西暦2021年水無月蝶人狂言綺語&バガテル―そんな私のここだけの話第392回
○恩師の金婚式を祝う司会者のあいさつ
本日結婚50周年のよき日をお迎えになりました金田先生ご夫妻に、心よりお祝い申し上げます。*1
私は、金田先生が勤務されておりました近畿針灸学院で大変お世話になりました井上慎也と申します。金田先生はいまから30年前、私が大阪でサラリーマンをやっておりました折、どんなお医者にかかっても治らなかった原因不明の難病を、たちどころに完治して下さった漢方の名人医であります。*2
その時の体験があまりにも強烈であったので、私は3年後に勤めていた会社を辞めて金田先生のおられた針灸の学校に入学し、10年後に先生の看板で独立させていただいたのです。
「昭和の赤ひげ先生」と綽名された金田先生は、西洋医学が見放した数多くの難病患者を救い、後輩に対して熱心な指導と援助を惜しまれませんでした。*3
またそんな金田先生を奥様は他の誰も真似ができないほど献身的に支えられたのです。*4
本日私は命の恩人である金田先生ご夫婦に改めて感謝申し上げると共に、この素晴らしいご夫婦の末長きご健勝とご多幸を心より祈念いたしまして金婚式のお祝いの言葉とさせていただきます。
○アドバイス
* 1恩師と話者の関係を要領よく出席者に紹介しよう。
* 2往時を回想しながら、久し振りにお目にかかった恩師への感謝を忘れずに。
* 3陰の立役者である夫人のはたらきにも細かく配慮して表現すること。
* 4老齢者へのスピーチは簡潔を旨とし、発声は大きく明快に。
国会で97%の法案を通す政権は何でもやれる 蝶人