あまでうす日記

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山中もとひ著「歌集 生きてこの世の木下にあそぶ」(六花書林刊)を読んで

2023-07-09 10:56:57 | Weblog

山中もとひ著「歌集 生きてこの世の木下にあそぶ」(六花書林刊)を読んで

 

照る日曇る日 第1921回

 

「鬼門」という小タイトルの元にいくつかの鬼の歌が収められている。

 

 寒二月煎り豆巻き寿司チョコレート有り有り難味というを供さる

 

 はるばると鬼は逃げきて座る石千年ののちも鬼を待ちいる

 

 空家には取り残された赤鬼が二月の凍て月見上げておらん

 

その中に、

 

 桃太郎はテロリストだと思います鬼ヶ島から小鬼の意見

 

 という短歌があって、わたくしは激しく共感した。

なぜならわたくしは以前、明治時代の「尋常小学唱歌」を翻案した「それ行け桃太郎!」(『佐々木眞詩歌全集』らんか社)という詩を書いたことがあったからである。

 

一、桃太郎さん 桃太郎さん
海に浮かんだ歯舞、色丹、国後、択捉
全部わたしに くださいな

二、やりましょう やりましょう
 これから北の征伐に
 ついて行くなら あげましょう

三、行きましょう 行きましょう
 あなたについて どこまでも
 仲間になって 行きましょう

四、そりゃ進め そりゃ進め
 一度に攻めて攻めやぶり
 つぶしてしまえ 北の熊

五、おもしろい おもしろい
 のこらず四島攻めふせて
 分捕物を えんやらや

六 桃太郎さん 桃太郎さん
 海に浮かんだ尖閣竹島
 全部わたしに くださいな

七、やりましょう やりましょう
 これから西の征伐に
 ついて行くなら あげましょう

八、行きましょう 行きましょう
 あなたについて どこまでも
 仲間になって 行きましょう

九、そりゃ進め そりゃ進め
 一度に攻めて攻めやぶり
 つぶしてしまえ 西の 犬

十、おもしろい おもしろい
 尖閣竹島攻めふせて
 分捕物を えんやらや

十一、万々歳 万々歳
 お伴の犬や猿雉子は
 勇んで車を えんやらや

十二、桃太郎さん 桃太郎さん
 これであらかた片付いた
 今度は東を攻めましょう

 

 短歌と詩は、全然異なるジャンルと考えられているようだが、こうして並べてみると、まるで「シンクロ兄弟」のように、仲良し小よしの仲だということが分るではないか。

 

  今すぐに自公維国を潰すことほしたら寝起きも良くなるやろう 蝶人

コメント
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