Neil And Jack And Me (DVD) / King Crimson (2004)
キング・クリムゾン(King Crimson)が80年代にVHS等で発売した映像「The Noise: Live in Frejus 1982」「Three of a Perfect Pair: Live in Japan 1984」の2つをコンパイルした便利なDVD。「Sleepless」のPVや写真などのおまけ付き。前者はフィルム撮影、後者はヴィデオ撮影。当時発売されたオリジナル・アルバム「Beat」('82)と「Three of a Perfect Pair」('84)に伴って行われたツアーからの映像。当時のメンバーは、フリップ(Robert Fripp)、エイドリアン・ブリュー(Adrian Belew)、トニー・レヴィン(Tony Levin)、ビル・ブルーフォード(Bill Bruford)の4人体制。いわゆるディシプリン期。
82年の映像はフィルムゆえなのか、ライヴ映像を前提としていなかったかのような暗めのライティングで、演者の表情も読み取りにくい(→フリップは明るいのが嫌いなのだとか)。フリップに関してはほぼブラック・アウト。でもそれが後ろで目を光らせているバンマスっぽくて彼らしい(笑)。オープニングはビル・ブルーフォードが1人叩くシモンズ(一世を風靡したシンセ・ドラム)に80年代っぽいショルダーの広いスーツを着たエイドリアンが加わる(そうそうエイドリアンはドラムも叩けるのだ!)。相変わらずニコニコと1人機嫌よく笑顔を見せて演奏が続いていく。
84年の方ではタイトルやら映像のエフェクトがいかにも80年代のヴィデオ作品という感じ。こちらにはメンバーのオフ・ステージの映像なんかも収録されていて、ある意味貴重。編集は日本側のそのままなのかな(←どうも別ヴァージョンもあるらしい)。最近でこそ面白い爺さんキャラで出ているフリップ翁だが、この頃はまだクールでにべもないという感じ。それでも表情さえ伺い辛い82年と違ってライヴ中のにこやかな表情や、ソロ時の悶絶の表情までしっかり見ることが出来て興味深い。エイドリアンは独特の(=変な)ファッション・センス全開(笑)。相変わらず1人だけニコニコと楽しそうな態度が浮いていて面白い。でもヴォーカルを担当しながら、あの変態ギターを弾き倒し、シモンズも叩く彼はやはり天才。才能が溢れまくっている。見ていて気付いたのだが、まだこの頃はステージに向かって紙テープを投げたりしてたんだなァ。
ネット・オークションにて購入(¥480)
- Label : DGM
- ASIN : B0002TT0GO
- Disc : 1
ディシプリンは衝撃でしたね。
いわゆる人間シーケンサーと化したロバート・フィリップのギターがモザイクみたいな音楽を作っていて。
ただ、この後のアルバムが今一つ、個性がなかったような。
とにかく、1982年のロバートは探究者だったし、
エイドリアンは面白いギタリストでした。
私はクリムゾンは完全に最近になっての後追いなので、当時は音楽雑誌などの断片的な情報しか
知りませんでしたが、ザッパ、ボウイ、トーキングヘッズと渡り歩いたエイドリアンへの興味から
聴き始めたようなものなので、この時期のクリムゾンの演奏はやはりいい感じで聴けます。
確かに同じようなスタイルで3つアルバムが続いたので、昔からのファンには特にインパクトが
欠けている時期なのかもしれませんね。