こんな気持ちでいられたら・・・一病理医の日々と生き方考え方

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『医療』の定義、医術・・・医療を哲学的に考えてみる(2)

2013年08月07日 | 病理のこと、医療のこと、仕事のこと
広辞苑で『医療』は「医術で病気をなおすこと。療治。治療。」とだけあり、あっさりしている。

医学書院の医学大辞典には詳しく、「医師の医学的判断および技術をもってするのでなければ人体に危害を及ぼす恐れのある行為を医行為といい、医行為を業(反復継続すること)とすることを医業という。医師法17条は、医師でなければ医業をしてはならないと規定している。医療とは、医師およびその他の医療従事者が医師の指示に基づいて行う、患者の疾病・外傷の診断・治療の目的で行われる医行為を総称していう。」となっている。

広辞苑にある説明だが、そこには、“医術”、“病気”、“治す”という3つの語しか使われていない。
一つの文章をあまり細かく分割しても訳が分からなくなるばかりなので、これら3語について私なりに定義して、『医療』というものを再定義することにする。

まず、“医術”。これは医学大辞典にある医行為とほぼ同義としてよいだろう。
そうすると、それをする“医師”を定義しないといけない。“医師”というのは、ある一定年限以上、系統立った医学教育を受け、一定水準の医学知識を有することが、試験によって担保されている者、といったところだろうか。

従って、医術(医行為)とは医学教育を受けた人間(医師)が病気の人間に対して、病気を治すために行うこと、と言える。

次は、医術の対象となる“病気”について考えてみる・・・って、どうするんだよ。