財務省が医療費抑制の提言をした(『都道府県別に医療費設定、財務省
軽度介護の自己負担増』岩手日報 2018年4月10日)ということだ。”日本は軽症でもすぐに医療機関にかかるから、医療費を圧迫している”だから、そういう場合は受診料を高くするらしい。介護にはボランティアを活用するらしい。
医療費、社会保障費の抑制は行わなくてはいけない。でも、内科とか外科、小児科、産婦人科などのいわゆるメジャー科がきつくて、なり手が減っている状況がなぜ起きているかを考えないで、一足飛びに、それらの科の先生が主体の街の開業医を圧迫するような提言はどうかと思う。十分な収入が得られなければ、若い医者はもっとQOLのよい科に流れる。だから病理医なんて、いつまでたっても増えないし、仕事のキツイ科に進む医者も激減している。20年、30年後に大腸癌を切ってくれる医者がどれだけ残っているか心配になる。そういうこと、財務省はわかっているのだろうか?それに、”ボランティア”って人手不足の世の中、どこにそんな余裕のある人がいるというのだろう?宅配業者がアップアップの状況なのはわかっているのだろうか。ボランティアにもある程度は期待できるかもしれないけど、財政を改善するほどまでに人手が足りるなんて、財務省は本気で考えているのか?”トラック何千台”もが、机上で走るところの思考回路とはそういうものなのか。
だいたい、消費税の目的は社会保障だったはずだけど使途変更だのどうもおかしなことになっている。
政治家の口利き、命令は命をかけて遂行し、政治家とその周りの人だけがいい思いをし、日々税金を払うために働いている国民はないがしろにされている。そんな構図がいまの日本には蔓延している。税金を払ってまで、その国に住まわせてもらうのが国民で、納税は国民の義務だ。だけど、逃げ出したくなる人の理由もわからなくもない。政治が停滞、というか全てを明らかにしてしまえばとっくに終わっていることをいつまでも”丁寧に”文書を改ざんしたりしているものだから、全く何も進まない。
韓国では前任の大統領が順繰りに逮捕されていて、呆れていたけれど、汚職だの利権が少しでもまとわりついたらそうなるということの証しでもあるのだと、その潔癖さには感心してしまう。
日本がこうしているうちにも、海の向こうでは中国がアメリカに取って代わるべく世界支配を進め、シリアでは一般市民が日々犠牲になっている。北朝鮮問題では少しだけ動きがあった(『河野外務大臣による文在寅韓国大統領表敬 平成30年4月11日』外務省)ようだけど、日本パッシングの感は依然として拭えないでいる。
これじゃあ、どうやってポジティブ思考でいたらいいの?と言いたくなる。それでも私は私で日々の仕事を丁寧に誠実に行って行くしかない。医者には嘘もいい加減な仕事もインチキは許されない。でもこれは医者だけではなくて、ほかのあまたの仕事でも同じことだ。
真面目に働いている納税者を上から目線で馬鹿にするのもいい加減にしてほしい。
このままでは窒息してしまう