Live At The Wiltern (DVD+2CD) / The Rolling Stones (2024)
ストーンズ(The Rolling Stones)の2002年11月にロサンゼルスのWiltern Theatreでの公演完全版がCD、DVD化。当時はLicks Tourで、バンド初の試みとして1つのツアーでシアター、アリーナ、スタジアムと色々なフォーマットでライヴが開催され、会場規模に応じて選曲もマニアックにしたりという趣向を凝らしていた。この公演は当時から話題になり、一部の音源や映像は公式に発表されたり、BBCで放送されたりもした。もちろん当時から垂涎のセットリストでブートレグ(海賊盤)の餌食にも(←まんまと買った)。ハコのキャパは2,000人だそう。
今回もというか、最近はみな一緒だが、注文した輸入盤が届く前にネット上で全曲公開…。これ誰が得するんだろう?特に最近のイヤホンで聴けりゃ音質なんか構わないっていう人達は絶対フィジカルで買わずにリッピングするだけと思うが。せめて1ヵ月くらい後にすれば多少なりとも売上は増えるような気がするのだが…。
それはさておき、まずはCDから。この頃で既にオリジナル・アルバムの発表無しでツアーをするというキャリア総括的な意味合いもあったが、いやいやこうして聴くとまだ元気溌剌。メンバーもレアな曲が多いということでかなり試行錯誤が伺える演奏だが、次々と出てくる意外な選曲で、このハコに入ることが出来た筋金入りのファンは興奮のるつぼだったろう。ジャム派生でストーンズらしい曲といえばらしいが「Dance Part.1」なんか、ライヴではかなりまとめにくそうな曲だもんなァ。ゲストにメンバーにとってのレジェンドであるソロモン・バーク(Solomon Burke)が登場したりと特別感も凄い。
映像の方はブートは買っていなかったので、公式に発表されていた何曲かを除いて初見。いやァハコが小さいなァ。これは羨ましい。キース(Keith Richards)は相当気合が入っているようで狭いステージ上を動き回ってジャララーンとやっている。相変わらずミック(Mick Jagger)のパフォーマンスは凄い(当時59歳)。確かに3月の来日時も声が伸びまくっていたもんなァ。今は亡きチャーリーのクールなドラミングも懐かしい。上記の「Dance」の間奏でブラジルの楽器「クイーカ」(←ゴン太くんのアレ)のような音を出していたのはコーラスのリサ・フィッシャー(Lisa Fischer)の裏声だった。これ昔発売されたDVD「Four Flicks」では見逃していたところ。
こうしてリックス・ツアーの頃の演奏を聴いたり観たりすると、キャリア総括だったとはいってもバンドの充実度は最高潮のような気もする。自分はこの翌年のの来日公演で、武道館と大阪ドーム2日間の計3回の公演を観た。武道館は間違いなく生涯最高のライヴ(←自分の興奮状態が・笑)だったし、大阪では”キースぶち切れ事件”があったり、自分の前で酔った観客同士が殴り合って片方が完全にノックダウンしたという事件もあって、その頃の記憶が蘇ってきた。
amazonにて購入(¥3465)
- Label : Mercury Studios
- ASIN : B0CQPK4Q4V
- Disc : 2
>大阪では”キースぶち切れ事件”があったり…
僕もあの事件・光景を会場にいてしっかり目撃しましたよ、3/21大阪ドームでしたね。
中盤に差し掛かったころ 曲が”Monkey Man”に入ろうとキースがギター演奏の準備中、曲がスタートしてしまい鬼の形相でミックを睨みながら 弦を『ギュイ~ン』と掻き鳴らしながら、怒ったキースがミックに体をぶつけに行った時には、異様な緊張感が伝わってきて、妙な感動を覚えました。
>会場規模に応じて選曲もマニアックにしたりという趣向を凝らしていた。
大阪ドームで観た中では”Wild Horses”,” Mannish Boy”を演ってくれて(Monkey Manもね!)嬉しかったなあ。
おーっ!ムンドリさんも会場にいらっしゃいましたかー。
>弦を『ギュイ~ン』
あの音、後に買ったブートにもしっかり残っています(笑)。バンマス役でカウント出しちゃったチャック・リーヴェルは
首かっ切られるサインを出されていましたよね、恐ろしや…。いつもニコニコでめちゃ丸くなっていたと思っていたキースの
本性を垣間見られた瞬間でした。キースはチャック・ベリーみたくクソジジイになると思っていたんですけどね(苦笑)。
反面教師かな。
Bステージをやるようになってからレア曲が多く出てくるようになりましたが、リックスはてんこ盛りで他の公演情報が
出てくる度に驚いていた記憶があります。次のツアー(奇跡!)では何を演ってくれるか楽しみです。行けないけど。