Live In Japan (CD+DVD) / 21st Century Schizoid Band (2003)
キング・クリムゾン(King Crimson)の初期メンバーが終結して結成された「21st Century Schizoid Band」。これをカヴァー・バンド扱いしては叱られるだろうが、御大ロバート・フリップ(Robert Fripp)抜きなのだから微妙な感じは拭えない。このバンドがどういう経緯で結成されたのか全然知らないので分からないが、それでもバンド名の名付け親はフリップ自身という話もあるので公認のスピン・オフということなのだろうか。そのバンドが2002年に来日した時の音源と映像をパッケージした2枚組。参加しているメンバーは、
・ジャッコ・ジャクジク(Jakko Jakszyk – guitar, lead vocals, keyboards, flute)
・イアン・マクドナルド(Ian McDonald – alto saxophone, backing and lead vocals, flute, keyboards, piano, percussion)
・メル・コリンズ(Mel Collins – alto, tenor and baritone saxophones, backing vocals, flute, keyboards)
・ピーター・ジャイルズ(Peter Giles – bass, backing vocals, percussion)
・マイケル・ジャイルズ(Michael Giles – drums, backing and lead vocals, percussion)
の5人で、後に正式にクリムゾンのメンバーとして迎えられるジャッコ以外は初期のアルバムに参加していた面々。ちなみにジャッコはマイケル・ジャイルズの娘と結婚しているので義理の息子ということになる。やっぱりジャッコが話を持ち掛けて一緒にやるようになったのかな(※DVD収録のインタビューによるとマイケル・ジャイルズの発案だそう)。
初期クリムゾンといえば管楽器も重要な側面となっていて抒情的な展開の曲も多く、ディシプリン期以降のクリムゾンでは全くといっていいくらい演奏されなかった曲も多い。それがオリジナルなメンバーで再現されるのだから、初期からのファンには堪えられないだろう。後追いで、特にディシプリン期から聴き始めた自分にとっては正直初期の曲は聴き込みが足りず、このメンバーで演奏されることに対するありがたみが薄いのは申し訳ない気分(笑)。それでも確かに「Cat Food」のライヴ演奏なんてちょっとグッとくる。ジャッコは全編に渡って大活躍。
映像の方は曲数が多いので完全収録かもしれない。はっきり言ってメンバー全員見かけは地味なオッサンだし、ギャップが長かったメンバーも居るようだが、さすが腕っこきの連中だけあって初期の複雑な展開のナンバーもしっかりと再現していて聴き応えがある。ピーター・ジャイルズの立ち姿はカッコいいし、イアン・マクドナルドの多才ぶりは凄い(でも正直ヴォーカルは今ひとつ…笑)。なぜかCDの方は聴いていて焦点が定まらないというか弛緩するところもあるのだが(録音がちょっとフラットな感じで表現力に乏しいから?)、映像だとその辺りを補っていてより楽しめた。DVD視聴がお勧めです。このすぐ後に脱退したマイケル・ジャイルズがバンドのキモだったと思うんだけれど、何が原因だったんだろう。ここでは上手くいってると思うんだけどなァ…。
ネット・ショップにて購入(¥680)
- レーベル : ユニバーサル インターナショナル
- ASIN : B0000D8RJZ
- ディスク枚数 : 1
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