ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

一八食堂 (2) @岐阜県岐阜市 (※閉店)

2018年07月23日 | 岐阜県(岐阜)

ふと思いつき、岐阜市昭和町にある「一八食堂」へ久しぶりの訪問。裏にある入れづらい駐車場にバイクを停め(車だとかなり大変です)、店へ。暖簾をくぐると、広くない店内は、ほぼ満席の盛況ぶり(といっても5~6組しか入れないが)。手前の席が1つだけ空いたので滑り込んだ。自分の後にも扉を開けてから店内を見回して諦める客が何組も。という訳で女将さんも厨房に入ってかなり忙しそうで注文を訊きに来る気配がない。ので自分で厨房まで行って、女将さんにこちらのスペシャリティ(笑)「カツめし」をお願いした。

ちょうど他と注文が重なったのか、思いのほか早く丼ぶりが到着。その後でお茶が出てきた。丼ぶりの上には溢れんばかりの大きさのカツ、千切りキャベツ、レタスが。その上から味噌ダレがたっぷりとかかっている。つまりは味噌カツ丼。付け合わせは、おひたしとたっぷりの漬物、それにいつもの大根おろしと、野菜と豆腐が沢山入った味噌汁という充実のラインナップ。早速しっかりめに揚がったカツを取り上げてかぶりつく。濃くて甘くて粘度の高い味噌ダレで、すぐにご飯を掻き込みたくなる味。水気のあるキャベツやレタスも一緒にご飯の上にのっているのでそこだけいつも気になるけれど、どう考えたってサービス価格。文句のあろうはずがない。ご飯の量もしっかりで、全ての皿を片付ける頃には満腹。注文する前は今度こそ他の品をと思うのだが、「カツめし」の破壊力にはついつい負けてしまう。次こそ違う品を…(←怪しい)。(勘定は¥550)

以前の記事はこちら (1

この後の記事はこちら (3)(4

一八食堂

岐阜県岐阜市昭和町1-15

※閉店されたとのことです(令和4年9月現在)

 

( 岐阜 ぎふ 一八食堂 いっぱち食堂 一八 いっぱち カツめし カツ飯 かつめし カツ丼 味噌カツ丼 麺類食堂 大衆食堂 閉店 廃業 )

コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

こも @愛知県岡崎市 (※閉店)

2018年07月22日 | 愛知県(三河)

岡崎市の名鉄・東岡崎駅。こちらの駅ビル「岡ビル百貨店」がいきなり存在感アリ(別の意味で)。昭和30、40年代生まれの人間にとっては何とも懐かしさのこみ上げる風情で、まるで時間が昭和で止まったかのよう。大きな建物なのだが営業している店の数は少なく、空いているスペースが多い。昔は賑わっていたんだろうなァとついついウロウロしてしまった。そんな建物の3階は1軒を除いてもぬけのカラ。その1軒がこちら「キッチンこも」。昔は必ず商業ビルに1軒はあっただろう洋食の店だ。ワン・フロアーが完全に空いているというシュールな空間の端の端に店がある。食べ歩いていたのでお腹は全然空いていなかったが、ここまで来たら入らずに帰ることは出来ない。一日自転車で走り回って喉もカラカラだったのでビールのつまみに何かを注文しようと店に入る。

 

店はカウンター席とテーブル席で、窓の外には駅前の小さなロータリーが見渡せる。老夫婦でやっていらっしゃって、半端な時間だったから先客はなし。ビール(中瓶)と「手作り・カニコロッケ・ハンバーグ」を単品でお願いした。まずはグイッとビールを流し込む。ラジオから流れる中日ドラゴンズのデーゲームの音を聞きながら待っていると、銘の入った楕円の平皿に盛られた「カニコロッケ・ハンバーグ」が登場。付け合わせは千切りキャベツとポテサラとケチャップスパ。まずはハンバーグからナイフを入れていく。しっかりと肉が詰まったクラシックなタイプ。でも硬くはない。デミソースがかかっていて、そのソースも重くなくてちょうどいい。続いて細目の衣に包まれたカニコロッケ。意外な程しっかりと蟹の身が詰まっていて、ぽってりとした舌触り。うん、これは旨いなァ。とても幸せな昼の一杯になった。ここは機会があったらまた訪れたいナ。この百貨店ビルの行く末もちょっと心配だし、早いうちに…。(勘定は¥1,250)

※令和3年5月25日、岡ビル百貨店の閉鎖に伴い閉店されました。

 


 

↓ 「東岡崎駅」に隣接する「岡ビル百貨店」(昭和33年・1958・建造)。建物のそこかしこのデザイン、フォント、カラーリングがまさに”昭和”。ここでは著作権に厳しい某米国企業のキャラクターも治外法権(笑)。駅だから人も多いのにこの建物の空きっぷりは何でだろう? 色々使えそうな気はするのだが…。上がれなかったが屋上へ通ずる階段脇には何ともレトロなイラストの壁紙が(写真10枚目)。

 

 

 

 

 

 ↓ JRの駅の方角へかなり自転車で走って辿り着いた「服部記念館(旧・服部工業事務所)」(大正15年・1926・建造)。広い土地にこの建物だけポツンと残っているがしっかり整備はされているよう。先達の記録を見ると、JR岡崎駅周辺に点在した近代建築はほとんどが取り壊されてしまったらしい…。

  

 

 ↓ 針崎町にある「旧・日清紡績針崎工場竜城学園講堂(旧・愛知県立第二尋常中学校講堂)」(明治40年・1907・建造)。工場敷地が住宅用に分譲されたのだろう。新興の分譲住宅地の真新しい家々の奥にポツンと、しかも再塗装は済んでいるのに何だか放置気味に建つ姿がシュール…。

 

 

 


 

 

手作りの店 キッチンこも

愛知県岡崎市明大寺本町4-70 岡ビル百貨店 3F

 

( 岡崎 おかざき 東岡崎駅 名鉄 こも オーマイキッチンこも スパゲッチの店 洋食 スパゲッティー スパゲッチ マカロニ ランチ 近代建築 昭和 デパート 駅ビル )

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

俺たちのメロディー3 / Various Artists

2018年07月21日 | サウンドトラック

俺たちのメロディー3 / Various Artists (2003)

70、80年代のテレビ・ドラマの主題歌や挿入歌、テーマ曲を集めた企画盤の第3弾。実は第1弾も所有している。リアル・タイムで聴いたのもそうでないのもあるが、当時のドラマのテーマ曲って本当に心に残っている。まだあの頃は”テレビ”の重要度が今とは比べ物にならないくらい高く、今のように「HDに録画しておいてヒマだったら見よ」なんてのんびりした事はなく、好きなドラマを見るために万難を排して準備していた。今でも小さい頃に何かの拍子に母親の逆鱗に触れ、大事なドラマの最終回を見せてもらえなかった、なんて記憶がトラウマのように残っている(笑)。

こういう企画盤は何度も何度も繰り返し聴くほど愛聴する訳ではないが、たまに聴くとやっぱり楽しい。当時は何とも思っていなかったが、今聴くと大野克夫や井上尭之らの演奏や洒脱なセンスはジャズ・グルーヴとしても特筆すべきクオリティだし、すごく影響を受けた「探偵物語」は、やはりあのSHOGUNの日本人離れした都会的な音が無いと物足りない。ただ自分は金曜8時にやっていて一番人気だった「太陽にほえろ」は、新日本プロレス中継の「ワールドプロレスリング」と重なっていたのでほとんど見ておらず、役柄とかへの思い入れの昔話にも全くついていけないのだった…。こうして収録されている番組を思い出すと、昔のテレビ・ドラマって、今と違ってオッパイ(つまり女性の裸のシーン)が沢山出てたなァと感慨深い(笑)。あんな番組をよく親と一緒のテレビで見ていたものだ…。


01 「大都会PART III」大都会PARTIIIテーマ (高橋達也と東京ユニオン)
02 「探偵物語」華麗なる追跡 - 探偵物語BGM - M-12A (SHOGUN)
03 「大都会」 (クリスタルキング)
04 「Gメン’75」Gメン’75のテーマ (菊地俊輔)
05 「西部警察PARTII」西部警察PARTIIワンダフルガイズ (高橋達也と東京ユニオン)
06 「特捜最前線」特捜最前線メインテーマII (木下忠司)
07 「太陽にほえろ」怒りのテーマ (大野克夫 演奏:井上尭之バンド)
08 「非情のライセンス」 非情のライセンス (渡辺岳夫)
09 「俺たちの勲章」挑戦のテーマ
10 「前略おふくろ様」前略おふくろ様メインタイトル (井上尭之バンド)
11 「あぶない刑事」ランニング・ショット (柴田恭兵)
12 「炎の犬」サンセット・メモリー (杉浦尚美)
13 「鎌田行進曲」恋人も濡れる街角 (中村雅俊)
14 「人間の証明」「人間の証明」のテーマ (ジョー山中)
15 「池中玄太80キロ」もしもピアノが弾けたなら (西田敏行)
16  「恋」 (松山千春)

amazonにて購入(¥551)

  • CD (2003/4/23)
  • Disc : 1
  • Label : カルチュア・パブリッシャーズ
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

フレンチマスタード (2) @岐阜県関市

2018年07月21日 | 岐阜県(中濃)

夜には随分久しぶりに伺う岐阜県関市の「フレンチマスタード」。店名にフレンチと付いていても基本はイタリアン的な欧風料理。一度階段を上がり、らせん階段で店内へ降りる凝った造り。週末の夜だったので一応数日前に予約をして伺ったのだが、何か手違いがあったのだろうか席が準備されておらず、店の人が慌てて席を急造。先客は数組だったが多人数の予約客があり、そちらに執心していたようだ。肩肘張るような店ではないので、家族と一緒の時はコースでみな同じものを戴くのではなくアラカルトで注文。その旨もお願いしてあった。呑むのは自分1人だけなので、控えめにとグラスワインをお願いする。リストを見せてもらって適当に白(銘柄失念)を注文。適当に食べたいものを頼めと嫁と豚児に告げ、前菜やサラダから数品注文する。そんなに遅い時間ではなかったが既に売り切れている品もあり、なかなか注文が上手くいかない。

パンも注文したのだが、こちらのパンは色々な風味の小さい丸パン。お代わりもしたがワインを呑んでいるとごく普通のバゲットが欲しくなったりして…。自分は魚介が食べたかったので剣先烏賊や鯛のグリエを注文した。この時点でまどろっこしいグラスワイン(リストが1枚しかないので注文する度に持ってきてもらうのも面倒で…)は止めてボトル(白・伊)を追加(←最初からそうしろ)。どの皿もそれぞれ旨いのだが、調理の間が空き、洒落た盛り付けで量は少なめなので、皆でつまんでいるとあっという間に無くなってしまう。このあたり、気兼ねないトラットリアともオステリアとも言えず、やや中途半端な感じかな。息子は「飛騨牛のコロコロステーキ」、自分は「ゴルゴンゾーラのペンネ」を追加。遠慮せずもっと喰えと告げるも、嫁も息子もこれで終わり、と。次はコースで。(勘定は¥14,000程)

以前の記事はこちら

 


 

↓ 関市の町中を流れる津保川の支流、関川に架かる古い橋と、その袂に建つ下見板張りの変わった住宅(建築詳細不明)。2階壁面が川に沿って角度が付けてあってなかなか面白い。

 

 


 

フレンチマスタード

岐阜県関市小瀬2725-1

 

( 関 せき フレンチ・マスタード French Mustard 洋風料理 欧風料理 イタリアン フレンチ 近代建築 )

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

天ぷら元 @岐阜県岐阜市

2018年07月20日 | 岐阜県(岐阜)

岐阜市の西、もうすぐそこが北方町という所にある人気の天ぷら屋「天ぷら元(はじめ)」に初訪問。店の前の駐車場が空いていたが、そちらは並びのテナント用で、店の駐車場は横側に。バイクだったので良かったが、昼営業が始まってすぐの時間に訪れたのにも関わらず、すでに満車の人気ぶり。洒落た意匠の店に入ると思ったよりは広くなく、カウンター席もない。それでも厨房に3人、給仕が3人も居て繁盛ぶりが伺える。店内はもちろんほぼ満席だったが、1つだけまだ座っていないテーブル席があったのですぐに案内してもらえた。日曜だからか家族連れの客が多く賑やか。昼の品書きから「昼食・天ぷら盛」というのをお願いした。

しばらくして、まずご飯と味噌汁、漬物と煮物の入った小鉢が、続いて「天ぷら盛」が運ばれた。置かれた箸もいいものを使っている。内容は甘長、小玉ねぎ、茄子、サツマイモ、そして稚鮎が3つと海老。天ぷらはタネの様子が分かる程度の薄衣で、油切れも良く、サクッとした食感が心地良い。カレー塩、ピンク色の岩塩、それにつゆが用意されていてそれぞれで楽しむ。種の調子も良く、特に稚鮎はしっかりと苦味が味わえ、つい酒はどんなものがあるのかなと品書きを見返してしまった(もちろん呑めない…)。ご飯は「お代わりして下さい。」とのことだったけれど控えておいた。次は運転手を連れて夜に伺ってみようかな。(勘定は¥1,080)

 


 

↓ 大野町黒野の路地を入った所にある「青木医院旧診療所」(大正6年・1917・建造)。邸宅の敷地内に建っていて玄関付近はあまり見えないが、外壁も綺麗に補修されていて状態がいい。

 

 


 

天ぷら元 (はじめ)

岐阜県岐阜市又丸柳町20-1

 

( 岐阜 ぎふ てんぷらはじめ はじめ てんぷら 天婦羅 天麩羅 ランチ 近代建築 下見板張り 診療所 医院 )

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

きむら @名古屋市港区・荒子川公園

2018年07月19日 | 名古屋(港区・南区・緑区)

バイクで名古屋市港区の古い建物を探したり、下之一色町の古い街並みをウロウロしていたある日。目当ての何軒もの店に振られて昼飯どきを逃しつつあった時に飛び込んだのは、たこ焼きと焼きそばの「きむら」。次々と店前の通りに車が停まっていくのを横目で見て引き返した。通り沿いの小さな店だが、小さいハコに店員が3人も居たので人気の程が分かるというもの。たこ焼きの他に焼きそばもあるのだが、次から次へと売れていくようで、じゃんじゃん焼かれている。横に椅子が置いてあったがそこで食べていいのか分からなかったので持ち帰りで「たこ焼き」の6個入りを注文。味付けはしょうゆ、ソース、塩コショウ、ニンニクポン酢から選べるという。いきなりでどれを選んでいいのか分からなかったので先頭の「しょうゆ」でお願いした。

発泡スチロールの容器に入れられて、箸とマヨネーズが付いている。熱々をハフハフ言いながら頬張る。トロリとした生地の軟らかい「たこ焼き」の具はタコのみ。そのタコの調子(鮮度)がいい。出汁の風味で食べさせるタイプの生地はなるほど旨い。これは濃い味付けが無くても十分にいけるやつ。でも”塩コショウ”や”ニンニクポン酢”のたこ焼きって食べたことないからちょっと興味があるかも。「焼きそば」も買えばよかったなァ…。(勘定は¥400)

 


 

 ↓ 生憎の空模様だったが、やっと「三菱航空機(株)大江事務所(旧・三菱重工業名古屋航空機製作所本館)」(昭和11年・1936・建造)を訪れることが出来た。言わずと知れた「零戦(零式艦上戦闘機)」が設計されたと言われる建物。この大江工場から岐阜県の各務原飛行場(現・航空自衛隊岐阜基地)まで、零戦の試作機は牛車で運ばれたのだとか…。

 

 

 

↓ 名古屋港の近辺では古い建物はあまり多く見つけられないが、バイクで走っていた時に見つけた下見板張りの建物(建築詳細不明・郵便局だったとか…)

 

きむら

愛知県名古屋市港区高木町2-28-10

 

( 名古屋 なごや 名古屋港 木村 たこやき たこ焼き たこ焼 お好み焼き おこのみやき 近代建築 堀越二郎 ゼロ戦 零戦 スタジオジブリ 風立ちぬ 宮崎駿 )

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

プレリュード 粟野店 (4) @岐阜県岐阜市

2018年07月18日 | 岐阜県(岐阜)

プレリュードの粟野店へ。いつも貰うだけになっている家族の誕生日に店から送られてくる割引ハガキをたまには使ってみようと訪問した。湿度も気温も高いこの頃、移動もあるこの日は生菓子は止めて日持ちのする焼菓子だけにしようと店内の右側にある焼菓子を物色。福光店よりやや種類は少ないが、基本は同じ焼菓子が置いてある。嫁はここの「ガレット・ブルトンヌ」が大好物なので多めに入れて適当に包んでもらった。

購入したのは「ラング・ド・ブフ」「ガレット・ブルトンヌ」「フィナンシェ」「フルーツケーキ」など。定番の物ばかりなので今更感想も何も無いが、シンプルで安定の旨さ。これらがお茶請けに用意してあれば嫁の機嫌はすこぶる良い(笑)。粟野店ではあまり生ケーキを買わないので、次は久しぶりに買ってみようっと。(勘定は¥1,500程)

以前の記事はこちら (1)(2)(3

ふらんす風菓子 プレリュード 粟野店

岐阜県岐阜市粟野東5-244

 

( 岐阜 ぎふ 粟野 あわの プレリュード プレリュード粟野店 福光店 ふらんす風菓子プレリュード シュークリーム コルネ ミルフィーユ 焼き菓子 ガレット )

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

松竹大歌舞伎 「近江のお兼」「曽我綉俠御所染」「高坏」 @愛知県春日井市・春日井市民会館

2018年07月18日 | 歌舞伎・文楽

松竹大歌舞伎 「近江のお兼」「曽我綉俠御所染」「高坏」 (7月16日・春日井市民会館)

恒例、歌舞伎の夏巡業。今回は初めての会場「春日井市民会館」でチケットを取ってみた。春日井にはJRの駅と名鉄(小牧線)の駅があり、会場はJRの駅に近いが、東濃を除く岐阜方面からだとあまりアクセスが良くなく、結局金山まで出て、乗り換えて春日井駅へ。名古屋からだと近いんだなァ。この日は酷暑が続く連休の最終日。39度という体温より高い気温で、外に居るだけで止めどなく汗が流れ不快なことこの上ない。いつものように街を少しでも知るためにと駅から1.5kmほどの距離を歩いてみたが、暑いのなんの…。着物を着て観劇のご婦人方は大変だろうナ。会場はこじんまりとしていて客席は1階席だけのよう。ステージも遠くなく地方公演を観るにはちょうどいいサイズだ。

一幕目は梅枝が踊る「近江のお兼」。暴れ馬を高足駄で踏みとどめたという怪力の田舎娘お兼の説話を基に制作された義太夫の舞踊化。2人の漁師を跳ね飛ばす踊りが滑稽。同時に年頃の娘の切ない恋心をも描いているはずだが、その辺りのニュアンスは少し感じづらい。二本の晒(さらし)を手にダイナミックに舞う姿が見事。

続いて二幕目は「曽我綉俠御所染」(そがもようたてしのごしょぞめ)。題からはいわゆる”曽我物”のようだがそれらしき「曽我兄弟」の物語は出てこない。主人公と敵役が揃って登場。白地の着物を着た菊之助が凛々しい。菊之助は相変わらず口跡も迫力があって白塗りの顔にも華がある。この役(五郎蔵)では少し品の良さが出過ぎている気がしないでもないが、女形の時の艶やかさも一等だし、立役でもいい。よく考えるとそういう役者ってあまり居ない。女形をやると途端に醜女(しこめ)になってしまう役者が多いもんなァ(誰とはいいません・笑)。最初の説明台詞の場面では変化が乏しく、船を漕いでいる人も多かったようだ。取り巻きの台詞で”春日井”をくすぐったり、W杯で話題になった「半端ない」を台詞に入れたりして笑わせてくれた。こういうのも地方公演で楽しいところ。歌舞伎ならではの様式の詰まった演目だが、物語としてはかいつまんでいる箇所もあるようでちょっと面白味に欠けたり、あっさりし過ぎて感情移入しづらい場面もあったかな。にしても米吉が綺麗だ(←毎回言ってる)。

三幕目はおもしろおかしい「高坏」。太郎冠者、次郎冠者で笑わせる松羽目物。ただし背景は老松ではなく満開に咲いた桜の樹。6世尾上菊五郎が初演(昭和33年頃)というから比較的新しい(現世、つまり菊之助の父は7世)。初役だという菊之助には”うつけ”の役のイメージが無いがなかなか可愛らしかった。高足(下駄)を履いて踏み鳴らす音をタップダンスのように演奏とシンクロさせる。これ、6世が初演当時流行り始めたタップダンスを取り入れた演目なのだとか。今でいったらヒップホップ系のダンスを取り入れたって感じか。当時から進取の気風があったんだねェ。こういう楽しい演目で終わるのはいい気分。さて、また灼熱の屋外へと…。

 

一、近江のお兼(おうみのおかね)

近江のお兼   中村 梅枝
 

河竹黙阿弥 作

二、曽我綉俠御所染(そがもようたてしのごしょぞめ)

御所五郎蔵

御所五郎蔵   尾上 菊之助
星影土右衛門  坂東 彦三郎
皐月      中村 梅枝
逢州      中村 米吉
梶原平蔵    中村 萬太郎
花形屋吾助   市村 橘太郎
甲屋与五郎   市川 團蔵

 

久松一声 作

三、高坏(たかつき)

次郎冠者   尾上 菊之助
高足売    中村 萬太郎
太郎冠者   市村 橘太郎
大名某    市川 團蔵

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

和泉屋 @愛知県岡崎市

2018年07月17日 | 愛知県(三河・老舗)

岡崎市の街中にある和菓子屋「和泉屋」。創業は昭和7年(1932)と長い歴史がある。店頭で売る団子や饅頭、どら焼きの他に、店内でしるこや関東煮(おでん)まで商っている市民の憩いの場のようだ。この日も店内はほぼいっぱいで、店頭には様々なものを買い求める老若男女で列が出来ていた。すごい人気。この店は進取の気風があるようで、古くからの菓子に加えて色々な新しい菓子が沢山並んでいる。通わないと食べきれない種類の多さ。寒い時期なら店内で温かいものをいただくところだが、この日は日差しが強く暑かった(訪問6月初旬)。最初は団子か饅頭を買おうと並んでいたのに、買う段階になって「くず餅バーの抹茶ミルク1本下さい。」と口に出していた。

手渡してもらい店の外でいただく。このアイスは甘さかなり控えめ。”アイスのようでアイスじゃない”というキャッチ・コピーが付いていたが、プルンとした舌触りで、ゼリーを凍らせた時のような軟らかい不思議な食感がある。大きくないのでクールダウンとまではいかなかったがなかなか旨かった。次は店内で「冷やしぜんざい」「冷やし大福」(どんなの?) なんてところも食べてみたいナ。(勘定は¥170/本)

この後の記事はこちら (2

 


 

 ↓ 同じ通りに建つ食器の店「竹村屋」(建築詳細不明)。緑青(ろくしょう)が吹いた銅板の外壁が渋い。

 

↓ 市内の乙川に架かる「殿橋」(昭和2年・1927・建造)。親柱の重厚でクラッシックなデザインが素敵。竣工時からほぼそのままの姿らしいがちゃんと耐震工事済みだとか。

 

↓ お馴染み、創業正保2年(1645)という八丁味噌の老舗「カクキュー本社事務所」(昭和2年・1927・建造)。本社名は「合資会社・八丁味噌」(!)というんだねェ、知らなかった。昔入ったことがあるが工場見学も出来るようになっているのでとても綺麗に整備されていて、登録有形文化財にも指定されている。

 

↓ 自転車を漕いでフーフー言いながら辿り着いた見合町の広大な敷地に建つ「愛知県立農業大学校講堂・追進館(旧・愛知県追進農場大講堂)」(昭和10年・1935・建造)。ガラス窓から中を覗いてみたが、まるで時間が止まっているような素晴らしい佇まい。

 

 

 

↓ 同じ敷地内に建つ「愛知県立農業大学校・資料室」(昭和16年・1941・建造)。かなり傷みが酷くなってきていて使用されていない模様。そのうち崩れ落ちてしまいそう…。

 


 

 

御菓子司 和泉屋

愛知県岡崎市康生通西2-6

 

( 岡崎 おかざき いずみや いずみ屋 和菓子 御菓子司 菓子処 おでん 関東煮 汁粉 お汁粉 饅頭 まんじゅう 近代建築 国登録有形文化財 近代化産業遺産 )

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

里山きさら @岐阜県揖斐郡揖斐川町

2018年07月16日 | 岐阜県(西濃)

朝早くバイクで家を出て、揖斐川町の古い建物を見に行く前に朝食に向かったのは「里山きさら」。ジビエを扱う店で”シャルキュトリー・レストラン”と名乗っている。どんな意味だろうと調べてみると「シャルキュトリ(charcuterie):食肉加工品全般の総称」らしい。こちらで肉を加工しているという意味だろうか。以前に岐阜市の郵便局近くで入ったそば居酒屋と関係があるようだ。店に入ると朝早いにも関わらず何組もの先客がいた。近所の方らしきジーサンバーサンのカップルもいらっしゃる。店内のテーブルはほぼ埋まっていたので男性店員に「よろしければ外でも。」と案内された。やや曇り空なのが残念だが、目の前に田んぼと畑と小山が広がる気持のいい席。

ド田舎だけどスピーカーから洒落たボサノヴァ・ジャズが結構な音量で流れている。せっかくの田舎風景で畑の上ではひばりが鳴いていたのでBGMはもう少し小さい音か、無しでもいいかも(笑)。こちらにはモーニング・サービスがあるのだが、何とジビエがいただける。もちろん訪問したのはそれ目当て。種類は2つ。「Jibier Morning」と「Casse-Croute(カスクルート)」。前者にはトースト、玉子に鹿のソーセージとハムが付き、後者は自家製パンのサンドイッチ。選んだのはカスクルート。テリーヌとハムが選べるのだが、尋ねるとハムはあっさりしているので風味を味わいたいならテリーヌをとのこと。なのでもちろんテリーヌでお願いして、飲み物はコーヒーを注文。

しばらくして「カスクルート」が木製のプレートでお洒落に運ばれてきた。軟らかめのバゲットのサンドイッチで、分厚いテリーヌと共にレタス、キュウリ、トマトが挟んである。味付けは軽く、バゲットは大口を開けた状態なので食べづらいことこの上ない(笑)。ある程度解体つつ上手くひと口で入るようにしていただく。鹿のテリーヌが旨い。香辛料の効きは強くなく、鹿肉ならではの濃厚な風味が口に拡がる。ただ挟まれた野菜類がその味の印象を薄くしてしまう気もするので、思い切ってテリーヌのみにして野菜はサラダで添えてもいいかも。苦めのコーヒーはカップの残り方をみるとエスプレッソ・マシーンかフレンチ・プレスで淹れているだろうか。モーニングとしては値段は安くないが、なかなか面白い朝ごはんだった。ランチや夜も興味があるし、店ではソーセージなども売っていたが、それはまた別の機会に。(勘定は¥1,030)

この後の記事はこちら

 


 

↓ 揖斐川町で目当ての重厚な建物「フォート光画堂」を訪ねるも、つい最近壊されたようで建て直しが始まっていた…、残念。ショックは大きかったが気を取り直して近所の古い建物を再訪。古い商店街に残る「所薬局」(建築詳細不明)

 

 

↓ こちらも薬局「石原薬局」(建築詳細不明)。店頭のガラスショーケースなどが時代を感じさせる。日本建築だが横に回ると2階の一部に下見板張りの壁が残っていた。はて?

 

 


 

 

シャルキュトリー・レストラン 里山きさら

岐阜県揖斐郡揖斐川町谷汲長瀬1272-1

 

( 揖斐川町 いびがわ町 さとやまきさら 㐂更 喜更 ジビエ 鹿肉 シカ肉 モーニング 喫茶 ランチ 蕎麦 五平餅 近代建築 光画堂解体 )

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする