山中もとひ著「歌集 生きてこの世の木下にあそぶ」(六花書林刊)を読んで
照る日曇る日 第1921回
「鬼門」という小タイトルの元にいくつかの鬼の歌が収められている。
寒二月煎り豆巻き寿司チョコレート有り有り難味というを供さる
はるばると鬼は逃げきて座る石千年ののちも鬼を待ちいる
空家には取り残された赤鬼が二月の凍て月見上げておらん
その中に、
桃太郎はテロリストだと思います鬼ヶ島から小鬼の意見
という短歌があって、わたくしは激しく共感した。
なぜならわたくしは以前、明治時代の「尋常小学唱歌」を翻案した「それ行け桃太郎!」(『佐々木眞詩歌全集』らんか社)という詩を書いたことがあったからである。
一、桃太郎さん 桃太郎さん
海に浮かんだ歯舞、色丹、国後、択捉
全部わたしに くださいな
二、やりましょう やりましょう
これから北の征伐に
ついて行くなら あげましょう
三、行きましょう 行きましょう
あなたについて どこまでも
仲間になって 行きましょう
四、そりゃ進め そりゃ進め
一度に攻めて攻めやぶり
つぶしてしまえ 北の熊
五、おもしろい おもしろい
のこらず四島攻めふせて
分捕物を えんやらや
六 桃太郎さん 桃太郎さん
海に浮かんだ尖閣竹島
全部わたしに くださいな
七、やりましょう やりましょう
これから西の征伐に
ついて行くなら あげましょう
八、行きましょう 行きましょう
あなたについて どこまでも
仲間になって 行きましょう
九、そりゃ進め そりゃ進め
一度に攻めて攻めやぶり
つぶしてしまえ 西の 犬
十、おもしろい おもしろい
尖閣竹島攻めふせて
分捕物を えんやらや
十一、万々歳 万々歳
お伴の犬や猿雉子は
勇んで車を えんやらや
十二、桃太郎さん 桃太郎さん
これであらかた片付いた
今度は東を攻めましょう
短歌と詩は、全然異なるジャンルと考えられているようだが、こうして並べてみると、まるで「シンクロ兄弟」のように、仲良し小よしの仲だということが分るではないか。
今すぐに自公維国を潰すことほしたら寝起きも良くなるやろう 蝶人