定宿が東銀座なので宿泊中一度は早起きして必ず訪問する築地場内の鮨屋。数多ある築地市場近辺の鮨屋の中で再訪する価値があると思えたのは場内場外含めてここだけ。超がつく人気店だけに数時間待ちは当たり前。それを避けようとすると朝の一巡目に入るのが一番無難。でもそのためには朝4時半頃までには店の前に着いていないと難しい。もちろんまだ夜と同じで真っ暗。店の人によると最近は週末だと3時から並ぶらしい。この日も4時過ぎの時点で先頭じゃないところが凄い。
場内のどこでも見られる光景だが外国人の比率が高い。一時程の中国人の多さは無くなったように感じたが、この日も一巡目でお店に入った半分は外国の方。それでもその方達も一見じゃなかったりするので、この店の人気度を再認識させられる。宿泊6日中5日通った(!)というハワイのご夫婦も…。
築地では(実際良いかどうかは別として)鮮度を売りにする店がほとんど。ただ回転寿司に毛が生えた程度のレベルの店が多く、客引きなんかやっている店はまず期待出来ない。何度か通ってみると分かるが、下手な店に入る位なら15分歩いて銀座にいって名店のランチを食べたほうがよほどいい。ここ寿し大の場合、鮮度はもちろんだがしっかり仕事のしてあるいわゆる「江戸前鮨」という面もちゃんとあり、そのバランスが良い。
自分がこの店に行く場合、一番味わっているのは「ホスピタリティ」じゃないかと思う。基本的に好きな時間に食べられないし、長時間待ち覚悟だし、店は狭小だし、隣りに気をつかって肘も畳まなければいけないし、とどちらかというと悪い環境にも関わらず、常連でも一見でも温かく迎え、どんな客層の方がいても店全体を和ませる話術や態度で受け答えし、客を急がせず良い気持ちにして帰す、というおおよそ客商売として求められる全てが備わっているように思う。自分も客商売だけに学ぶ事が多い。とても真似出来ないけれど。
今回は大多数の人が頼む「旬魚おまかせセット」ではなく、ちょっと贅沢をして熱燗とつまみ(カワハギの肝巻き、白子など)と、お好みで握りを好きなように注文して店を出た。時間にして40分位。(勘定はお酒、つまみを含めて¥7,000程度)
東京都中央区築地5-2-1 築地卸売市場6号館