
11月発表予定のミュージカル「金魚姫」は
おとぎ話に登場するステレオタイプのお姫様たちの
幸福度を確かめたい!
人魚姫的、献身的、無償の愛は女の生き方としてどうなのか?
などと考えて書き始めた話です。
ところがミュージカル研究会には素敵な男性がたくさんいるので、
王子様の言い分も発表してもらうことになりました。
で、色々な王子様について調べ始めたら「幸福の王子」に遭遇。
その昔、国語の教科書に出ていたような気もするけれど、
どんな話だか殆ど覚えていなかった「オスカーワイルド」の絶品。
ウィキとか粗筋集をみただけでも涙ポロポロの感動作品でした。
実際の曲は前奏で台詞を言い、私の作詞で王子の悲痛な哀しみが
歌われます。
王子:「幸福の王子」と呼ばれた僕の人生は大失敗でした。
♪何も知らずに 「幸せな王子」と呼ばれたぼく
でも、それは本当の幸せじゃなかったんだ!
お城の外には、寒さに震え、貧しさや病気と闘っている人たちが
本当にたくさんいたんだよ。
♪ぼくは生きてるあいだに気づくこともなく、なさけない日々
「誰かのために役に立てれば、それが幸せ」と、
今はよくわかる
これを歌うのはフィリピン人研究者(東工大准教授)の青年で、
まるで本物の、純粋な愛の塊のような人。
本格的なベルカントの勉強なんてしたことがないのに、
いつも、どんな役の時にも伸びやかな魅力的な声で、
人の心に染み入る説得力のある歌を聴かせてくれます。
仕事があるので、練習に参加できるのは1回/月程度。
それを補うために毎火曜日朝、30分だけ我が家に練習に来てくれます。
分からない日本語は一生懸命辞書を引いたり、聞いてくれて、
日本語のニュアンスを学ぼうという気持ちが有難い、素敵な人。
高齢者のグループをまとめていくのは疲れるし、大変なのですが、
こういうご褒美があるので(?)、止められません。