これでも詩かよ 第314回
ある日、料理をしないし、できもしない男が、
目に美々しい春のヤサイを、買い散らした。
ミズナ、シュンギク、ホウレンソウ
カブラ、ジャガイモ、泥付き長ネギ
すると、男の妻は珍しく激して、かくの給うた。
「不要な食材は、ほとんど暴力である。」
なるへそ。いらんヤサイは、暴力なんだ。
こいつァ春から、目覚まし草。
Contessa,perdono!*
許してたもれ。我が家の伯爵夫人。
*モーツァルト「フィガロの結婚」第4幕大団円、アルマヴィーヴァ伯爵の歌唱。
「社会的微笑」なぞ捨て去って「乳児的微笑」を取り戻そうよ 蝶人