4-3-3の中盤(5/27バルセロナ対マンチェスターU)

今日はカタール戦ですが、平日夜の試合の即日更新はおそらくできないので、穴埋めネタとしてちょっと前に見た欧州CLの決勝、バルセロナ対マンチェスターUについて書きます。スペインリーグは普段見られないので、グアルディオラ監督が指揮するバルセロナは初めて見ました。

バルセロナの布陣はライカールト前監督の布陣を引き継ぐ4-3-3です。ただ、DF陣に故障者がいて、本来ボランチのヤヤ・トゥーレがCB、本来CBのプジョルが右SBという苦しい布陣でした。そのため、3ボランチの中央の選手は国際的には無名の選手でした。

ただ、4-3-3の布陣を引く場合、中盤の3人は全員ボランチ気味になるのが普通です。1996年の欧州CLを制したユベントスもそういうチームでした。しかし、今回のバルセロナは、無名の守備的選手一人を除くと、シャビ、イニエスタと二人が攻撃的な選手です。

普通に考えたら、この中盤でマンUの攻撃を止められるのかという発想になるでしょう。しかし、バルセロナは3人の中盤で、4人いるマンUの中盤に勝てるという見込みがあるからこういう布陣にしたのです。単にエトオ、メッシ、アンリのFW陣が豪華で誰も外せないからイニエスタを中盤に置いた訳ではありません。

しかし、この日のサッカーができれば世界中に勝てるチームはないと言い切れるほど、この日のバルセロナの中盤は絶好調でした。イニエスタもシャビも、ボールを持ったら一人かわせという、常識的には無理な要求をいとも簡単にこなしていました。

その結果、マンUが誇る運動量の多い中盤が後ろを向かされ、バルセロナの豪華3トップにパスコースを与えてしまいました。こうなればバルセロナの勝利は必然で、結果も2-0でバルセロナの勝利に終わりました。

このサッカーは、欧州選手権を制したスペイン代表のサッカーと似ています。スペイン代表は、いつも「予選だけ強い」と皮肉られ、本大会ではここのところベスト8の壁を破れていませんが、今回は欧州チャンピオンということで、大本命の立場で南アフリカW杯を迎えるでしょう。

こういう技術に優れたサッカーが勝つのは、見る側にも面白く、世界中のサッカー少年に良い影響を与えるでしょうが、そう単純にはいかないのがサッカーです。