暑い中、岐阜県大垣市内を自転車で散策。古い建物やなんかを観て廻ったあと、車で帰る前に寄ったのは本町通りにある「ふや惣(麩屋惣)」。創業は明治元年(1868)で、屋号通り「麩」を扱う店。車なら要冷凍の生麩も持ち帰ることが出来るとタイミングを狙っていた。かつては市内に限らず数多くの料亭に卸していたそうだ。現在の店主は4代目だとか。大垣といえば水都と呼ばれるくらい地下水が豊富な土地。麩の製造には綺麗な水は欠かせないからこの地でずっと続いているんだろう。市内には自噴水がいくつもあり、こちらの店もそんな自噴水を利用しているのだそうだ。店のすぐ横には「田中屋せんべい總本家」がある。車を寄せて店内へ。質素な店構えと同様に店内も質素。いくつかの乾物が並んでいる程度。奥から出ていらしたご高齢の女将さんに生麩は何があるか訊くと、横の冷蔵庫を開けていくつか見せてくれた。どれも四角柱でカチンカチンに凍った棒状になっている。最初はいくつか買って帰ろうと思っていたが、あまり沢山を冷凍庫に保存しておけないので「あわ麩」だけにしておいた。特に冷却材とかを入れてくれるわけではなさそうなので、保温バッグに入れてさっさと帰ることにする。
冷凍庫に入れてあった「あわ麩」を取り出す。簡単にビニールで巻いてあるだけの「あわ麩」をまな板にのせ包丁を入れるも全然歯が立たず。カッチカチ。全部食べてしまうには大きいし…。四方から包丁を入れ、叩き、やっと晩酌分の粟麩を切り分けた。これを少し常温に置いておき、もう少し軟らかくなったところで刺身のように切り分けた。口に入れると軟らかくなった「あわ麩」の淡泊な風味のみ。前にも岐阜市の「麩兵」などで購入しているのだが、これが酒に合うんだなァ。この日は醤油と練りわさびだけでいただいたが、塩やポン酢、味噌でもいいし、オリーブオイルやバターで焼くのも旨い。冷凍庫に入れてしまうと取り出すのが億劫になってしまうが、まだまだ楽しめそう。次は他の味や「つしま麩(大徳寺麩)」というのも買ってみよう。(勘定は¥460)
↓ 廓町にある「キク薬局」(建築詳細不明)◇。何のことはない建物だが、よく見ると窓や1階ショーケースは木枠だし、窓上を市松に塗っていたりと素敵な商店。
↓ 本町2丁目にある「本町橋」(昭和10年頃・1935・建造◇)を再訪。牛屋川に架けられた橋は、大小の砲弾で型を取った親柱。戦前の世相がそのまま残る。
ふや惣 (麩屋惣)
岐阜県大垣市本町2-14
( 大垣 おおがき 水都 ふやそう 麩 ふ 粟麩 蓬生麩 角麩 煮物 刺身 焼物 酒肴 近代建築 近代化遺産 )
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