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通訳から名監督へ(モウリーニョ)

2019-03-05 22:11:36 | ワールドサッカー
今日はネタが思いつかないので、穴埋めネタのワールドサッカーから、元マンチェスターU監督のジョゼ・モウリーニョを取り上げます。モウリーニョはこれほどの名監督でありながら、プロ選手の経験がありません。ポルトガルの体育大学で、スポーツ理論を学んでいたモウリーニョですが、この大学が語学力を重視する大学で、英語やスペイン語などに堪能になっていたことが彼の運命を変えます。

大学を卒業したモウリーニョの仕事は、スペインリーグの名門、バルセロナの通訳でした。当時の監督、ボビー・ロブソンは英語しか話せなかったので通訳が必要になりました。のちにライバル監督となるグアルディオラが当時選手で、通訳のモウリーニョの言葉を聞いていたという浅からぬ縁があります。この通訳時代に、ロブソンの理論を吸収したことは間違いないでしょう。

その後、モウリーニョは監督業に転じ、ポルトガルで下部リーグのチームを優勝させて、ポルトガルのトップチームのFCポルトの監督になります。これだけでも大きな成功ですが、そのFCポルトで、欧州CL優勝という驚くべき成果を成し遂げることになります。当時のFCポルトはJリーグ並みの20億円ほどの予算と言われ、年間予算100億円を優に超すビッグクラブを向こうに回しての優勝は驚異的でした。

この優勝で、モウリーニョは欧州各地からオファーが来る一流監督の仲間入りを果たします。FCポルトからは慰留されたものの、「こんなチャンスは人生一度きり」と割り切ってチェルシー(イングランド)の監督になります。その後はインテル(イタリア)、Rマドリード(スペイン)、マンチェスターU(イングランド)とそうそうたるビッグクラブを率いています。

モウリーニョには、一度イングランド代表監督のオファーが来たことがあります。金銭的には相当の額だったと思いますが、クラブチームと違って弱小国との対戦が多く、代表監督はあまり魅力的ではないと断ったと聞きます。チェルシー時代にも、ベッカムらビッグネームの名前を補強リストに提示されながら、私が欲しいのはそんな選手ではないと、当時フランスリーグに所属する地味だったドログバやエシアンなどの名前を選んで成功につなげています。

それだけ、選手を育てられる監督です。今はフリーですが、きっとどこかのビッグクラブを来年は率いているでしょう。こういう、異色のキャリアの監督がいるから、サッカーは面白いと言えます。
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