浦和黄金コンビ

過去の浦和レッズで、機能した二人のコンビで思い付くのは、スペースを狙うパスが光った福田とバイン(1995年)、ピンポイントクロスで合わせたポンテとワシントン(2006,2007年)です。このコンビは実際に多くの得点を生み出しましたが、私は短い期間ですが機能した、もう一つのコンビが印象的です。

そのコンビは小野伸二と田中達也です。組んでいたのは小野伸二がオランダに渡る前で田中達也が新人だった2001年の前半、小野伸二が浦和に戻り田中達也が重傷から戻ってきた2006年だけですが、2001年のときに見事なコンビプレーを見せたことが今でも覚えている理由です。

あの当時の浦和はJ1復帰初年度ということもあり弱く、GWの国立競技場の磐田戦は2-0というスコア以上の完敗でした。しかし、途中から田中達也が出てきて流れが変わりました。特に田中達也が持っている高いサッカーセンスに惹かれた試合でした。小野伸二がパスを出しやすいような体の向きを工夫したり、空いているスペースをよく見分けていました。

当時の田中達也は、点を取るよりドリブルで相手を抜く方が好きだった19歳の若者でしたが、その注文通りにパスが出せる小野伸二の技量があったからこそ見つかった田中達也の長所でした。小野伸二のオランダ移籍前の最終戦だったアウェイ広島戦で、田中達也はゴールを決めて小野伸二を勝利で送り出しました。

このときがあまりにも強烈な印象だったので、田中達也のキャリアで最大のハイライトのエメルソンと組んだ2トップの印象が霞んでいます。エメルソンのときは同タイプの2トップだったので、お互いを生かし生かされした関係で、FWとトップ下の関係とは違うのもあまり覚えていない理由です。

今、田中達也は新潟にいますが、あまり試合に出ていません。また、小野伸二のように、相性ぴったりのMFと出会って、輝く日が来ることを願っています。