お花が無くなってしまって家の中がさびしいので、近所のスーパーマーケットに買い物に行くついで買って来てと、妻に頼まれた。
家の花はすべて妻が生けている。私が切り花を買うのは、せいぜい妻の誕生日、母の日と墓参の仏花ぐらいのもので、普段使いの花など買った記憶はほとんど無い。
たいていのスーパーの入り口にお花が置いてあるのは知っている。あれから、いくつか見繕って買ってくればいいのだろうと、出かけた。
スーパーの入り口で見ると、小さな花束がたくさん置いてある。もちろん、ここまでは知っていたが、色とりどりであったとは気がつかないでいた。
ぼんやりと花の山があるようにしか思っていなかった。
どれもそれほど高そうではない花ばかりだが、よく見るとどれもかわいらしい。
お花、一束258円。これが高いのか安いのかはわからないが、大昔デートでプレゼントしたバラ一輪よりはるかに安いのはわかる。2~4本づつラップにつつまれた花たちが、いたいけに感じられる。
選び始めるとどれもかわいらしく、どれにしようかと悩む。
結局、バラの花束とヒマワリの花束の二つを買った。レジのおじさんが「お花の袋どこでしたっけ?」と、花に”お”をつけてベテランのパートのオバさんに尋ねているのを聞いて、何だか嬉しくなった。
家に帰って妻に渡したら、バラの花束を二つにわけ、ヒマワリの花束とで花瓶3つに生けていた。
あっという間に家の中が明るくなって、嬉しい気持ちになった。
たまには花束を買って帰ろう