こんな気持ちでいられたら・・・一病理医の日々と生き方考え方

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光源氏と福山雅治・・・2015年9月の読書記録

2015年10月02日 | 読書、映画、音楽、美術

源氏物語、ついに『幻』まで読み終えた。光源氏、52歳。奇しくも私と同じ年。感慨深いものがある。

ところで、先日、福山雅治さんが吹石一恵さんという女優さんと結婚すると発表してたいへんなニュースになっている。私でも、福山さんのいい男ぶりにはうなずける。人なつこそうな笑顔は素敵で、世の女性達の心を鷲掴みにしているのはよくわかる。歌手としてもそれなりのもので、桜坂は好きな曲だ。写真家としても活動しているそうだ。で、思ったのは、そのような多才な福山さんは歌舞音曲も一流であった光源氏に通じる男だということ。

福山さんと吹石さん二人の年はそれぞれ46 歳と33歳、一回り以上の年の差だ。14年前にはすでに知り合っていたといい、その頃から惹かれていたのだろう。一回り以上も年下の女性をずっと見守り続けてきた上で、結婚するとはまさしく、紫上のようなあつかいだ。源氏が紫上を見いだしたのが18歳のときで、紫上は9歳。契りを結んだのはその5年後だった。見初めた女性としっかりと愛を育んでいたというところまで、光源氏に通じるものがある。

幸せな家庭を築いてほしい。

 

2015年9月の読書メーター
読んだ本の数:4冊
読んだページ数:992ページ
ナイス数:164ナイス

謹訳 源氏物語 七謹訳 源氏物語 七感想
光源氏の一代記はここまで。柏木、夕霧は伝説的いい男のそれぞれの両親(頭中将、光源氏)にあやかれなかった哀しいジュニア。生真面目で不器用な男たちの話は、このあとどうつながるのか。宇治十帖が楽しみ。紫上の女性の生き方の難しさへの感慨は当時も今も変わらない。紫式部がこうして指摘していたのに驚く。女性の生き方、いかなるものが理想か。そして、源氏。後悔先に立たず。紫上をもっともっと大事に慈しんでいたら良かったのに。ベタだけど、男女の仲、結局互いの信頼で、そのことで相手に不安を与えないことが大切だと感じる。
読了日:9月30日 著者:林望
謹訳 源氏物語 六謹訳 源氏物語 六感想
若菜。ついにここまで読み進めてきた。平安セレブリティ物語もクライマックス。この物語、源氏による女性の定点観測のように読んでいたが、左大将、衛門の督の描写は若かりし頃の源氏と頭中将のうつし絵、男性心理の描写が細かくされている。紫式部が女性の心理を上手く描写するのはよくわかるが、男性の心理もこれほど細かく描いたとは。明石の入道、朱雀院の物語もしみじみとする。 朧月夜との関係は、今も昔も変わらない不倫話。ずるずるといつまでも引きずられ、最後は女性の決心でしか終止符がうたれないということも同じ。
読了日:9月25日 著者:林望
スクラップ・アンド・ビルドスクラップ・アンド・ビルド感想
火花とあわせて文春で。芥川賞作品は大抵そうしている。西村賢太はあとで買ったが、あの人今、どうしているのだろう?やっぱり、リア充で駄目になってしまったか。それはさておきこの作品、ありがちな、読んでいてつまらなくなるだけの人の日々の営み。人生のベテランの祖父は名実ともに老獪で、まだまだ若い孫はまんまとその術中にはまる。羽田圭吾さんというのは器用な作家さんだなあと感じられた。字数制限でもあったのだろうか、せっかくいくつもの伏線を張ったのだから、もう一つか二つ、盛り上がりがあってもよかったのでは?
読了日:9月14日 著者:羽田圭介
火花火花感想
花火に始まり花火に終わる。未だにタイトルが火花か花火なんだかわからない。展開は陳腐だったが、引退舞台は泣き笑い、それなりに楽しめた。言葉遣いは丁寧で、難読語も少々。つなぎも完璧、勃起描写もあり、芥川賞としては完璧。太宰にコツを教えてあげていたら、みっともない手紙を書かずにすんだろうに。著者が芸人さんということが邪魔して、徳永の様子が制限されたのは少し残念だった。なぜ、花火ではなくて火花ではなくてはならなかったのかは最後までわからなかった。タイトルはどうでもよかったのではないか。高樹のぶ子の選評に一票。
読了日:9月12日 著者:又吉直樹

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