ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

揚子江菜館 @東京・神田神保町

2014年12月09日 | 東京都(老舗)

 

神保町のすずらん通りにある老舗中国料理店「揚子江菜館」。創業は明治39年(1906)という日本の中国料理店の中でも屈指の歴史を誇る店だ。以前から何度もチャンスはあったのだが、中休みは無いし、夜9時過ぎまで営業しているしと、いつでも入れる感があって他へ行ってしまっていた。実はこの日も、スマトラカレーで有名な「共栄堂」へ行ったのだが、営業時間内にも関わらず、ライスが足りなくなって目前で閉店してしまったのでサブとして選んだのだ(失礼)。ご存知の方も多いと思うが、こちらは細切りの具を並べたいわゆる「冷やし中華」発祥の店として有名。昭和8年に誕生したメニューだそうだ(戦後説もあり)。

京劇の面がトレードマークの店の中に入るとテーブル席が並んでいて、なんと5階まで席があるとのこと。この日は1人とあって1階の席に案内された。給仕の方はみな大陸の方のよう。夕方だったが、多人数の予約が入っているようで、次から次へと客が上階に吸い込まれていく。すでに夜ともなると肌寒いのだが、もちろん「五色涼拌麺(五目冷やし)」を注文した(ちなみに季節を通して注文出来るそうです)。

しばらくしてこんもりと盛られた色とりどりの五目冷やしが登場。綺麗な山型に盛られた五目冷やしは、値段が安くない事もあるが、錦糸玉子、胡瓜、チャーシュー、筍、椎茸、寒天、海老、肉団子、うずら卵、さやえんどう、ととても豪華。筍はしっかりめに味が含ませてあり、色も濃い。スープはもちろん酸味を効かしたものだが、現在主流のものと比べると、より甘みが強いもの。麺は黄色味が強いもので、量はやや多め。麺が絡み合って少々食べづらい。現在巷に出回っている様々に工夫を凝らした中華麺と比べるとさすがに凡庸ではある。ただ、基本的にはここの「五目冷やし」と現在の「冷やし中華」はほとんど組み立てが変わらない訳で、80年以上も前に完成されたというメニューが、ほぼそのまま受け継がれて日本中に伝播したというのは、それだけですごい。(勘定は¥1,510)

 ↓ 同じすずらん通りにある「文房堂」の建物(大正11年・1922建造)*外壁のみの保存

 

揚子江菜館

東京都千代田区神田神保町1-11-3

(神保町 ようすこうさいかん 元祖冷やし中華 冷やし中華 冷麺 冷やし五目そば)


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