愛知県豊橋市での夕食は駅前の路地にある天ぷらの店「天源」へ。こちらも日曜休みの店なので今まで入ることが出来ず、念願の初訪問。遠方で振られると困るので事前に予約電話を入れておいた。時間ちょうどに店に着き、階段を降りて地下の店へ。中に入るとカウンター席と小上がり席があり、年配の夫婦でやっていらっしゃる。先客は3組。カウンターに席が用意してあった。酒(銘柄知らず)をぬる燗でお願いする。コース2種のみだが事前に「天ぷらコース」と伝えてある(他方は天ぷらに造りが付くコース)。
最初に銀杏の飯蒸しのからすみ添えが出てきた。壁に”自家製からすみ”とあったのでそれが添えてあるのだろう。温かく優しい口当たりのそれをお腹に入れてほっと一息。少しの塩気がアクセント。そして天ぷらが始まる。寡黙な主人の前にはピッカピカの銅製の鍋が2つ。温度で使い分けているのかな。大きなさつま芋は最初から片方の鍋でじっくりと揚げ続けるようだ。最初に提供されたのは海老。さほど大きくないが口に入れるとほくっと湯気が立ち昇る。旨い。蓮根、きす、銀杏、ゆり根、海老の頭と続く。どれも衣の加減良く、素材の味がしっかりと分かる。塩で食べたり、つゆに漬けたり。抑え気味にしていても酒が進んで、もちろんお代わり。すると主人、この段階で早くも鍋の揚げ油を捨て、銅鍋を綺麗に洗い(!)、また新たな油を注ぎ始めた。まだ見た目には綺麗な油だったけれど、多人数分揚げているとはいえ交換が早い。見ているとコーン油に胡麻油を少し足しているかな。
主人は黙々と調理に没頭しているようにみえて、カウンターの別の客より自分の方が食べるスピードが速いのを見ると、途中で順番を変えてこちらを先にしたりとスムースにリズム良く食べられるよう気を遣ってくれている。まっさらの油で、更に鱧、山芋を練ったものにしそを巻いたもの、舞茸が供される。油を変えたのは海老の香りが油に移っていたからかな。どの種(タネ)も丁寧な仕事で旨い。そして最後にじっくりと火を入れたさつま芋と帆立貝柱のかき揚げが出てきた。芋の甘味が凝縮されて旨い。本当は追加をしたかったのだが、まだ他に呑みに歩くつもりでいるのでここで止め、いちぢくのシャーベットをいただいて勘定してもらう。さすが評判通り旨い天ぷらだった。満足。フリで入るのは難しいかもしれないが、機会があったらまた寄ってみたいナ。(勘定は¥6,600)
天ぷら専門店 天源
愛知県豊橋市広小路1-42
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