身体接触を避ける(香川真司)

今日の日本代表のブルガリア戦は、7-2という日本の圧勝に終わりました。仕事で前半の一部を見ていないので、恒例のゲームレポートは明日以降に回し、今日は穴埋めネタで2得点と活躍した香川真司選手を取り上げます。

この日の得点パターンは香川真司らしいもので、うまくフリーになってゴール前に進出することが彼の得点力を支えています。元日本代表監督のイビチャ・オシム氏も「彼は身体接触を避けることで活躍している」と評したこともあります。

香川は兵庫県の出身ですが、FCみやぎバルセロナという仙台にあるユースチームでプレーした経歴を持ちます。C大阪には17歳で入団しますが、彼は少年時代から優等生で、C大阪の寮長が「香川と南野だけは一度も怒ったことがない」と証言するほどです。オフの楽しみも、遊ぶことよりワールドサッカーのビデオを見て、自分のプレーの参考にしていました。

ワールドサッカーのビデオが好きだったくらいですから、海外志向は強かった香川ですが、2010年南アフリカW杯の日本代表メンバーから落選してサポートメンバーで同行したのは大きな挫折だったと思います。岡田監督も香川の才能は評価しており、2009年の最終予選のウズベキスタン戦で出場停止の松井の代役の左MFで起用したくらいでしたが、この試合で結果を出せなかったのが響きました。

しかし、一昔前だと海外クラブへの移籍は、日本代表で活躍しないとスカウトの目に留まりませんでしたが、香川の時代になると欧州のスカウトがJリーグを見に来るようになっていました。C大阪で活躍する香川をスカウトしたのは、ドイツでも名門のドルトムントでした。本人の海外志向を考慮して、C大阪は移籍金ゼロで送り出しています。

ドルトムントでは1年目からレギュラーになり、二桁得点もマークするほどでしたが、マンUでは苦しみました。才能を評価してくれたファーガソン監督が退任して、後任のモイーズがチームを低迷させた逆風もありました。今はドルトムントに戻り、得意なトップ下に戻って活躍しています。

今、欧州のリーグ戦がテレビで見られるのは、香川のおかげという面もあると思います。昔ほどワールドサッカーを見るのに苦労しなくなったことには感謝の念を持っています。