すべての言葉は通り過ぎてゆく第118回
西暦2023年水無月蝶人狂言綺語&バガテル―そんな私のここだけの話第417回
2023年6月
フクイチの地獄を遠望したドイツは、ただちに原発廃止に踏み切ったが、その惨劇の当事者であるこの国は、廃止どころか、大手を振って原発回帰しようとしている。この政治的感覚の差は、なんなのか?6/1
スマホに加えてチャットGPTを濫用していると、その人間の大脳前頭葉はいつの間にか「スマホチャットGPT脳」に変態して、その人間は世界AI一家日本支部の子分になってしまうのだろう。6/2
全部で8つしかないメジャータイトルのうち7つまでも独占してしまったら、残りの全棋手は、それこそおまんまの喰いあげになっちまうんじゃないのか?それともこれは1人の超ブルジョワが、世界の7割の富を独占している、という現在の資本主義の富の偏在を象徴する出来事なのかしら。6/3
中也ではないが、今宵ここでのひと盛り 人世まるで花嫁御寮。あなたも私も、間もなく一場の夢と消えていくのさ。6/4
金もないのに、ミサイル買いたい、ミルクも欲しい。無節操で無定見、まるでだだっ子のような異次元男に、君たちはいつまで全権を委ねているのだ。6/5
「入管法」を改悪はしても、改善する意思などさらさらない異次元内閣。その根底に潜んでいるのは、「どうあってもこの島国に異人を入れたくない!」という、封建時代からの心的遺制である。6/6
昨夜「放送開始70年記念番組」というのをなんとなく見ていたが、歳をとっても郷ひろみが一生懸命に歌っている姿に感銘を受けた。が、司会の太田光のいつもの自意識過剰のアホ馬鹿ぶりと「なんとか宣伝部」という若い女性たちの下品さが、ヒジョーに不愉快だった。6/7
公凶放送が「金曜日の関東地方は大荒れの天候で落雷もある」と、例によって嘘かほんとか分からず、よしんば外れても謝罪や弁償をしない天気予報を繰り返すものだから、うちの息子は、明日を繰り上げて本日午後に施設から帰宅するそうです。6/8
いつの間にやら週刊誌なんかでは犯罪者扱いになっている猿之助選手。(全仏テニスのなんちゃらかんちゃらなんかどうでもいいから)、早く記者会見を開いて一家心中事件とやらの全貌を明らかにしてくれえ。6/9
国家権力という巨大な暴力装置を、私利私欲のために恣意的に駆使して悦に入る連中が、おのれの手前勝手な国会運営に異議を唱え、徒手空拳の極私的ゲバルトを用いて阻止しようとする愛すべきドン・キホーテを、凶悪な暴力議員だと非難している。6/10
映画とファッション愛好者にやってもらいたいのが、アメリカの服飾デザイナー、イーディス・ヘッド(1897~1981)の映画の全仕事の掘り起こし。後年ヒッチやヘプバーン、グレース・ケリー、テーラーなどに愛された偉大なクリエーターだったが、聖林創業白黒時代の衣裳デザインに光を当ててほしい。6/11
イロニーとしての絶対平和論。いかなる戦争も、悪である。ゆえに、もしも不義が正義を武力で圧殺したとしても、我々は正義の戦争も、不義の戦もするべきではないし、悪事としての戦争の当事者を、支援したり、連帯してはならない。6//12
「いのちよくもて つくしめ はなと匂って ちる日には さっときれいで あるように」という歌の典拠を長らく捜し求めていたのは、橋川文三であったが、交通事故で九死に一生を得たあとで、「外に出る ときにはきれいなパンツをはこう 何が起こるか わからないから」と詠んだのは、他ならぬわたくしであった。6/13
久し振りに高血圧の薬をもらうために病院へ行ったら受付でマイナカードを見せろというから「んなもんは持っていないし、持つ気もない」というと、非国民を見る国防婦人会長みたいな眼で見るので、不愉快だった。だんだん厭な世の中になる。6/14
78年前に米国から強いられた安保条約を破棄しない限り、我が国の真の政治的自由は獲得できないじゃろうて。6/15
良く知らなかったけど、自衛隊って、なにがなんでも鉄砲撃ちたい、あんな天才バカボンやニャロメやレレレのおじさんみたいな連中が、いっぱい集まっている愉快な集団なんだろうね。6/16
このせつ耳にするたびに、耳が汚れるような気がする亜日本語。「○○でよろしかったでしょうか?」「丁寧に説明する」「ほぼほぼ」「慰される」「元気をもらう」「といって前を向いた」「マイナカード」「ジェンダーアイデンティティ」等々。6/17
目前を猛烈アタロウ的に激しく流れゆく現実を、否定的、批判的に見つめ直したりせず、ただただ棒立ちするウワバミのように受け止め、尻尾の先から垂れ流すのは、さぞや楽しいことだろうて。6/18
羽根がボロボロになったルリタテハが、トヨタエースの白い屋根の上に止まっていたが、上空のコチャバネセセリの雌雄の輪舞を見ると、その輪の中に割りこみ、ひとしきり猛烈な乱舞を繰り拡げていたが、それにも飽きると、また元の白い屋根に止まって羽根を休めているこの夕べ。6/19
タテハチョウの仲間は、ある地点を軸にして、ほぼ同じ場所をぐるぐる回りながら、翔んだり、また止まったりする習性があるのだが、アゲハチョウの仲間は、タテハチョウよりも広い空間を、時間をかけて回遊するので、良い子はその習性を利用して、捕獲することができる。6/20
「永遠の」ではなく、「永遠と」なる日本語が出回っているというが、奇怪なもの言いだ。「ぜひ読んでください」とは昔ながらの言い回しだが、「ぜひ読まれてください」なんていうのも、桁糞悪いね。おらっちは断固として拒否する。6/21
工芸大の学生諸君と付き合っていた頃、ゲームソフトの専門家を目指す彼らが、二言目には「世界観、世界観」とほざくので、その言葉はマルクスやドストエフスキーのものではないか、と莫迦にしていたのだが、歳をとると、マルクスの世界観もゲームボーイのそれも、同じ青二才の匹夫の勇という点で等価値ではないか、と思い直すに到った。6/22
いわゆる就職氷河期に、優秀な学生なのに、どこを受けても、どこにも入れずに、日夜苦しんでいる無惨な姿は、見るにしのびなかった。彼らの胸の奥深くに沈んだ、この国に対するあのルサンチマンが、その後の社会変動に対して、大きな影響を与えたに違いない。6/23
NHK「首都圏ニュース」のウエハラミツキが、またもや突然休んでいる。勝手に休むな。休まれると、お前さんが出るのを、数少ない楽しみにしている、うちのコウ君がガックリするんだ。6/24
たった1球の失投が、12奪三振の力投を台無しにする。野球とは恐ろしいスポーツだ。それにしても、打つべき時にまったく打てない弱いエンゼルスと、大谷がいてもいなくても、平然と勝ってしまう強いドジャース。6/25
まことに残念ながら、わが敬愛する詩人、鈴木志郎康さんや妹にはとうとう間に合わなかったが、それでも詩集の刊行が、ギリギリのタイミングで滑り込んだのが、とてもうれしい。6/26
ワグネルのプリゴジンこそ、典型的な目立ちたがり屋のポピュリスト。こういう手合いってニッポンにもいるよね。6/27
『ミロより優しく、ゴッホより激しく、ピカソより純真 佐々木眞詩歌全集』がセブンイレブンの7net詩集部門で早くも10位にランクイン。らんか社BASE,紀伊国屋、楽天、Tポイント(TSUTAYA)、Neowing、ポンパレモール、ブクログ、キャラアニcomでも好評発売中です。6/28
どんどん左眼の視力が落ちてきたので久し振りに蔵並眼科に行ったら、0・8が0・5になっていた。もうこれ以上待てないので、再度白内障の手術に挑戦することにした。神様仏様、なにとぞ旨く行きますように。6/29
あっという間に水無月が尽きた。それにしても毎日曇りの予報なのに連日のカンカン照り。予報官って自分の予報が間違っていても、けっして謝らないのはなぜだろう。あれは気象庁かAIのせいだと思っているのだろう。6/30
このYOUもこのYOUもジャニー喜多川にやられてたのかとじろじろ見てる 蝶人