Amazing Grace (DVD) / Aretha Franklin (2019)
2018年に亡くなったアレサ・フランクリン(Aretha Franklin)。彼女が1972年にロサンゼルスのニュー・テンプル・ミッショナリー・バプティスト教会で2日間にわたってゴスペル・ライヴを行った模様は、同年にアルバム「Amazing Grace」(ジャケ写真下左)として発表され、こうした宗教的な側面のあるアルバムとしては異例の大ヒットを記録した。1999年にはリマスターされ、未発表テイクを加えて”Amazing Grace : The Complete Recordings」として再発されている(ジャケ写真下右)。
自分はどちらも所有しているが、キリスト教徒ではない自分でも心揺すぶられ、アレサの圧倒的な歌唱を浴びることの出来るアルバムだ(「The Complete~」の方はちょっと長すぎる気も…)。このレコーディングの映像が撮影されていたとは全然知らなかった。本当はアルバム発売の翌年に公開する予定だったらしいが、映像と音声をシンクロさせることが出来ないという技術上の問題でお蔵入りになったのだとか(お粗末にもカット始めと終わりのカチンコが無かった為だとか)。
2018年にアメリカで公開されるにあたって、その予告編をネットで初めて観た時はびっくり。会場は本当の教会なのでさほど大きくない。その映像の中に何とミック・ジャガー(Mick Jagger)の姿が。この歴史的レコーディングの現場にミックが居たとは!(本編映像を見るとチャーリー<Charlie Watts>も一緒だ)。映画公開が楽しみだったが、音楽映画は東京ならまだしも、地方では1日、長くても1週間だけの上映とかの場合も多く、観に行ける機会を作るのは難しいかなァと半分あきらめていた。こういう事情で今までいくつもの音楽映画を見逃したことか…。しばしこの映画の事を忘れていたら、ある日amazonに普通にDVDが売っていることに気付いて、もちろんポチッとした。どうして今頃なのか分からないが、日本ではようやくこの5月に上映されるようだ。
46年の時を経てあのアルバムの録音現場が映像で甦る。ジェームズ・クリーブランド牧師(James Cleveland)とサザン・カリフォルニア・コミュニティ・クワイア( The Southern California Community Choir)のコーラスを従えて教会の檀上で歌うアレサ。終止緊張気味に見えるが、これはカメラが入っていたからだろうか。アレサが声を振り絞ると、観客は(コーラス隊の面々までもが)まるで電気ショックを受けたように目を見開いたり、天を仰いだり。まるで神の啓示を受けたようだ。これを現場で聴いたらやっぱりすごい宗教的体験になるんだろうなァ。空調などは無かったのだろうし、映画用の照明で暑いのだろう、アレサは汗だくだが、それを拭う様子も見せずに熱唱を続ける。痺れる。うーん、これはやっぱり映画館の大きなスクリーンでも観てみたい。行けるかな…。
amazonにて購入(¥1,266)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます