ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

ザ・ローリング・ストーンズ @東京・東京ドーム

2014年03月15日 | ライヴ(日本公演)

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ザ・ローリング・ストーンズ (2月26日 東京ドーム ツアー初日)

待ちに待ったストーンズ(The Rolling Stones)の来日公演。場所がどこであろうが行く事は決まっていたが、今回の来日ツアー日程が東京のみ、それもドームのみというのは予想外だった。来日公演発表後、やけに間の空いたツアー日程だったので、必ず大阪かどこか別の場所で追加公演が1回くらいあるだろうと思っていた。この日程のせいで自分のように買い控えたファンも多かったのではないか。平日なので、結局初日に行くか、3月4日・6日の2日行くかという選択を迫られ、悩んで前者を選択。さすがに初日から5日も経ったら、情報が蔓延して新鮮味や楽しみがなくなってしまうだろう、という思いだったのだ。

今回の呼び屋「キョードー東京」のチケットの販売方法や席の割り振りは本当に納得出来ない事ばかりだった。過去にもストーンズのツアー毎に参戦しているが、2003年の1回のみの特別な武道館公演(酷い席だったが必死で手に入れました)は別として、他の公演は席の良し悪しを自分で判断して購入する事が出来ていたが、今回の呼び屋はチケットの値段毎の席の割り振りや、肝心の席表も全く発表せず、高額なチケットの先行抽選販売を繰り返すという蛮行を行い、正直疲れ果ててしまった。誰もが感じた事だろうが、例えばS席18,000円を購入して、アリーナ前方と、1階スタンド席と、2階スタンド席が同額って納得できるわけがない。しかもチケットが届くまで自分がどの席を買ったか分らないなんて! それにGC席と称する花道周辺の席は80,000円…(もちろん買っていません)。まぁ、これには前例もあったことだし、金額に驚きは無かったが、果たして本当にそれに値する席だっただろうか? そんな、どこにもぶつけることの出来ないモヤモヤ(こんな高額商品を扱っておきながらキョードーにはカスタマーサービスに相当する場が無いのだ!)を残しつつ東京ドームに向かう。

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ドーム周辺は物販テントに並ぶ長蛇の列。あまりグッズに執着はないので、さっさと購入をあきらめ中へ。実は東京ドームでライヴを見るのは初めて。他のイベントでは入場した事はあるが、音の悪さでは定評のある会場なので心配。オークションで席の場所をしっかり確認してから(定価で)購入した席は1階スタンド席。過去のどのツアーでもアリーナに降りていたので、過去一番遠い席だったかもしれない。それでも席についてしまえばあとは楽しむだけ。

↓ 公演開始前の会場内

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会場は上の方までほぼ満員。知人によると東京ドームが2階席まで満員であることは珍しいらしい。日本に不在で自分が参加しなかった初来日公演(1990年)以来ではないかとの事。それだけ今回のツアーが見納めになるんじゃないか、というファンの気持ちが切実だったんだろう。そして公演が始まる…。

公演後に話題になったが、キース(Keith Richards)が普段と違って仏頂面で演奏していて、動きも少なく、お約束とはいえ、ミス・トーンがかなり多く、ドキドキものだった。公演後に彼が体調不良であった事を知って合点がいったが、実はライヴ中、自分はいつになくストイックにギターと悪戦苦闘する姿を見て感動さえしていたのだ。思えば(映像で見ただけだが)82年以前のキースはニコニコ愛想なんか振り撒いていなかったし。元はと言えば、40年以上も前に「最も早く死ぬだろうロック・スター」のダントツ1位(笑)だった人だ。生きて今、ステージの上に居るだけですでに奇跡。

奇跡といえば御大ミック・ジャガー(Mick Jagger)。前回も、前々回の来日でも彼の動きとヴォーカルは尋常じゃなく度肝を抜かれた。しかし彼とて人間。70歳にもなったらさすがに衰えが目に見えるだろうと思っていたが…相変わらずのスリムな体型に唯一無二の声、そして外野に横幅広く建てられたステージの端から端まで走って歌うその姿に、あ然…。しかも絶対にきつくなってきているはずの高音域も、音程を外しやすいファルセットも難なくこなしている…。相変わらずの片言の日本語コメントで笑いもとりつつ、踊りまくる70歳。もう感動を通り越してあきれてしまった。

来日前のツアーでもお約束だった地元のコーラス隊を起用しての演奏では、「洗足フレッシュマン・シンガーズ」なる若い日本人達のコーラス隊が登場。素晴しいコーラスで会場を盛り上げた。ストーンズのライヴでお約束の巨大スクリーンに、日本人が写って、メンバーとステージを同じくしているのを観るのは感動もの。前回の来日では精彩を欠いていた(と思えた)女性バック・シンガーのリサ・フィッシャー(Lisa Fisher)も、今公演でのミックとのデュエットでは素晴しいパフォーマンスを見せてくれた。ただダリル(Daryl Jones)のベース・プレイはなんだか鼻につく違和感があり、以前はダリル容認派だった自分でも好きになれない。

会場ではギター(特にキース)の音がかなり大きめで、時々ビックリするような爆音が唐突に会場に響き渡る。やはり会場特有のエコーはきついし、時々ハウリング(最近のライヴでは珍しい…)が起こるものの、全体的な音の悪さはさほど気にならず、最後までライヴを楽しむ事が出来た。ライヴが終わった途端に、もう4日の公演をどうしようかと無駄に考え始めている(東京に住む兄はこの4日にアリーナ参戦)。東京在住ならまだしも、地方に居て、仕事があるから絶対無理なんだけど…。取り合えずチケットはまだ買えるのか探している自分…。

もしストーンズのライヴをこの日初めて見た人が居たら、演奏は下手くそで、まとまりがなく、音も良くないし、席は遠いし、なんて高いチケットだったと思うかもしれない。それはたぶんすべて正しい。でも、行けないと分かっている残りの公演の高額なチケットを、どうにかできないものか悩んでしまう地方の男がいるくらい魅力があるのも間違いないのだ。

<セットリスト>

01.Get Off of My Cloud
02.It's Only Rock 'n' Roll (But I Like It)
03.Tumbling Dice
04.Wild Horses
05.Emotional Rescue
06.Doom and Gloom
07.Bitch(by request)
08.Honky Tonk Women (followed by band introductions)
90.Slipping Away(with Mick Taylor) (Keith Richards on lead vocals)
10.Before They Make Me Run (Keith Richards on lead vocals)
11.Midnight Rambler (with Mick Taylor)
12.Miss You
13.Paint It Black
14.Gimme Shelter
15.Start Me Up
16.Brown Sugar
17.Jumpin' Jack Flash
18.Sympathy for the Devil
--- Encore ---
19.You Can't Always Get What You Want (with the Senzoku Freshman singers)
20.(I Can't Get No) Satisfaction (with Mick Taylor)

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