皆さん、本日はおめでとうございます。
さて、先ほど社長よりお話がありましたように、現在わが社は非常に重要な時期、一歩道を誤りますと取り返しのつかない危険な時期にさしかかっております。*1
昨年は私どもの業界の一部におきましても余儀なく帰休、減産、従業員の削減を迫られた有力な競争相手もございました。しかし幸いにも業界トップの座を堅持するわが社におきましては、売上こそ昨年対比1%増でしたが、経常利益は7%アップと非常に良好な成果をおさめることができました。*2
そこで、本年度は全社売上3%、利益10%のアップを目標としまして各事業部毎に立案しました具体的なアクションプランを実行すべく、ただいま社員一同日夜全力を上げております。社長からも注意がありましたように「業界トップ」という美辞麗句にうぬぼれることなく、謙虚に、自己鍛錬を怠ることなく、一日も早く私たち現場の最前線に立ってください。*3
皆さんは「着眼大局、着手小局」という中国の諺をご存知でしょうか。皆さんと一緒に力をあわせて、一歩一歩着実に前進してゆきましょう。
○アドバイス
*1何人かでスピーチする場合には、あらかじめ広報室や秘書が、会長、社長、本部長などのあいさつ内容を、発言者の立場を考慮し、重複がないよう調整しよう。
*2現場指揮官の場合は、空理空論に陥らないよう、現場の実践的な雰囲気をダイレクトに伝えよう。
*3諺や決り文句を効果的に使おう。
「渡辺の直美のオリンピッグだって」「いかにも広告屋の発想だわな」 蝶人