あまでうす日記

あなたのために毎日お届けする映画、本、音楽、短歌、俳句、狂歌、美術、ふぁっちょん、詩とエッセイの花束です。

穂村弘著「短歌のガチャポン」を読んで、ケニー・オルテガ監督の「This is It」をみる

2023-02-09 09:45:18 | Weblog

 

照る日曇る日 第1858回&闇にまぎれてtyojin cine-archives vol.3208

 

この人物から短歌の世界はガラリと変わった。つまりがらりと変えるだけの力量を持っていたのだろう。だから出す本もありきたりを脱した新意匠ばかりだ。でも中身は昔ながらの「解釈と鑑賞」で、己が面白いと思う古今の短歌をつまみ出して、エスプリの利いたコメントを加えていくわけだから、文章にわさびが効いていないと話にならないちゅうわけやねん。

 

全部で15人15首ほどに付箋を貼ってみましたが、右代表でわが敬愛する奥村晃作氏の1首。

 

   歌いつつ踊る踊りがそれはもう限界超えたマイケル踊り

 

いち時期マイケル・ジャクソンに夢中になった奥村選手の代表作であるが、なんというても「マイケル踊り」の7音の締めが強烈で、思わず笑ってしまった穂村選手は、

「笑って迷って混乱しながら、でも、自分は確かに感動していると思う。この異様な本気さ、箍の外れたひたむきさ、さすがは奥村晃作だ」

と驚き呆れつつも褒めそやしているが、私などは「それはもう」の1語に痺れる。

 

んで、久しぶりにⅯJの2009年のケニー・オルテガ監督のドキュ映画「This is It」を一瞥してみたら、それはもう「マイケル踊り」は凄かったが、映画は長ったらしくて退屈だった。

 

  この星のことなら安心し給え君たちが全滅しても健在だから 蝶人

コメント
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