あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

オンライン配信の「岡井隆さんをしのぶ会」について

2021-06-07 20:35:53 | Weblog

蝶人狂言綺語&バガテル―そんな私のここだけの話第392回


6月5日に東京ステーションホテルで行われた「岡井隆さんをしのぶ会」のオンライン配信をユーチューブでみました。みたというと珍奇な催しを見物したような感じですが、昨年7月に92歳で他界された敬愛する歌人、詩人にふさわしい開放的な葬儀に電脳的に参列したのでした。
普通のお葬式や偲ぶ会ですとコロナ感染の危険もあるし、遠くから電車に乗っていかなければならないので大変ですが、これなら「未来」の関係者だけでなく、私のようなミーハーも気軽に参加できるので喜ばしい。
岡井隆と「未来」短歌会の人たちは、短歌の変革みならずコロナ時代の追悼の在り方についても先鞭をつけたのでなはいでしょうか。
佐伯裕子さんの開会の辞で始まり、「未来」編集・発行人の大辻隆弘さんの追悼の辞、加藤治郎、道浦母都子さんのビデオ挨拶、大辻さんと「塔」の永田和弘さんの(NHK短歌での)対談、池田はるみ、黒木美千代、笹公人さんの鼎談を経て池田さんの閉会の辞で閉じる1時間48分に及ぶ「しのぶ会」は、登場する人々の偉大な師表に対する敬意と弔意の真心に包まれた素敵な会合で、私もパソコンに映し出された祭壇に向かって謹んで黙祷させていただいたことでした。
そのなかで岡井さんが常に近寄りがたい雰囲気を漂わせ、会合の後も御茶や2次会に参加せずそそくさと立ち去るヒトであったという発言がありましたが、やはり結社の長たるものとしては特定の誰かやなにかには偏らず、それなりのケジメをつけようと決意されていたのではないでしょうか。
その代わりに「塔」の永田さんやフリーな?穂村弘、東直子のような別世界の人たちとは比較的フランクな形で付き合った、付き合えたのかもしれませんね。
個人的にはもう少し笹さんが池田はるみ、黒木美千代ご両人から多彩な証言を引き出せたら良かったのに、という隔靴掻痒の思いもありましたが、全体的には普通の対面式の「偲ぶ会」よりも中身のある充実した会だったのではないでしょうか。
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1976386069&owner_id=5501094

岡井氏に一首選んでもらえた日 朝から晩までうれしかりけり 蝶人
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