あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

宮崎駿作「風の谷のナウシカ7」を読んで

2021-06-25 15:03:02 | Weblog

照る日曇る日第1594回


もはやトルメキアの神聖皇帝も死に、土鬼の土地もその大半が腐海に没した。
衰弱しながらもナウシカは、子オーマと共にシュワの墓地へ赴き墓所を永遠に閉じようとする。しかし子オーマは調停者にして戦士、そして裁定者だった。
考えてみればすべてがナウシカを通じて危うい均衡を保っているに過ぎない。
青き衣の者は救世主にして死神。同じ予言が時には生への希望になり、彼岸への「あこがれになる。
みな自分だけは過ちをおかさないと信じながら、業が業を生み、悲しみが悲しみを作るの輪から逃げ出せない。
先日の瀬戸内海で明らかになったように、水清ければ魚棲まず。清浄無垢な水では生物は育たない。我々現代に生きる者には、生存の必要悪としての汚染された水や食料や環境が必要なのかもしれない。
宮崎が喝破したように、生命はどんない小さくとも、外なる宇宙を、内なる宇宙に持つのだ。


六月も怒濤のように過ぎてゆきニッポン破綻われまた破綻  蝶人
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