また、やってしまった。十日前に頼まれていたコンサルテーション診断、先週のうちに診断はつけておいたのに返事を出すのが遅かった。依頼主の先生から、問い合わせの電話がきてしまった。上司らと一緒に診断をつけておいて、診断文を考えているところだったので、電話口ではよどみなく答えることができたのは幸いだった。
病理診断は救急の現場のような緊急性は必要ない。かといって、ほったらかしにもしておけない。できれば1週間以内、難しい症例でも2週間程度で診断に決着をつけないと、生検後、手術後の次の治療に進めない。さらに、コンサルテーションに送られてくるような症例は診断に難渋している症例であり、送られてきた時点で少し時間が経っていることが多く、少しでも早く返事が欲しいはず。
かといって、こちらも簡単に返事ができるような症例が送られてくるわけではないし、診断名だけでは意味が無い。診断の根拠となる所見、診断へのプロセスを書かないと診断書は完成しない。ということで、ちゃんとした診断書の作成は遅れてしまう。電話でだけ、返事をするのも臨床的にはいいのかもしれないが、病理医としてはいまひとつである。
完成した診断書はメールでまず送る。
標本返送用の封筒があるので、プリントアウトした診断書と一緒に送る。書き出しはだいたい決まっている。
拝啓、敬具。前略、早々。もあるにはあるが、これは依頼する時に書くことが多い。
依頼してくるのは、病理だったり、臨床だったりする。
○○病院○○科
○○先生
平素よりお世話になっております。このたびは興味深い症例を拝見させていただき、まことにありがとうございました。
・・・(診断名)・・・
・・・(診断分)・・・
お返事が遅くなってしまい、たいへん申し訳ございませんでした。
今後とも、よろしくお願いいたします。
○○病院病理診断科
コロ健
むずかしい症例・・・
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