西暦2023年水無月蝶人花鳥風月狂歌三昧
ある晴れた日に 第713回
昨日までのボールガールが今朝からはボールパーソンになりましたあ
待ち待ちて遂に一声ホトトギス「てっぺん欠けたか?」「もちろん欠けたさ」
包丁を1本晒しに巻きながらキャンパスを行く男がひとり
「コウさんによろしくね」とサイトウさん コウ君も有名になったね
わが歌集を奥村晃作さんに読んでもらえこんなにうれしいことはなかった
夏来れば思い出すのはスプライト 山岡久乃のテレビCM
夢に見た我の詩集が世に出たり16回の校正を経て
タイタニックを3000万払って見に行こうとした潜水艇がタイタニックとなりたり
オバハンが2人仲良く話していたら撃ち殺されるぜニッポン・チャチャチャ
わが歌集を奥村さんに読んでもらいこんなうれしいことはないぜよ
巨人さえ負ければその日はご機嫌さたとえ世界が崩壊しても
米帝の下僕としての政権に寄り添うお前は奴婢奴婢の奴婢
「このヒルガオとても可愛いね」と奥村さん 八十七を共に祝わん
名も知らぬ黄色い花にとまろうかそれともよそうかキチョウは迷う
外に出るときにはきれいなパンツをはこう 何が起こるかわからないから
碧色のスエーターを着たコンドウ嬢が両手を浮かせる1分天気予報
川縁の小さな家に住んでいた楚々たる佳人突如越したり
戦争は悪だと思うさりながらプーチンと戦う戦も悪といえるか
持たないでまでどこまで行けるかマイナカードあまりに些細なレジスタンスとして
死ぬまでに読むべき本は棚に上げ次々に出る別の本読む
「本日も平穏無事に過ごしたい」とうみうしさんが呟いている
水無月や自由でひらかれたインド洋
中小の会社に勤め「非正規」と呼ばれる人が国を支える
母親が夜鍋して縫った雑巾を絵描きの息子が油絵で描く
79で7人の子のデ・ニーロより83で4人のアル・パチーノが凄ッ
ゴダールもケンザブローもサカモトもいないがオクムラまだまだ生きてるぜィ
絶対にちかぢか大きな地震がやって来るそしたら皆で潔く死のう
絶対に大震災はやって来るそしたら皆で泣く泣く死のう
参道の脇では見事なシャクヤクが咲き誇っているだろうが見ずに終わらん 蝶人